各ストアでゲームを公開する費用を比較してみる【ゲーム開発】

各ストアでゲームを公開する費用を比較してみる【ゲーム開発】

ゲームを作った後にはそれをリリースしてユーザーさんに遊んでもらいたい!

そんなときに気になるのがゲームのリリースにかかる費用。

仕事としてゲーム開発をしているならコストについて考えるのは大切ですし、趣味でやっているとしても「趣味にいくらかけられるかな」という点は気になるところです。

このページでは個人開発者がゲームをリリースする際にかかる費用をストアごとに並べてみたいと思います。

 

 

リリースするプラットフォームごと費用

個人開発者がゲームをリリースする方法としてはだいたい以下の方法になると思います。

  • ビルドしたゲームを自前のサーバーで配布
  • Windows向けにビルドしてSteamで配布
  • Mac向けにビルドしてMac App Storeで配布
  • iOS向けにビルドしてApp Storeで配布
  • Android向けにビルドしてGoogle Playで配布
  • WebGL向けにビルドしてunityroomで配布

それぞれいくらかかるか並べてみましょうか。

 

ビルドしたゲームを自前のサーバーで配布

この方法はストアという意味ではお金は不要です。

自分で配布用のサーバーを用意するならレンタルサーバー代がかかります。(だいたい月1000円前後でしょうか)

また、ドメイン代も必要なので、年1000円前後かかります。

すでにサーバーを借りていたり、あるいは自前でサーバーを構築しているなら追加でお金はかかりません。

このブログだとエックスサーバーを使っていて、月1000円くらいです。

サーバーがあるとWebGLでの公開もできますし、PC向けにビルドしたゲームのファイルを配置してダウンロードしてもらうこともできます。

WebGLでの公開だったら以下のページのように公開できます。

 

Windows向けにビルドしてSteamで配布

Steamはゲームの配布におすすめの環境です。mac対応のゲームもありますが基本はWindows向けかも。

Steamではアプリ1本につき100ドルの登録料が必要です。開発者アカウントを登録するときに最初のアプリの登録料として100ドルを支払うようになっています。

ただ、アプリの調整後の売り上げ(本体やゲーム内購入)の額が1000ドルを超えると登録料の100ドルが返ってきます。

個人で1000ドル(1ドル110円で11万円)の売り上げを出すのはなかなか大変ですが挑戦する価値は大いにあります。500円で販売しているゲームだったら220本売り上げればいいですし、1000円で販売しているゲームなら110本売ればOK。個人でやってここまで売れる人もそう多くないので達成できたら誇っていいと思います。

個人的にはSteamは無料のゲームをリリースするというよりは、有料のゲームをリリースする場所という位置付けだと思っています。

 

Mac向けにビルドしてMac App Storeで配布

macOSを使っている人ならMac App Storeを使ったことがある人もいるかもしれません。『PC, Mac & Linux Standalone』でMac向けにビルドしたゲームを公開することができます。

スマホ向けのApp Storeと共通してAppleのデベロッパーアカウントが必要になります。このアカウントがあればMac App Storeとスマホ向けのApp Storeの両方にアプリをリリースすることができます。

デベロッパーアカウントは1年あたり99ドルで、これは毎年支払う必要があります。

有料のアプリを販売したり、アプリ内課金によって収益を得た場合はその30%を手数料としてApple社に支払います。

ただし、2020年11月18日に発表された情報によると、2021年の1月からは年間収益が100万ドル(1ドル110円として1億1000万円)以下の中小企業に関しては手数料が15%に引き下げになるそうです。これはかなり大きなポイントですね。

個人開発者も対象……だとは思いますがこのプログラムの詳細は12月に発表されるとのことでよく確認しておきます。

 

iOS向けにビルドしてApp Storeで配布

Mac App Storeの場合と同様に、Appleのデベロッパーアカウントがあれば両方に提出・配布できます。

App StoreでリリースするためにはMacのマシンが必要なのでAndroid向けに先にリリースする、という開発者も見られます。

Macから入手する場合は追加で10万円以上かかりますからね。最近ならMacbookAirでも性能がよくなってきているし、最初はこの辺りから使い始めてもいいかも?

 

Android向けにビルドしてGoogle Playで配布

Google Play デベロッパーアカウントの登録が必要で、こちらは1回限りで25ドルの登録料となっています。

App Storeに比べると比較的安価でリリースのハードルが低いかもしれません。

また、開発用PCがWindowsでもMacでも良いのはグッド。私も最初はAndroid向けにアプリを作って、勇気を出してMacを買ってから両方のプラットフォームにリリースするようになりました。

 

WebGL向けにビルドしてunityroomで配布

WebGLでビルドしたならunityroomで公開する方法があります。

unityroomはUnityアンバサダーのnaichiさんが運営しているサイトで、Unityで作ったゲームを公開することができます。

WebGLなら個人でサーバーを用意する方法もあります。ゲームそのものを遊んでもらう形でもいいですし、以下のように作ったアセットのサンプルシーンを紹介するためにも使えます。

 

費用のまとめ

これらの費用をまとめると以下のようになります。

配布方法 費用
ビルドしたゲームを自前のサーバーで配布 年間約12000円〜15000円
Windows向けにビルドしてSteamで配布 ゲーム1本につき100ドル(約11000円)

※ただし1000ドル以上の売り上げで返還

Mac向けにビルドしてMac App Storeで配布 年間約12000円

(iOSとアカウント共通)

iOS向けにビルドしてApp Storeで配布 年間約12000円

(Macとアカウント共通)

Android向けにビルドしてGoogle Playで配布 初回登録約3000円
WebGL向けにビルドしてunityroomで配布 unityroomなら無料

(自前のサーバーを用意するなら『ビルドしたゲームを自前のサーバーで配布』と同様)

 

ここではストアの利用料に絞っているので、ゲームを開発するためのPCやMacの値段については考慮していません。以前書いたアプリに絞った費用の比較を行ったページでマシンの費用も含めているので、こちらもご覧ください。

 

ストアの費用の考え方

ストアに掲載するにはお金がかかりますが、ユーザーの購入処理などをAPIで実装できることを考えれば登録料も安いものです。

自前で購入処理を実装するにはセキュリティ面を中心に考えなければならないことが多すぎてゲーム作りどころではなくなってしまいますからね。

レビューの仕組みや作品の紹介など、ストア側でやってくれていることも多いので、その人件費と考えれば安いように思います。こうした機能の保守・点検を毎日やっているとなると、1日1時間の作業で時給1000円としたら365,000円ですからね。自分が動いたら安く見積もってもこれだけのコストを毎年支払うのに相当します。しかもトラブルがあったら自分で対応しなきゃいけないとなると、精神的な負担も大きいです。

どの部分を自分でやって、どの部分を人に任せるかはゲーム開発をする際にも大切な判断になるので、あなた自身の方向性と照らし合わせてどこでリリースするかを考えていけるとグッド。

 

まとめ

このページでは個人開発者がゲームをリリースする際にかかる費用をストアごとに並べて比較しました。

Unityを使っていると複数のプラットフォーム向けにビルドできるので全部リリースしたくなりますが、ストアごとに手順や設定が異なるので最初から同時にやろうとすると混乱します。なのでいきなり全部使うというよりは、ちょっとずつリリースするストアを増やしていくのでもいいと思います。

最終的に多くのストアであなたのゲームを公開できるようになって、より多くの人に遊んでもらいましょう!

 

     

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