ゲーム開発は時間がかかるけど開発期間が伸びた時の愛着が厄介

ゲーム開発は時間がかかるけど開発期間が伸びた時の愛着が厄介

長く使っているものって、愛着が湧きませんか?

もう何年も使い続けているものだと、新しいバージョンが出ているけど慣れているからという理由で使い続けたり。

ゲーム開発に関してだと、長い期間開発を行っているプロジェクトでは作っている私たちがそのゲームに愛着を持ってしまったりします。

自分が作ったゲームに愛着を持つこと自体はいいのですが、実は困った面もあったりします。

 

 

長く続けると愛着を持つ

人間は変わることを嫌う生き物で、今大きな問題がないのであればなるべく現状を維持したいと考える傾向にあります。これは意識的にそう考えているというよりは無意識的に考えている部分が大きく、「なんとなく」で現状維持をしちゃうんですよね。

ゲームを作るのって、言ってしまえば生きるためにはやらなくていいことに分類されます。これでご飯を食べているならともかく、趣味で個人開発をはじめたとしたら生きるために必要なのは本業の方です。その状態を変えてゲーム開発をしようとすると、最初は結構大変です。ゲーム開発をしていない方が当たり前なのに、それを変えようとしているのですから。

そうしてやりはじめて続けていると、今度はゲーム開発をしているのが当たり前になってきます。こうなるとゲーム開発をしている状況が現状になるのでどんどん続けられるわけです。

なるべく現状維持をしたがる傾向は現状維持バイアスと呼ばれていますが、結構強固な機能なんですよね。

 

作っているゲームに愛着を持つと困る点

作っているゲームに目を向けると、ゲームそのものも現状維持をしたくなってしまうことがあります。最初に思い描いていたゲームの姿を維持しようとするんです。

この現状維持は愛着となって現れ、特に開発期間が長くなると愛着が大きくなってしまいます。

そうすると困ったことが出てくるんです。それはゲームに対するフィードバックを受け入れにくくなること。

人間とは不思議なもので、フィードバックを受け入れて改善した方が良くなると頭の中では分かっていても、愛着のあるゲームの形が変わってしまうようなアドバイスを聞くと「むっ」と反応してしまうことがあります。

私が最初にUnityで作ったゲームではなんだかんだ開発期間が長くなってしまいました。

そのゲームを友達に遊んでもらってアドバイスをもらったのですが、アドバイスをもらった瞬間に頭の中で「うーんそれはコンセプトとはズレるかな」とか「そこは今回のリリースではターゲットに入れてないから」なんて言い訳をしている自分に気付きました。

要は「何も知らないくせに!」と言わんばかりの反応が起きていたのです。

実際にそんなことは言わず、「ありがとう!」とアドバイスはメモとして書き留めていたので冷静になってからそのアドバイスも「もっともだ」と受け入れることができました。

 

防衛反応が起きてしまう

作っているゲームに愛着があると、現状を変えるような意見が出てきたときに防衛反応が起きることがあります。上で触れた私がゲームを作っていた時のように、ゲームの形を変えない方向で言い訳をしてしまったりするんですよね。

本来なら意見をもらってさらにブラッシュアップしていいゲームにするべきなのですが、ついついこうした反応が生まれてしまうのが人間です。

特に作った作品は自分の生き写しのような感覚も生まれますから、その作品に対して色々と言われてしまうと自分の心にダメージを負ってしまうような感覚になることも。

 

愛着への対策

ただ、こうした防衛反応が起こる可能性があるということを知っているだけでも心の準備ができると思います。

例えばアドバイスをもらう時には「これは今作っているゲームを良くするための意見なんだ」と自分のモードを切り替えるのもいいかもしれません。アドバイスって、受け入れモードになっていないとなかなか聞き入れることができませんからね。

ついつい説教をかましてくる意識高い先輩なども巷にはいますが、こちらが受け入れモードになっていないタイミング、求めていないタイミングでアドバイスされても入ってこないですからね。

アドバイスやフィードバックに関しては、全てが全て受け入れるべきであるとは限らないのが難しいところですが、アドバイスそのものはゲームを否定するものではないと思っておくのは大切かもしれません。

アドバイスに関してやフィードバックに関しては以下の記事もよかったらご覧あれ。

早く完成させるのも対策

開発期間が長くなってしまうことが愛着を生む原因になっているのであれば、作っているゲームを早く完成させることも対策のひとつです。自分が愛着を持ってしまう前に完成させることで、よりアドバイスを取り入れやすくなります。

開発期間が伸びてきた時のあの「重い感じ」を言葉で説明するのはなかなか難しいのですが、「あ、明らかにフットワーク重くなったな」という感覚が出てきます。これは経験のある人なら分かってもらえるかもしれません。

この点についてはプロジェクトが大きくなって、なにかを直すとしても影響範囲が広くなってきていることも関係しているような気がします。「この機能を改修すると……こっちのUIにも影響が出るし、別のスクリプトでもメソッドの引数を変えないと……あ、画像もちょっと直さないと」なんて修正のコストが大きくなってしまうと、愛着の名を借りた現状維持を続けようとしてしまいがちに。

プロジェクトの規模感も影響しますが、なるべく早くゲームを完成させるためには実装をシンプルにするのも大切です。

プロトタイピングによって試作品を素早く作ってユーザーに見せてしまうことで、フィードバックを以下しやすい環境を整えるのもひとつの方法です。

 

まとめ

自分が心血を注いで作ってるゲームですから、一緒にいる時間が長くなるとどうしても愛着が湧きます。

一番いいのは開発期間を短縮することで、愛着が湧く前に他の人の意見を聞きながら改善していくのがベスト。

とはいえどうしても開発期間が伸びてしまうのはプロジェクトの常なので、自分が愛着を持ちすぎていないか客観的に見ることができると良いかもしれません。

 

     

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