計画通り進まなくても落ち込まなくて良いのです【趣味のゲーム開発】

計画通り進まなくても落ち込まなくて良いのです【趣味のゲーム開発】

最近はUnityAssetStoreで公開しているアセットで、3DダンジョンRPGのダンジョン部分を簡単に作成できる『Ariadne – 3D Dungeon Maker』をもっと使いやすくするためにコードをゴリゴリいじっていたのですが、実際にいじり始めると当初の計画よりも時間がかかってしまいました。

アセットは人に使ってもらうものなので、使い方を伝えるためにドキュメントやマニュアルの整備もあったりしてコードをいじる部分以外にも作業があります。

こうして作業をしていて思ったより時間がかかると「あれ……全然進んでない…?」とちょっとショックを受けたりするのですが、実際は感情的には気にする必要はなかったりします。感情的に気にしないとは、自分を過度に責める必要はないという意味です。

というのも、計画時点で見えていなかったことが実際に作業をしてみたことで見えてきた、ということでもあるので、新しく学びがあるんですよね。

理想的には最初に思った通りに進むのが良いですが、その理想と現実とのギャップを身をもって知ることができたのは前進です。次はそのギャップを分析してより現実的な見積もりをすればいいだけですからね。

人から仕事を受けているなら何がなんでも締め切りは厳守しますが、自分でやり始めた趣味のゲーム開発だと自分を追い詰めないことも大切です。

 

 

計画通りに進まないのはよくあること

こんなこと言うと怒られそうですが、計画通りに物事が進まないのはよくあることです。人間は未来のことを甘く見積もりがちで、事前に予定を立てていても、思わぬ作業が発生したりして予定よりも時間を取られてなかなか進まず……なんてのはよくあります。

前の会社でプロジェクトの見積もりなどをする際も、事前に先輩や上司から「バッファは忘れずに積んでおけ」と言われていました。ここでの「バッファを積む」は余裕を持たせておく、くらいの意味合いで、例えば2ヶ月で作業が終わると見積もったら、余裕をもって2ヶ月半くらいのスケジュールにしておくイメージです。

このバッファについてはお客さんに「バッファです」なんて言えないのでちゃんと理由を考えて説明するのですが、お客さんもプロジェクトがノーアクシデントで進むなんて思ってないので、多少調整はあるかもしれませんがスケジュール的な余裕はお互いに持っておくことが多かったです。

人間の見積もりは多くの場合、100%うまくいくパターンでの見積もりになってしまいがち。そうするとスケジュールがぎちぎちになって、ワンアクシデントで試合終了、納期オーバー確定、みたいな地獄になるのでこれは避けなければなりません。

仕事でも見積もりには一定のトレーニングや慣れが必要なのですから、趣味でやっているゲーム開発だっていきなりスケジュール通りに進むことは稀です。

 

自分を責めちゃうことも

本業の方が忙しい時にゲーム開発をするとなると、週末に時間を取って進めるということが多くなるかと思います。「よし、週末だ! たくさんゲーム開発するぞー!」なんてPCを立ち上げたらOSのアップデートが走ってしまってUnityを起動できない……なんてアクシデントがあるかもしれません。

あるいはしばらく会っていなかった友人から「飲みに行こうぜ!」と誘われて遊びにいくことだってあるかもしれません。

そうでなくても、「ここまでやるぞ!」と決めて作業を進めてもエラーに出会ってしまって、その解決に時間を取られてゲームの作成は大して進まなかった……なんてことも。

せっかく時間が取れたタイミングで思ったより作業が進まないと自分を責めてしまったりすることもありますが、「こうしたことが起こりうる」と今まで見えていなかったことに気づいたという成長を感じることでポジティブに捉えることができます。特にエラーの解決は技術的にも学ぶことが大きいですからね。

ゲーム開発を続けて成長していくためにはメンタルを健全に保つことが大切です。

うまくいかなかったことそのものはちょっとショックを受けるかもしれませんが、学びに変えていくことで前向きに続けることができます。

趣味でやっていることに「学び」という言葉を使うとちょっと抵抗感が生まれるかもしれませんが、趣味だからこそうまくできるようになってさらに没頭していけると日々の生活も楽しくなっていきます。

 

可能なら作業時間を測ってみる

ここまではプライベートの予定だったりも含めて考えていましたが、ゲーム作りの作業だけに注目して「思ったほど進まなかった」なんて時のことを考えてみます。

もう既にいくつもゲームを作っている人なら、自分がどんな作業を何時間で終わらせられるかの見当がつきますが、初心者の場合はどれくらいかかるかは未知の世界です。大変そうな作業でもやってみたらすぐに終わることもありますし、簡単そうに見えて実は引っかかる点がたくさんある作業もあります。

未知の作業は特に尻込みしてしまうことがあるので、踏み出すまでにかかる時間も無視できません。この点については以下の記事でも触れています。

 

未知の作業の見積もりはかなり大変なので、最初からちゃんと見積もるのは諦めた方が得策です。むしろ「ざっくりこれくらいかな?」なんて適当に見積もっておいて、実測値と比較することが大切です。

ゲーム開発の作業をする日は、どんな作業をして何時間かかったかという点を記録しておきましょう。ノートでもいいですし、PCを開いているならそのままExcelなどで記録しちゃってもいいと思います。いつも仕事でやっている日報みたいな感じになりますが、改善していくためには記録が必要です。

ダイエットでもレコーディングダイエットが有効であると言われているのはちゃんと変化を記録しているからで、数字で表すことで変化を分析しやすくなるのが大切です。「この日はうっかりメロンパンを食べちゃったから、せめてもっとカロリーが低いものに置き換えよう」みたいな感じで修正しやすくなります。「うっかり食べてしまう自分」にも気付くことができますからね。

例え時間がかかって当初想定していた期間でゲームが完成しなかったとしても、改善する情報を残しておいて修正すればいいだけなので気に病む必要はありません。ざっくり見積もる、実際にやってみる、記録した時間をおさらいして次の見積もりに生かす、とサイクルを回していけばOKです。ちょっとPDCAみたいですね。

 

なので、修正の材料を残しておくためにも、作業の内容とそこにかかった時間を測って記録しておきましょう。

 

ざっくり1.5倍とか2倍で見積もっちゃう

人間の見積もりは100%うまくいったルートで考えてしまいがちという点は上で触れましたが、これはTASのようなものでセーブ&ロードが使えない現実の人間にとっては実現するのは難しいことです。

なので予想外の出来事が入ると認識しておくのが大切です。とはいえ、事前にその内容を察知しておくことは難しいのでどれくらい伸びるリスクがあるかをちゃんと見積もるのは難しいんですよね。予想できないから予想外の出来事なのです。

単純な解決策としては、ざっくり1.5倍とか2倍で見積もってしまうのがおすすめです。「この規模のゲームなら1ヶ月で作れそう!」と思ったら2ヶ月かかるつもり、「これは3ヶ月くらいかかりそう」と思ったら5, 6ヶ月かかるつもりでいましょう。

仕事なら根拠を持ってお客さんに説明しますが、幸い私たちが今考えているのは趣味でやるゲーム開発の話です。自分でやり始めたことなので、予想外の出来事は発生するものとして、最初に見積もった時間をざっくり倍にしてしまうのが簡単です。この余裕部分を予想外の出来事に対応する時間として予め見込んでおきましょう。

ぎちぎちのスケジュールで進めると、当初予定していた期限が近くなってきたところで焦り始め、見落としも増えてきちゃうんですよね。そうするとミスが増えて余計に時間がかかって当初の予定をオーバー、「また自分で言った期限を守れなかった……」と責めてしまったりも。

なので、余裕を作っておくことで開発時の心の負担を減らして進めることができます。ゲーム開発は心に負担をかけず、楽してなんぼです。なので、自分を責めなくていいんです。

 

まとめ

人間はそもそも未来については甘く見積もってしまいがち。なので、趣味でやっているゲーム開発でスケジュールを立てても予定通り進まないこともよくあります。

ついつい自分を責めてしまうこともありますが、予定通り進まなかったということは当初想定していなかったなにかがあったということで、その「なにか」を知ることができたというのは学びになっているからです。

なので、計画通りに進まなくても自分を責めなくていいんです。

自分を責めないことで心の負担が減り、心の負担が減ることで長くゲーム開発を続けていくことができます。長く続ければ技術も自然と身につき、より自分が思い描いたゲームを実現しやすくなります。

 

     

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