ゲームのやらされ感をなくすならプレイヤーに裁量を【ゲーム開発】
今更ながらオープンワールドのゲームであるホライゾンゼロドーンにはまっています。コツコツ進めてやっとメインストーリーが終わって拡張コンテンツの方に手を出し始めました。
このゲームは広大なフィールドを駆け巡り、襲ってくる機械を狩りながら人を助けたり世界の謎を解き明かしたりするゲームでやることが多いゲームです。
新しい街や集落に入れば新しいクエストが発生するので、メインストーリーそっちのけでサイドストーリーを進めちゃったりします。もちろん、サイドそっちのけでメインストーリーだけ進めることもできるので割と自由に進められます。
個人的にはこの方式は気に入っていて、プレイヤーが自分の好きなタイミングで個々の課題に挑戦できるのが好きです。
というのも、「このタイミングでこうしてください」と決められてしまっているとやらされ感が生まれてしまうためです。
「やらされ感」というのはやる気に対して悪影響を与える最たるもので、モチベーションの低下を招きます。この点についてこのページで触れていきます。
やらされ感の例
例えばお仕事でもそうですが、上司から「いいから私の言う通りにやりなさい」と割り振られた仕事はやる気出ないですよね。お仕事だからもちろんやるけど、ただの作業者になってしまうとお金以外のモチベーションが無くなってしまいます。
言われるがまま行動してミスったらこちらの責任、うまくいったら上司の手柄、なんてことになったらお金をもらっていても「自分は何をしているんだろう……」と人生の進む道まで考えてしまいそうです。まぁここまでのムーブをかましてくる上司なんてみんなネタで言っているんだと思いま……いないよね?(不安)
ここで大事なのは裁量の有無です。
裁量とは、自分で選択したり、自分の決定に基づいて決定したりと、プレイヤーが自分で選ぶ余地のある部分です。
先ほどの上司の例であれば、仕事を割り振られた人には裁量はありません。自分で決められない仕事をやらされることほど辛いものはありません。お金をもらってるならやりますが、ゲームはお金と時間を払ってやっていることですから「なんで辛い思いをしてまでこのゲームをやってるんだろう」となってしまったら積みゲーと化してしまいます。
自分の人生は自分で決めないと辛くなる
人間は自分の人生は自分で決めたいものですし、生きるためにやるお仕事ではなく余暇で楽しむゲームであればなおのこと自分で選択できる余地が必要です。
冒頭のホライゾンの話に戻れば、メインのクエスト、サブのクエスト、それぞれではやることは決まっていますが、それをやるタイミングはプレイヤーが自由に決められます。
延々と機械とバトルしてレベルを上げてもいいですし、フィールドにある素材を採取していてもいいですし、馬系の機械に乗ってフィールドを駆け巡って景色を楽しんでもいいですし……と楽しみ方を選べます。
プレイヤーが自分で行動を決められると「次はこっちにいってみようかな」「こっちも面白そう」と自発的に行動できるようになり、ゲームの世界を楽しむことができます。
なので、プレイヤーが裁量を持っている状態を目指すことで「やらされ感」を減らしていくことができます。
ゲームのルールは必要
裁量は必要ですが、かといって「好きに遊んで」と丸投げするのもあまり良くないと思っています。やんわりとしたルールに沿って遊ぶ中で、ある程度自由にプレイヤーが遊ぶ余地があるのが個人的に理想です。
アクションゲームだったらステージをクリアする、ただしステージ内では自由に遊べる、みたいな感じが好きです。マリオ64みたいにステージが用意されている中で、そのステージにある6つのスターについては好きな順番で獲得していい、みたいにプレイヤーが自分で攻略順を決められるといい感じ。
RPGであっても、メインストーリーで次の目的地に行くまでの間に寄り道イベントなどがあって、アイテムが手に入るとか、ストーリーの理解を助ける情報などが見つかると嬉しくなります。RPGって結構やらされ感が出やすいジャンルですが、その中でもプレイヤーが自由に行動できる範囲があると行動選択の余地が生まれます。
また、ボスの攻略方法に関してもギリギリ勝てるレベルで挑んで手に汗握る戦いを楽しんでもいいですし、逆にレベルをあげまくって物理で殴り倒してもいい、くらいの幅がある方が好きです。
ここは個人の経験や好みによって異なる部分かもしれません。なので、あなたがあなたのゲームを届けたい相手がどう感じるかを調査しておくのも大切です。
プレイヤーは開発者の想定の上を行きたいのでは
プレイヤーは開発者の思惑通りに進めるよりも、ちょっと上を行くような遊び方を好むのでは? と個人的に思っています。開発者がこうしてください、と提示してきたら、それよりいい感じにゲームを進めたい、みたいな。
例えば推奨レベルが提示されていたら、それよりも低いレベルで上手に攻略していくことで「本来はもう少しレベルを上げるべきところを工夫で乗り越えた」といったように自己効力感につながります。
メインストーリーで目的地が示されていても寄り道を探したくなるのは、作者の想定よりも上を行きたい気持ちが現れているのかもしれません。
「ゲームは褒める装置である」とはよく言われる言葉ですが、プレイヤーの工夫に対してちゃんと応えられるような仕組みも用意しておくと良いかもしれませんね。メインストーリーの他に寄り道した場所でアイテムが手に入るようにしておくのは、プレイヤーが「他にも何かあるのでは?」と探索してくれたことを褒める意味合いもあります。
まとめ
プレイヤーが楽しんで遊ぶゲームですから、やらされ感をなくしてプレイヤーがある程度自由に選択できるように裁量を持った形で進められるようにすると自発的に行動しやすくなるかもしれません。
ゲームの中の楽しみを見つけてくれるというのは開発者にとってはありがたいことなので、プレイヤーが自発的に行動できるようなゲーム作りを目指すといいかもしれません。
ゲーム開発の攻略チャートを作りました!
-
前の記事
【Unity】正しくエラーを制御して解決への手がかりを残す【C#】 2020.12.04
-
次の記事
Unityでは自分でウィンドウを作れる【Editor拡張を使おう】 2020.12.06
コメントを書く