リリース日を宣言するプレッシャーを利用して作業の効率化を図る
夏頃に無料化されたUnityのビジュアルスクリプティングツールであるBoltを使うことにはまっています。せっかくだからとC#でスクリプトを一切書かず、Boltだけを使ってゲームを作りました。
名前はBoltを使っているアピールで『サンダーボルトユニティちゃん』です。unityroomさんのところで公開したので、よかったら遊んでみてください。
Boltを使ってこんな感じにゲームを作れるのね、みたいに雰囲気を掴んでもらえたらと思います。ゲームを遊ぶ場合はPCのGoogle ChromeまたはFirefoxがおすすめです。Boltについては以下の記事もご参照くださいな。
さて、このゲームをリリースするにあたってはTwitterで「明日unityroomでリリースします」と宣言していました。リリース日を宣言してしまうのは結構プレッシャーも大きいのですが、そのメリットについて共有できればと思います。
リリース日の宣言について
リリース日を宣言するのは結構プレッシャーが生まれます。一度宣言したリリース日に間に合わなかったら、再度スケジュールを変更する告知を行わなければなりませんが、これがまた辛いんですよね。冒頭で紹介した『サンダーボルトユニティちゃん』のケースではTwitterでリリース日を宣言していたのですが、いいねやリツイートがいくつか付いていただけに、リリース日の変更がしにくい状況でした。
子供の頃、ジャンプの特集ページでドラクエが取り上げられることが多かったのですが、たびたび発売日変更されるのを見ていて、「またかー」と半分恒例行事のように受け止めていました。個人開発とはいえ実際に自分がゲームをリリースする側になると気持ちがよく分かります。
特に私が子供の頃のゲームはカセットとして販売していたもので、後からアップデートするのが難しい形式だったんですよね。なので、現在のようにインターネットを通してアップデートする形が取れないことで、可能な限り完璧に近い形にしてリリースしないといけない状況だったことと思います。
買ってくれたユーザーが満足できるような形でゲームを提供するためには、リリース日の変更も苦渋の決断だったと理解できます。
リリース日を宣言するメリット
こうしたプレッシャーを生み出すリリース日の宣言ですが、なにかを成し遂げる上ではメリットがあります。
それは、開発者のモチベーションを上げること。
他の人や会社からの仕事を受けている時はなにがなんでも納期に合わせようとしますが、自分でやり始めた創作活動などは「まぁ自分が始めたことだし……」と先延ばしにしてしまいがちになります。
人間は締め切りがないとあまり本気になって動こうとしません。締め切りがなければ、そのままのほほんとしていても別に影響がないですからね。
そこで締め切りを設定し、尚且つ人にこれを宣言しておくことで、「やらなきゃ!」というプレッシャーを生み出して行動に向かうエネルギーを生み出すことができます。
目的は行動すること、このブログではゲームを扱っているので特にゲームを完成させることです。そのためには自分が動かざるをえない状況を作り出すのも一つの方法です。
特に人にリリース日を伝えておくことで、伸ばしてしまった時には恥ずかしい思いをすることになります。この状況を避けるために必死になって行動するようになるわけですね。
サンダーボルトユニティちゃんのケース
冒頭で紹介した『サンダーボルトユニティちゃん』のケースでは、リリース前にリリース日をTwitterで宣言していました。ある程度目処が見えてきてからの宣言になったのでちょっと緩い感じでしたが、「明日リリースします!」と高らかに宣言してみました。
『サンダーボルトユニティちゃん』はWebGLでのビルドを見込んでいて、この時点ではまだブラウザで動かしていない強気の姿勢でした。それまでの自分からしたら「よく明日やりますなんて言えたな……」と思わなくもないですが、当然のことながらブラウザで動かしたらエラーにたくさん出会いました。
このゲームで出会ったエラーの例として、Unityのエディタでは問題ない処理でも、WebGLだと計算結果が異なっていたなんてことがありました。
ユニティちゃんが移動できる位置は1から5までのポジションがあるのですが、見た目では3の位置にいるのに、実際には2にいることになっていて、雷が当たっていないのにゲームオーバーになるなど、理不尽なファミコンゲームの様相を呈していました。
Char型からStringのオブジェクトを作ってエラーが出たり、剰余(%を使う、割ったあまりを求める式)の結果が大幅に違っていたりと、GoogleChromeのコンソールがたくさんのエラーを吐いていたんですよね。
こんなにエラーを見つけてしまったので、「明日と言ったのはプログラマ時間の明日のことだから……」とTwitterで言い訳するという誘惑もありました。プログラマ時間での「明日まで」とは、次の日の始業までを指します。
例えば上司に「今日中に仕上げます」と宣言したら、明日上司が来るまでに仕上げます、の意味になります。
この精神でリリースを「金曜日の34時です!」と言い張って土曜日の朝まで伸ばそうかとも思いましたが、なんとかエラーを全部潰して遊べる形でリリースできました。
恥ずかしさは原動力
一度宣言したことをひっくり返すのはめっちゃ恥ずかしいので、意地でも完成させようと躍起になります。たまにはこういうプレッシャーも必要だろうと今回はプレッシャーで自分を追い込んでみました。
締め切りを設けることでも頭が働きますし、それを人に宣言することでさらに追い込みがかかります。Twitterでいいねやリツイートをしてもらっているのに、「やっぱ無理でした!」はなかなか言えないですからね(笑)
なのでたまにはこんな感じにゲーム感覚で自分を追い込んでみるのもいいかもしれません。ゲームだと、いつまでに何かをしなければならない、という制限時間のようなものもたびたび設けられています。例えばファミコン時代のマリオであればステージに制限時間が設定されていました。制限時間が多く残っていれば得点になる部分を現実に当てはめて考えると、宣言した日よりも早く完成した! という自分の自信にもつながります。
まぁ早く完成したのでリリース日より前にリリースします! だとあまり遊んでもらえないこともあるので、余裕を持ってブラッシュアップの作業をしたり宣伝する時間を得たくらいの感覚がいいかもしれません(笑)
まとめ
というわけでよかったら自分を追い込みながらリリースしたゲーム『サンダーボルトユニティちゃん』を遊んでみてくださいな。
リリース日を宣言すること自体にちょっとプレッシャーがありますし、「もしできなかったら……」という不安も生まれます。この不安を逆手にとって自分を行動させるというのもゲームの完成を早めるひとつの方法です。
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