「ちょっとだけやる」に副次的効果があるんです【ゲーム開発】

「ちょっとだけやる」に副次的効果があるんです【ゲーム開発】

なにかを新しく始める時には「とりあえずちょっとだけやってみる」というのが大切です。

一番のハードルになるのがまず始めること。

このブログはゲーム開発に挑戦したいあなたやゲーム開発をもう既に頑張っているあなた向けに書いているのでゲーム開発で喩えちゃいますが、Unityでゲームを作るんだったら、とりあえず仮の名前を決めてプロジェクトを作ってしまうのがベスト。

この「ちょっとだけやる」というのは作業を始める上で重要なことですが、副次的な効果についてもこの記事で深堀りしたいと思います。

 

 

とりあえずプロジェクトを作っちゃう

冒頭でも書きましたが、新しいゲームを作りたいと思ったら、Unityでプロジェクトを先に作ってしまいましょう。いつもよくみるあの空(シーンのSkybox)を眺めながらゲームの内容を企画として書き出してみるのも風流です。

例のシーン
例のシーン

 

この何もない世界にあなたが思い描いたオブジェクトを配置していくのは神々の遊びです。自分の思いのままに世界を作っていけるのですから。

冗談はさておき、この「ちょっとだけやってみる」というのは、とっかかりがあればどんどん進めたくなる人間の癖を利用しています。脳には側坐核(そくざかく)と呼ばれる領域があり、一旦作業を始めると、この側坐核が刺激されどんどんやる気が出てきます。やる気があるから作業を始めるのではなく、作業を始めるからやる気が出てくる、というのはこの辺りが関わっています。やる気スイッチを入れる方法はまず作業を始めること、なんて言われたりも。

このページでは側坐核の働きのほかに、副次的な効果もあることに気づいたので共有させてください。念のために言っておくとこのページで話している内容は個人の経験に基づく話なので学術的な研究に基づいた話ではないですからね(笑) おばあちゃんの知恵袋的な感覚で聞いてくださいな。

 

「ちょっとだけやる」に副次的効果

「ちょっとだけやる」の副次的な効果として、作業時間におけるコンコルド効果があります。

コンコルド効果とは、このまま投資をしていても損をすると分かっていながらそれまで投資した額を惜しんで投資をやめられないこと。ここで投資したコストのことを「サンクコスト(sunk cost)」と呼びます。サンクはありがとう(thank)じゃなくて埋没(sunk)です。

ゲーム開発において、完成までに試行錯誤することは単純に損をしているわけではないのですが、新しいことを始める時にはその効果が100%見込めているわけではないんです。

もしかしたらうまくいかないかもしれない……! と不安を抱えながら始めているんですよね。

それでも「ちょっとだけやってみる」ことで、「もう時間を投資しちゃったんだから、結果を出して(ゲームを完成させて)取り返そう!」という気持ちがはたらいて、どんどん開発を進めていけるようになります。

失敗のイメージが強いコンコルド効果を例に挙げると印象が悪いのですが、「投資した分を取り返そう!」という気持ちが生まれていることに気づくことに意味があります。気持ちの向き先をうまく向けてあげれば、モチベーションを向上させるためにも使えます。

 

始めるのが一番のハードルかも

やり始めたらどんどん続けられることは分かっていても、その「始める」というのが一番のハードルかもしれません。

なにかの作業を始めるときには、

  • ハードルを下げる
  • 作業をするメリットに注目する
  • 作業をしないデメリットで自分を追い込む

といった方法で取り掛かりやすくするのがベスト。特に一番下のデメリットで追い込む方法は、行動を始めるという意味では一番強いかもしれません。人間はメリットを追うよりも危険を避ける方向で動く傾向にあるので、危機が迫っていると考えれば動くしかありません。例えば締め切りなどを設定すると恐怖やプレッシャーを得られます。

ただゲーム作りに関して言えば、ゲーム作りという行為自体がゲームで遊んでいるかのように楽しめる作業なので、「ほんのちょっとやるだけでいい」と作業に取り掛かるハードルを下げたり、メリットに注目して楽しい部分を抽出する方が良いかもしれません。

自分を追い込む方法だと、その日は作業を始めるかもしれませんが、次の日に作業を始めるのが辛くなるかもしれませんからね。側坐核という観点では、毎日ちょっとずつやって小さな達成感を積み重ねていくのがグッド。

毎日やることで無理なくゲーム作りを続けることで、いつの間にかたくさんの時間を注ぎ込んで技術を磨いていたことに気付くかもしれません。そうすると、得たものを手放したくないという意識も生まれてゲームの完成に近づくモチベーションになります。

 

うまくいかないことが分かったら

サンクコストで投資的な観点にも触れたので、時間の投資の結果についても考えてみます。

「ちょっとだけやる」でやってみた結果どうしてもうまくいかないこともあるかもしれません。

例えばアイディアはどんどん浮かんで人にも「面白そう!」って言われるけど、開発作業やコーディングが苦痛で仕方ない! なんてこともあるかもしれません。

それはそれで自分が得意なこと、苦手なことを発見できたことに意味があります。

「ゲームを作る」という目的を果たすなら必ずしも個人で全部やらなきゃいけないわけじゃなくて、プロデューサーのように人とお金を引っ張ってきて開発チームを作ってあなたの思い描いたゲームを世に送り出しちゃえばいいのですから。

と、「ちょっとだけやってみる」から話が膨らんでしまいましたが、結局言いたいのは新しいことをやろうか迷っているなら「ちょっとだけやってみる」の精神で飛び込んでみよう、ということでした。

新しいことを始めるのは不安も大きいですが、脳に新しい刺激を与えるという意味では良い効果があります。

 

まとめ

日々のゲーム作りの作業でもそうですし、ゲーム作り自体を新たに始める場合でもそうですが、試しに「ちょっとだけやる」とやり始めてみることはメリットが多いのでぜひ。

ゲーム開発は技術的な面も大切ですが、その技術を身に付けていくために精神的な部分も準備していくことも大切だと思っています。メンタル大事。

もしよければこちらもご覧くださいな。

 

     

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