完成したゲームはちょっと寝かせよう【客観的に確認するのが大事】

完成したゲームはちょっと寝かせよう【客観的に確認するのが大事】

完成させたゲームは作った本人にとっては完璧なもののように見えますが、一歩引いて冷静に見てみると流れがおかしかったり、細かいところでおかしな部分があったりと、修正すべき点が見つかります。

これは作っている最中は本当に気づかない部分で、友達にプレイしてもらったり実際にリリースした後ユーザーに遊んでもらった後に気付くことが多いんです。

ゲームを作った本人が客観的にゲームを遊ぶのは難しいところではあります。しかし、ひとつ客観的になれる方法があります。それは、ゲームが完成したらしばらく寝かせておくこと。

いったん脳内のメモリからゲームの内容を消しておくことで、100%の客観性とはいかないまでも、ある程度冷静に確認することができます。

 

 

作品を寝かせる

個人的な話ですが、昔小説を書くのにハマっていた時期がありました。

この時に同じく小説を書いていた友達からよく言われたのが、「推敲するのは原稿を一晩寝かせてから」という言葉でした。

食べ放題のお店とかでチョコレートファウンテンの機械を見たことがありますか? 甘くていい匂いのする溶けたチョコレートが無限に湧き出てくるアレです。

原稿を書いている時ってあんな感じでアドレナリンが泉のように湧き上がってくるので、流れや細部がおかしくなっていても中々気づけないんですよね。それこそチョコレートがスポンジの凸凹を隠しちゃうように。

特に終盤、クライマックスのシーンを書き上げる時には書いているこっちも盛り上がっちゃって、眠気なんか吹き飛ぶくらいのテンションで一気に筆が進んでしまいます。

書き上げたあとは「もうこのまま出しちゃえ!」ぐらいのテンションなのですが、こういう時は大抵誤字や脱字があったり、会話の流れが不自然だったりと、それはそれはひどい原稿になっているんです(笑)

なので時間をおくことで客観的に原稿を見て、読者の視点に近づいて推敲していくのが大切なんですね。

 

小説の書き方からゲームのストーリー作成方法を考える点については以下の記事も参考になるかもしれません。

 

ゲーム作りでも時間をおくのが大事

小説の話から入りましたが、ゲーム作りでもこの部分は同じ。

作り上げたゲームはいち早く遊んでもらいたいものです。でも推敲は欠かせません。

ゲーム作りの場合はプログラミングが含まれているので機能面では「テスト」のフェーズで確認できます。

しかし、ゲームそのものの面白さやストーリーの流れ、プレイしている時の快適さなどは「テスト」のようなシステム的なものとは違い人間の感覚で調整する必要があります。

人間の感覚に頼る部分が大きいからこそ、ゲームの作り手には客観的で冷静な視点が求められます。

この客観的で冷静な視点を持つための方法が時間をおくことです。

作った直後は脳内に思い描いた理想状態のゲームをアウトプットし終わった状態です。実は人間はアウトプット中に成果物の瑕疵に気づかないんですよね。というのも、脳内には理想の状態があり、それに沿ってアウトプットを行っていると脳が勝手に思ってしまっているので、成果物を見ても自動的に脳内で最適化されて正しい姿を捉えることができないんです。

なので、脳内にある理想の状態をいったんリセットするために時間をおく必要があるんですね。人間は今目の前にあることに集中するのが得意な反面、見えていないことに対してはあまり注意を払わないので、作ったゲームを目の届かないところにしまっておいて、時間をおいてから確認するようにしましょう。

 

時間をおくメリット

脳内のアドレナリンを一旦落ち着かせて、ニュートラルな気持ちでゲームをプレイしてみると作っている時に気付かなかった点にも気付きやすくなるはずです。

自分で作ったゲームを自分でプレイしていると、どうしても贔屓目に見てしまいます。ゲームを届けたいユーザーさんはニュートラルな気持ちでプレイするはずなので、なるべくその感覚に近づけてプレイすることでよりユーザー目線のゲームに近づけることができます。

自分で気づかないことの代表例は誤字・脱字です。例えば「およはう」「こんちには」と書かれていても、自分だとなかなか間違っていることに気付きません。正しくは「おはよう」「こんにちは」なのに、上の例を読めちゃうんですよね。これは脳内には「おはよう」という言葉の概念があって、言葉の先頭と末尾が合っていると「多分これのことだよね」と類推してくれるためです。

ただでさえ人間の脳はこのように類推機能が働いているので、脳内に理想状態がキープされている私たちが自分のゲームを遊んでしまうと、ゲーム画面に表示された内容から脳内の理想状態が検索されてしまって「よしよし、うまくできている」と結論づけてしまいます。

 

以前「そのテストプレイ、友達に任せよう」という記事を書きましたが、友達もニュートラルな気持ちでプレイしてくれるので色々と気付く点が多いんです。

 

しかも友達だったら言葉を選びつつ、言うべきことは言ってくれますからね。「クソすぎなんだけどマジでwww」みたいに煽ってくることもないですし。

友達にテストプレイをお願いできるのが良いですが、作った自分でもテストプレイは必要なので、冷静にテストプレイをしてゲームを推敲できるようゲームが完成したら少し時間を置いてテストしましょう。

 

どれくらい時間をおけばいいか

個人的な感覚だと1週間くらいおかないと脳がリセットされない気がします。最低でも一晩寝かせて、可能なら2、3日、欲を言えば1週間、みたいな感じでしょうか。

目的は冷静さを取り戻すことなので、あなたの感覚に合わせてどれくらい時間をおくか決めるのも良いと思います。

アグレッシブな方法としては、作ったゲームを寝かせている間に次のゲームを作り始めるという方法もあります。新しいゲームを作っていると前のゲームのことはどんどん忘れていくので、その状態で前のゲームを冷静に遊んでみるというのも良いかもしれません。

 

まとめ

作ったゲームが完成したら、すぐにリリースしちゃいたい気持ちをグッと堪えてしばらく置いておきましょう。

自分の頭を冷やして冷静になったところで再度確認を行うことで、これまで見えていなかった部分に気が付きます。この客観的な視点はユーザーさんがゲームを遊ぶ時の視点に近づくので、よりユーザーの心を理解した仕上げができるようになります。

 

     

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