アイディアを思いついたらまずググろう。なぜなら8割の確率でもうあるから【ゲーム開発】
アイディアを思いついた時には「早速作ってみよう!」と行動することが大切です。行動からさらなるアイディアが生まれることもありますからね。
しかし、もしこれがリリースする対象のゲームやアプリだったら話は別です。
悲しい事実をお伝えしなければなりませんが、自分が思いついたアイディアというのは既に誰かが思いついていたり、形にしていることが多いんです。
「日の下に新きものなし」という言葉は旧約聖書の時代から書かれていて、何か思いついたとしても、大抵は誰かがもうやっているよね、という教訓です。今のようにインターネットが存在せず、個人の活動範囲も狭い中で、同じようなことをしている人がいるという情報が回ってくるあたり、人間の思考って似てくるのね……と感慨深いものがあります。
現代では他の人がどのようなアイディアを持っているのか、あるいはもう既に作品や商品として存在しているのかを簡単に調べることができます。そう、インターネットを活用するのです。
思いついたアイディアは唯一無二の素晴らしいものに感じます。このアイディアがまさか他の人とかぶっているなんて……という事実を知ってしまうのは大切な宝物に泥をぶちまけられたような辛い気持ちになりますが、それを頑張って抑えてググってみましょう。
ググってみたら……
ちょっと前、アリの巣を運営するゲーム「アリノス」を思いつきました。女王アリが巣を作ってから次の女王アリが旅立つまでを1サイクルとして運営していくゲームです。
少年の家の庭で透明なアリの巣キットを使うイメージで、1期ごとに出来上がったアリの巣を品評会に出してお小遣いをゲット、そのお小遣いで買ったアイテムを使ってさらにアリの巣作成をサポートしていく、みたいな感じでした。
思いついたときは「おっ! これいけるかも!」みたいにハイになるのですが、詳細に企画等を詰めていく前に冷静にググってみたら「アリの巣コロニー」というアプリが既にありました。
ダウンロード数、評価共に良好なアプリだったので、
「これはアカン」
とアイディアは胸にしまっておくことにしました。まぁ今言っちゃったんですけどね。
そこには先駆者がいる
思いついたアイディアでググると、実は先駆者が見つかったりします。
単純にゲーム名でググるだけでなく、ゲームのコンセプトだったり、キーワードだったり、関連するワードで検索をするのが大切ですね。
先駆者がいたときの対応としてはいくつかあって、
- 正面からやり合う
- 先駆者のレビューを解析して改善したものを出す
- アイディアを横展開する
- 素直に別のアイディアを出す
あたりが王道でしょうか。
正面からやり合う
これはもっとも避けた方が良い選択肢で、何の情報も無しに「せっかく思いついたアイディアだから……」と作ってしまうパターン。
既に一定の地位がある相手に挑むのは無謀ですし、「パクリじゃないか!」と言われてしまう危険性も大きいです。自分では「ここが異なるポイントです!」と思っていても、ユーザーは「いや同じじゃん」と細かく見たりはしないんですよね。後発組はそれだけの危険を秘めています。
上で挙げたアリの巣運営ゲームの例だったらそのままリリースするのは避けて、
- リアルなアリではなく女王アリを擬人化する
- ロマサガ2のように伝承法でちょっとずつ運営能力が上がる
- 別のプラットフォームでリリースする
のように差別化すべきですね。
「アリの巣コロニー」の例では、アリがリアルなテイストで描かれていたので、もしかしたら虫が苦手な人は手が出せないかもしれません。そこで、いっそ女王を擬人化してイラストをつけてしまうところまでやる方法もあります。
また、ロマサガ2の伝承法をモチーフにして次世代の女王アリの能力が上がるシミュレーションゲームにするのも良いかもしれません。ロマサガ2の名前を出したのはあなたに「\アリだー!/」のセリフを思い出してもらいたかっただけです。
アプリとしてリリースされているゲームなら、別のプラットフォームのSteamとかでリリースする方法もあります。ただ、アプリの作者が他のプラットフォームでリリースする可能性があることも忘れていはいけません。
先駆者のレビューを解析して改善したものを出す
1番目と似ていますが、こちらは大きい先駆者のゲームからこぼれ落ちた層を拾う戦法です。
いわゆるコバンザメ戦法ですね。
アプリだったらGoogle PlayやApp Storeのレビュー、ゲームだったらSteamやAmazonのレビューを調べて、満足な点、不満な点をピックアップします。
満足な点はこちらのゲームでも実装するようにして、不満な点も改善します。
この不満が改善されている点を強調して伝えていくと良いでしょう。
1の差別化を使ってなるべく競合しない形にしつつ、先駆者のゲームよりは改善してしまうべきです。より良いものでなければ乗り換える理由になりませんからね。
「リアルなアリではなく女王アリを擬人化する」というアイディアは実はこのコバンザメ戦法を意識したもので、リアルなアリが苦手な人を拾う戦略になっています。虫が苦手な人はデフォルメした虫であっても見るのは辛いでしょうから、ほぼ人間ベースにしてしまっても良いでしょう。
逆に萌え絵っぽい感じが苦手な人は去って行ってしまいますが、既に先駆者がいる場合はターゲットを絞ってニッチを狙うべきす。
アイディアを横展開する
アリの巣を運営するというアイディア自体が被っているので、
- 動物が自然に作るものをサポートする
- その痕跡を品評会に出す
- プレイヤースキルで徐々に評価が上がる
のように要素を抜き出して、アリではなく別の生き物をテーマにするのも手です。
例えば魚の中には海底にミステリーサークルを描くアマミホシゾラフグという魚がいます。このフグが作ったミステリーサークルの写真を品評会に出すなんて感じで変えることもできます。
アイディアの骨格はそのままに肉付けを変えていく場合は表現物として別物になっていくことが多いので、自然と差別化できますし、自分の発想を鍛える意味でも有効だと思います。
素直に別のアイディアを出す
なんだかんだ一番安全な方法は素直に別のアイディアを考えてみることです。アイディアを作るトレーニングとして横展開等をするのも良いですし、一度白紙にしてから考えてみるのも良いと思います。
アイディアは全て実現まで持っていけるものではなく、中にはボツになるアイディアもある、と心に刻む意味でも教訓になります。
実際、ゲーム作りを続けている人は毎日1個のアイディアを鼻歌まじりで作っているそうなので、いくつかボツになってもほぼノーダメージだそうです。アイディアが少ないからこそ、そこにすがってしまってついつい固執してしまうことになるので、そうならないようどんどんアイディアを出すのが良いでしょう。
まとめ
というわけで、思いついたアイディアはまずググることから始めましょう。
ググることで重複を確認することができますし、重複していてもさらにアイディアをブラッシュアップすることだってできます。
思いついたアイディアはこの世に2つとない宝物のように感じるのですが、それをさらに輝かせる意味でも他の人の情報を調査することは大切なんです。
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