【Unity】小説や映画に学ぶゲームのストーリー作成術【ゲーム開発】

【Unity】小説や映画に学ぶゲームのストーリー作成術【ゲーム開発】

突然ですがクイズです。

ゲームを遊んでいる人がそのゲームに没頭する要因となるものはなんでしょうか。

…………

……

そう、ストーリーです。ええ、タイトルでネタバレしてましたね。

面白いシステム、素敵なグラフィック、心躍る音楽と、他にも大切な要素はありますが、ゲームに没頭するための要素はストーリーです。

ゲームを作り始めた頃はとにかく動くものができると感動します。そうすると、今度はだんだん「ユーザーに夢中になってもらいたいなぁ」という思いが出てくるんですよね。それを叶えるための要素がストーリーなんです。

 

 

ストーリーのあるゲーム

昔からRPGのようにストーリーのあるゲームを遊んでいたせいか、自分で作りたいゲームのジャンルもストーリーのあるものに寄ってきました。

RPGやノベルゲームでは分かりやすく、格闘ゲームであってもストーリーが導入されているものもあります。ファイナルファイトやストリートファイターでもちゃんとストーリーがありますもんね。

よくよく考えてみると、ストーリーの規模はともかく、ストーリーそのものを導入しているゲームというのはとても多いです。これは、ストーリーが存在することで、プレイヤーをゲームの世界に引き込みやすくなっているためです。

 

ストーリーにとって大切なもの

ストーリーには、「何を成し遂げるべきか」といった目的や、「なぜこのようにするのか」といった動機が含まれています。

この2つはとても重要です。

人間は目的の分からない行動を強制されるのが嫌いなので、何をしたらいいか分からない状態では不安を感じます。また、目的があったとしても、それを達成するための動機がなければ人は動きません。

現実でもこんな経験ありませんか?

上司から仕事を依頼されたけど、なんのための作業なのか分からないから手が進まない。ただ単に「やれ!」と言われただけの作業でやる気を出すのは難しいですよね。手が進まないから上司もだんだんイライラしてきて雰囲気は最悪に……。

チームのために必要な仕事だと分かっているけど給与にも評価にもつながらない仕事だから気が乗らない。うん、大事なのはわかっているんです。でも「チームのためだから」と残業代も出ないし、評価もされない仕事は……泣きながらやるしかないですね。できることならやりたくないけど。

目的が分からない仕事や、評価されない仕事は中々やる気が出てこないんですよね。

ゲームを遊んでいるユーザーの心の中でもこれが起こっていて、目的が分からないゲームや動機のないゲームはすぐに電源を落とされてしまいます。パッケージ版として買ったゲームならともかく、スマホアプリは即削除されてしまいます。開発者としては泣くしかない……。

ユーザーを私たちが作ったゲームに引き込むために、目的や動機のあるストーリーが必要になります。

 

ストーリーを参考にするなら小説

目的と動機、この2つの要素をゲームに盛り込むにあたって参考になるのが小説です。小説を書く際には、主人公の目的や、それを達成する動機を盛り込みます。これがあることによって、読者が先の展開を知りたくなり、どんどん読み進めてくれます。

参考にする小説のジャンルですが、純文学だとふらふらーっと進んでふっと消えるような作品もあるので、推理小説や冒険小説、サスペンスものなどが分かりやすいかもしれません。

特に推理小説だと目的や動機が目立ちます。例えば雪の山荘で事件が起こった! とかだと、

  • 目的 : 犯人を見つける
  • 動機 : 生きて朝日を拝むため、一緒に来た恋人を守るため

みたいに分かりやすい構造になっています。

犯人側を見ると、

  • 目的 : 事件を起こす
  • 動機 : 過去に酷い目にあわされたから

みたいに動機があるはずです。特に推理小説の世界では動機が重要視されていて、動機のない犯人がいたらただの狂人で推理に値しない、のように言われることもあります。「フーダニット」や「ホワイダニット」と言った言葉を聞いたことがあるかもしれません。

小説の場合はグラフィックや音楽がないので、集中してストーリーを読み取ることができます。今度小説を読む機会があったら、キャラクターごとに目的と動機を抜き出してみると入り込みやすいストーリーの作り方が分かります。

 

小説や映画の作り方を参考にする

もうちょっと頑張れる場合は、小説の書き方そのものを勉強するとより良いストーリーが作れるはずです。

小説の書き方についてはたくさんのサイトがその方法を公開しています。趣味でやっている人も多いので質については玉石混交ではありますが、とっかかりとしては良いと思います。

また、ストーリーに注目するなら、映画も忘れてはいけません。映画は2時間という時間でストーリーを全て語り切らなければならず、観客にいかに分かりやすく伝えるかがポイントになります。

 

覚えておきたい三幕構成

映画のストーリー構成でよく使われているのは「三幕構成」です。いやもうこれ大事。

最初の幕では舞台の設定やキャラクターの設定などを語る導入を行います。ここで主人公が抱えている問題も提示して、物語としての目的も伝えています。

第二幕では目的に向かって動いていくわけですが、主人公は大変な目にあっていきます。「主人公には最も困難な道を進ませよ」と作家の……どなたかが言っていました。名前出てこなくてすみません。とにかく主人公が大変な目に合うことで、「救われて欲しい!」という感情が観客に芽生えます。

第三幕でついに物語の目的が達成されます。解決パートですね。今まで大変だったものが全部解決されて主人公も観客もハッピーになるパートです。物語の解決のために、物語の中で一番困難な問題が発生します。主人公は重大な決断をしますし、最大の敵とも戦って大ピンチを迎えます。これをうまく解決することによって、カタルシスが生まれる訳ですね。

それぞれの幕が切り替わるタイミングではターニングポイントとなるイベントが発生します。それまでの主人公の生活を揺るがすような大事件だったり、家族に魔の手が及んだりと、主人公が動き出すきっかけとなるイベントです。

これらの内容については、実はWikipediaがめっちゃ詳しいので、そちらも参考にすると良いでしょう。

 

また、映画に関してはストーリー以外にも勉強になる点が数多くあるため、こちらの記事で別途解説しています。

 

ストーリーを入れにくい場合は?

ストーリーを入れた方がいいといっても、

「単なるパズルゲームだからストーリーを入れにくい……」

なんてこともあるかもしれません。確かにカジュアルゲームなどではストーリーを入れたり提示したりするタイミングが難しかったりします。

そんな時はゲームを遊んでいるプレイヤー自身をストーリーの主人公に見立てて、

  • 目的 : ハイスコアを取る
  • 動機 : ランキング上位を取って他のプレイヤーに称賛される

のような構図を伝えると良いでしょう。

プレイヤー自身がこのゲームを遊ぶことのメリットを伝えるのもひとつの方法だと思います。

 

まとめ

あなたが作ったゲームをより楽しんでもらうために、ストーリーにも力を入れてみましょう。

小説であれば目的や動機が重視される推理小説やサスペンスものを読んで構成を学んでみると良いでしょう。

また、映画であれば2時間前後でストーリーを全部わかりやすく語るための「三幕構成」という考え方に触れてみると非常に勉強になります。

 

     

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