ゲームシステムが完成したらやっと半分【100里の道をほにゃららら】
ゲームを作っていて個人的に一番楽しいのがゲームシステム作り。企画した内容を表現するために試行錯誤するフェーズがたまらなく好きです。
「開発」の言葉の通り、自分の思い描いた世界を作っていくように道を切り開いていく感じが好きなんです。
大体の場合、プロジェクトを作成した後はさくっと素材をインポートしてプロトタイプのシーンを作成し、ゲームシステム作りから始めています。
ただ、ゲームシステムを作るフェーズではどんどん「出来上がっていく感」があるのでモチベーションが高いまま突っ走れるのですが、システムが出来上がったあと、テストをしていると「なんか進んでないなー」とフラストレーションが溜まることがあります。最初の頃はこんな感じでした。
このモチベーションの低下は「あること」を知っているだけで回避できます。その「あること」とは……って、このページのタイトルに普通に書いてありましたね。「ゲームシステムが完成したらやっと半分」だと知っておくこと。知っているだけで心への悪影響を防ぐことができます。
システム作りの楽しさ
このゲームシステムはゲームの動作の根幹となる部分で、例えばパズルゲームだったらパズルが消える動きだったり、得点が入る仕組みだったりと、ゲームを動かす中核となっています。
アクションゲームだったらキャラクターが動く仕組みとか、ステージ内の仕掛けの処理、どうなったらゴールなのか、といった部分です。
多くの場合、これを拡張してゲームの幅を広げていくので、最初にシステムを固めておくと拡張性という意味でも有利です。
ゲーム会社で働いている方から教わったのですが、「ステージそのものを作るより、ステージのエディタを先に作る」と言っていました。よりシステム的な開発になりますが、拡張する仕組みを作っておくというのは大切ですね。
こうしたエディタを作るのも楽しくてついつい熱中しちゃいます。元々システムエンジニアだったからか、作って動かすというのが楽しくてしょうがないんです。手作業だとめんどくさいものが、ボタン一発で完了しちゃうあの達成感と言ったら……笑
システムを作ったら満足しちゃう病
とまぁゲームシステム作りは楽しいのですが、初心者の頃にあったのが、システムを作ったら満足しちゃう病。
ゲームシステムができたらそこで満足しちゃってその後のモチベーションが下がっちゃうんですよね。
ゲームシステムが完成すると9割方ゲームが完成したような感覚になりますが、実際の進捗を確認してみると半分くらいなんです。
「百里を行く者は九十を半ばとす」ということわざがありますが、まさにその通りなんですね。
ゲームシステムが出来上がった後にはテストを行うという意味でもそうですし、ゲームシステムを遊べるゲームの形にするのも結構大変な作業です。
企画の時に思い描いていた動きが表現されているか、素材も含めて確認するのだって大切です。
ゲームシステムをゴリゴリ作っていた頃は目に見えて進捗があるように思えますが、全体をつないでいく作業はなかなか進捗が分かりにくいんです。主観的な進捗と、作業量をベースにした客観的な進捗には大きな差があります。
なのでモチベーションの低下にも繋がりやすいんですよね。
心構えひとつで変わる
なので、「ゲーム作りの後半は進捗が分かりにくい」ということを知っているだけでもモチベーションの低下を防げると思います。特に初心者のうちはどうなったら終わるのかがわかりにくいので、後半の失速してきた部分で心が折れてしまうことがあります。
恥ずかしながら今から20年くらい前にRPGツクールでゲームを作っていた頃は、エンディングを表示するまでたどり着かないゲームがたくさんありました。友達とお互いに作ったゲームを遊ぶようになってからは「友達に遊んでもらうため」と、どんなにひどいストーリーでも最後まで完成させるようになりましたが、その友達も最初のゲームを作っていたときは終わらない作業に泣きそうになったと言っていました。(小学生か中学生の頃の話なのでうろ覚えですが)
1回ゲームを完成させてしまえば「まぁこのあたりは時間がかかるよね」と肌感覚で理解できます。なので、最初だけ五里霧中感を抱えながら進めていくことになるのかなーと。
心構えだけ知っていれば「まぁこんなもんか。これが終われば完成してリリースだから頑張ろー」みたいに続けていけると思います。気持ちが楽になれば、作業をするのにも抵抗感はなくなりますからね。
遊んでもらうことを意識する
ゲームを完成させたあと、誰かに遊んでもらうことを意識するのも良いと思います。
ゲーム開発者にとって何が一番の報酬かと考えると、それはゲームを遊んでくれたユーザーが楽しんでくれることです。
この素晴らしい報酬をもうすぐ得られると思うのもモチベーションの維持・向上に繋がっていきます。
自分が世に送り出した作品に触れてくれた人がいる、というのはすごいことです。あなたの思い描いた世界を共有することができたのですからね。あなたの世界に触れ、その内容を理解しようとしてもらうのは自己実現の極致です。
インターネットで公開するとしたら、あなたの名前はインターネットが存在している限り残ることになります。名前を残せる人は実はそう多くないですから、多くの人が成し遂げていないことをあなたが成し遂げる訳です。なんと素晴らしい!
まとめ
ゲームシステム作りはとても楽しいもので進捗が分かりやすいです。だからこそ、その後に行うブラッシュアップの作業やテストの部分で目に見えた進捗が感じられなくてモチベーションが下がってしまうことがあります。
なので、あらかじめ「ゲームシステムを完成させたらやっと半分」「後半は目に見えた進捗はないけど完成に向かっている」と知っておくだけでも気持ちが楽になります。
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