【ゲーム作り】短いテキストで意図や内容を伝える技術を目指して
ゲームでストーリーを語る際にはテキストを使います。ストーリーのみならず、操作方法を伝えるときにもテキストを使っています。
絵で伝えることもありますが、それでもテキストを全く使わないのではなく組み合わせて使いますよね。
このように大事なテキストですが、ゲームでは短くてかつ意味や意図が伝わる経済効率の良いテキストが好まれます。特にプレイヤーが操作する時間が長くなるタイプのゲームでは、長々とストーリーや説明を語っているとフラストレーションが溜まってしまうため、必要なことをテンポよくユーザーに伝えるようにするとグッド。
昔の失敗
これは自分のミスの話なので恥ずかしいのですが、昔作ったゲームアプリでテキストに力を入れたものがありました。RPGだったので、ちゃんとストーリーも作っておこう! とRPGツクールと同じ感覚でオープニングのストーリーを作ったのですが、飲み会で友達に遊んでもらったら、「……いつゲームが始まるの?」と一刀両断されました。
1分くらいオープニングのストーリーがあったのですが、早くゲーム本編で操作したいと催促されました。
家で腰を据えて遊ぶ家庭用ゲームならまだしも、ちょっとした時間に気軽に遊びたいスマホゲームでガッツリとストーリーのテキストを並べても、なかなか伝わらないんですよね。
なるべく短いテキストで、かつ、こちら(開発者側)の意図が伝わるテキストを作成できるように技術を磨く必要があると身に染みて感じました。
言葉の経済効率
某俳句番組の俳句の先生が「言葉の経済効率」という言葉をよく口にしていますが、これは個人的にとても良い言葉だと感じています。俳句では17音の中で映像や五感を表現するため、なるべく短い言葉で意味を伝えることを良しとします。コスパが良い言葉を選んで使っていく技術が必要になってきます。
ゲームの場合は17音とまで言わないまでも、メッセージウィンドウに入る範囲のテキストでストーリーを伝えていきます。
会話文であればLINEのように短文でテンポよく進む方が頭に入ってきますし、ストーリーの説明でもなるべく固有名詞を減らして短い文章で説明するのが望ましいです。
この辺りは難しいのですが、
- 絶対に外してはいけない情報を意識する
- 中学1年生でも理解できるように書く
という点を意識すると良いかもしれません。
絶対に外してはいけない情報を意識する
「これを言っておかないとユーザーはストーリーが掴みきれない!」
という情報はなにか意識するようにします。例えば物語の中だけで使われている固有名詞で、初めて出てきたときには説明が必要です。物語の中でだんだんと明らかになっていくことについては、どの段階でどの程度語るかも考えておくと良いでしょう。
情報の重要性についてはExcelなどで項目ごとにランク分けするのも一つの方法です。メインストーリーとして語るべき項目なのか、サイドストーリーとして語るべき項目なのかを客観的な視点で分類しておくことで、テキストをどの程度書くのかが変わってきます。
私は頭の中だけで考えていると、あれもこれも書かなきゃ! となってしまって自然と長いテキストになってしまうので、このように一度外部にアウトプットして検討しておくことで必要な量のテキストになるように調整しています。
元々小説を書くのにハマっていた時期があったので、プロットを作ったりストーリーのデータベースを作ったりするのに慣れているというのもあるかもしれません。
中学1年生でも理解できるように書く
これはノベルゲームやRPGなどのストーリーがメインとなるゲームではなく、その他のジャンルのゲームで特に大切な点です。ストーリー以外のテキストといえば操作方法やチュートリアルなどがありますが、これらの解説は中学1年生でも理解できるように簡潔なテキストにしておくと良いでしょう。
これらの文章の目的はユーザーに操作方法を伝えることなので、この文章自体に理解力を必要とする書き方はあまりしない方が無難だと思います。
「中学1年生」というのは目安であって分かりやすいテキストを用意してあればOKです。分かりやすさは正義、という言葉もありますし、なるべく操作方法などは分かりやすく、読み取りやすくしておきましょう。
一方で、ストーリー部分のテキストだと一概に言えない部分もあります。というのも、テキスト自体がゲームのテーマや世界観を表現しているためです。
例えばゴシック風のゲームであれば耽美的な世界観を表現するために言葉でも修飾が必要です。また、クトゥルフ神話を題材としたゲームであれば宇宙的な恐怖を喚起させるような地獄めいた表現を行う必要があります。いあいあ。
ゲームの雰囲気というと8割方見た目が担当していますが、テキスト(やフォント)でも合わせて表現することで多大な効果を発揮します。
そのため、一律に簡潔なテキストにするというわけではなく、作るゲームのテーマや雰囲気に合わせて、どの部分を簡潔なテキストで表現するのか、どの部分をゲームの雰囲気が味わえるテキストにするのか、という調整も大切です。
子供がターゲットになっているゲームを参考に
文章自体が売りのノベルゲームならともかく、ユーザーが操作してゲームを楽しむのがメインのゲームは、それ以外の時間を少なくするのがベスト。短い文章で、分かりやすく情報を伝えて、ユーザーが自分の操作に集中できるようにしましょう。
こうした短いテキストで情報を伝えている参考になるのは子供がターゲットになっているゲームです。
ドラクエだったり、ポケモンあたりが参考になると思います。
ドラクエでは「、」を使わずにスペースで区切ったテキストになっており 単語ごと フレーズごとに 理解しやすく なっています。日本語以外の英語などに似た表現ですね。
特にポケモンは漢字を使わないオプションもありますから、ひらがなだけでも情報を伝える工夫があるので勉強になります。
まとめ
短い文章で意図や内容を伝える技術というのは全クリエイターが望んでいる技術だと思います。ゲームそのものを作る時もそうですし、ゲームの面白さを伝えるときにも役立つ技術ですからね。
もう一段階レベルアップしたいなーと思ったら、短い文章でたくさんの意味を伝える、分かりやすく意味を伝える、という点も意識してみてください。
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