他の人を気にしすぎると手が止まるんですよね【ゲーム開発】
技術ブログをやっていると、他の人の実践している内容を調査・研究するのが癖になってきています。
技術的な記事を書く時には先行して書かれている記事を参考にしたり、公式のリファレンスを参照したりしているのですが、この過程で他の人が頑張っている様子が目に入るとついついその人と自分を比較してしまったりして、「それに比べて自分は……」となんだか落ち込んでしまうこともあるんですよね。
技術的な面でもそうですし、ゲーム作りの方向性でも迷いが生まれることがあります。
ここで問題になるのが「人と比較する」ということ。技術的には成功事例との比較は大切なことなのですが、精神的には人と比較するのは時としてメンタルにダメージを与えることも。
人が心を病む原因
人が心を病む原因のひとつとして「他人との比較」があります。
自分は自分、他の人は他の人、と頭では考えていても自分が現状できていなくて他の人ができている姿を見てしまうとどうしても比較してしまうのが人間なんです。
人間はできたことよりもできていないことに注目するのが得意です。というのも、人間には「学習」という強力な機能があり、学習のための材料として改善点を探す傾向にあるためです。
できないことをできるようにすることで成長し、より生き延びやすくすることが目的なのですが、これがネガティブな方向に働くこともあります。
他人との比較はそのきっかけになりがちなんですよね。
特に自分より後にゲーム開発を始めた人が自分よりも短い時間でゲームをリリースしてしかもそのゲームがSteamとかで注目されている姿を見ると、嫉妬の前に「それに比べて自分は……」なんて自分を攻撃してしまいがちになります(実体験)
自分を責めてしまってゲームを作る手が止まってしまって……なんていう悲劇も生まれるかもしれません。メンタルを健全に保つのはゲーム開発を続けていく上で重要なことです。
感情的な比較、技術的な比較
感情的な面での比較と、技術的な面での比較は切り離しましょう。
人を不幸に追いやる比較は感情的な面での比較です。人はできていないことに注目するのが得意であると上で触れましたが、注目した後に巻き起こる感情が厄介です。
技術的にはできていない点は改善すればいいだけですが、感情的にはその時点でできていないことについてある種自罰的な気持ちが起こります。
これが人間の習性なのか、それともこれまでの経験によるものなのかは定かではありませんが、個人的には経験説を推したいところ。例えば小学校のテストで100点を取ったなら先生や親に褒めてもらえますが、40点だったら「もっとがんばりましょう」みたいな評価になりがちです。「なんでできなかったの?」なんて感じで、できなかったことを責められた経験が積み重なることによって、できていない部分を見つけてしまった時に「自分はなんてダメなんだ……」と凹んでしまうようになるのではと考えています。
なので、こうした感情的な部分を切り離せるようにするのが大事ですね。頑張っている自分に対して責めてしまい、心が折れてゲーム開発が嫌になってしまうのは悲劇です。
この悲劇を止めるには
こうした悲劇を止める方法があります。
他人と比較してしまう自分に気付いたら、自分ならではの強みも探すようにしてみましょう。
この点についてはこの人が優れている。でもこの点は自分も負けていない。なんて得意な部分にも目を向けるようにするのです。
あなたが歩んできた人生はあなただけの経験ですから、他の人が持っていないものがたくさん隠れています。あなた自身が見えていない強みもあるので、余裕があれば友達などに聞いてみるのもいいかもしれません。(恥ずかしいですけど)
大学時代、就活の時に友達に「俺の強みと弱みを教えてくれ!」と言ったり言われたりしたことを思い出します。酒飲みながらちょっと照れつつお互いに話したり、メールで聞かれて角が立たないように一生懸命文章を考えて返信したりしたのもいい思い出です。
自分ひとりでやるなら紙とペンを取り出して、これまでの人生を時系列で振り返り、何があったか、何をしたか、どう考えたか、といったことを書き出していくと強みや得意なことが見つかりやすくなります。頭の中だけで考えていると見落としも多くなるので、いったん言葉として書き出してみることも大事です。
強みがあると揺らがない
自分の強みを理解していれば、他の人と比較したとしても自信が揺らぐことはありません。感情的にも自分を責めることが少なくなり、それにつれて手が止まることも少なくなって、ゲーム開発を続けることでさらに技術が磨かれていきます。
強みを発見する過程では自分の価値観が明らかになってきます。自分は何を大切にしているのか、目指している方向はどこか、といったことが明確になれば揺らぐことも少なくなります。こうなれば他の人と比較したところで簡単には心折れません。
他の人と価値観や目指している方向が同じでない場合もあるため、そもそも見ている方向が違うのに比較しても意味ないよね、ということに気付きます。
同じ価値観の人が先行して成果を挙げていると嫉妬心も生まれますが、それは自分の向上心の現れだと認識することで相手から学び取ろうというスタンスも出てきます。なぜなら、自分の価値観がしっかりしていて、目指している方向性で優れた成果を挙げている例が目の前にあるのですから、その情報を自分に取り込んでいくことでさらに改善していくことができるためです。
創作活動につきものの嫉妬心については以下の記事でも触れているのでよかったらご覧あれ。
こうした嫉妬心も、自分の強みを認識していれば、いい方向にコントロールすることによって改善のための原動力として使っていくことができます。
未来を見据えるのも大事
今この瞬間で判断するなら、他の人と比較してできていない部分があるかもしれませんが、長い目で見たら技術的に改善すべき項目を見つけられたことは大きなメリットです。最終的に改善していればいいのですから。
人が学習する生き物であるなら、その機能をいい方向で使うのがグッド。今持っている強みをさらに強固にしていくために比較学習するのであれば、比較は威力を発揮します。
感情を切り離す、あるいは感情が揺らがないだけの自信をつける、といった方法で比較の悪の側面から自分自身を守ることができます。技術の理解と共に、自分と向き合って自分を理解することも大切なことです。
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