なおも語りたい真女神転生1の世界〜渋谷のメシア、六本木のおじさん【Part6】
今までにやったゲームで己を語るシリーズ。todo(@Explorers_todo)でございます。
真・女神転生1のストーリーを思い出しつつ好き勝手語っているのですが、如何せん語りたいことが多すぎて長文を連発しています。今回は金剛神界から帰ってきた大破壊後の東京でオザワを撃破した後、渋谷と六本木について好き勝手語ります。
最初の吉祥寺編
大破壊後の新宿
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今回もやっぱり長いです。
メシアの正体は
渋谷ではメシア教徒が身を寄せ合っていました。そこでメシアとして崇拝されていたのは、主人公と同じくらいの歳の少女でした。
プレイヤーからすると「転生したヒロインかな?」と予想がつきますが、この時点ではメシアと呼ばれている少女は悪魔からの精神攻撃を受けていて会話することができません。
精神攻撃といえば、こんな時に力を発揮してくれそうな人を知っているはず。そう、サイコダイバーです。
オザワの支配から開放されて、Barでしこたま酒をかっくらってる彼に協力を依頼することで、メシアと呼ばれている少女の精神世界に入ることができます。精神世界では奥にどす黒い渦があるようで、サイコダイバーは奥に進めません。ここは主人公たちが奥に進んでその正体を突き止めることになります。
……それにしてもサイコダイバーはとんでもない能力を持っていますね。人の精神に入り込むとか下手な悪魔より怖いです。本人もそれを自覚しているようで、オザワから開放されてBarで飲んでいる彼に話しかけると「もうこんな力は使わないぞ!」と言っているのが聞けます。そこを曲げて助けてくれるなんてガッツがあります。
心の奥に巣食うもの
メシアの精神世界では、大破壊前の記憶と、転生してからの記憶を見ることができます。人の心を覗き見ているような感じでちょっと罪悪感はありますが、ヒロインが転生した後の過去を知る意味では重要なポイントです。
ダンジョンは結構広いので、戦いながら歩くときついんですよね。大体リソースが足りなくなって途中で引き返して、また挑戦するけどまたリソースが足りなくなり……と何回か繰り返した記憶があります。普通にエストマを使って敵が出現しないようにすると楽に進めるので是非その方法で。
初プレイ時は「エストマを使ったら負け」みたいな謎の自分ルールを課していたので狩り歩きだけでプレイヤーも疲れるという本末転倒な結果に。
ダンジョンの奥にはボスとしてアルケニーがいます。人間の見た目でそこから糸を出したらいかんでしょ、というクモ系の悪魔です。アルケニーはジオが有効なので、ジオ系の魔法を使える仲魔がいると完封できます。ジオハメ強すぎィ!
大体ジオでなんとかしちゃうので何をしてくるかはあまり知りません。
転生したヒロイン
アルケニーを倒したらサイコダイバーのいる場所まで歩いて戻ります。レゲー特有の歩き戻りですね。
サイコダイバーと共に外に戻るとヒロインが正気を取り戻し、「転生してもあなたのことだけは覚えていたわ。あなたと共に行くことが私のさだめ」と冷静に考えると若干ヤンデレチックなセリフと共に仲間に加わります。
前世のヒロインはなんの説明もなく金剛神界に主人公とロウヒーロー、カオスヒーローを送る魔法を使っていました。レジスタンスのリーダーだったヒロインが転生して大破壊後の東京で再び出会うのが転生要素だと思っていましたが、前世の時点でそのまた前世から転生してそうな感じはあります。
メガテンの原作である小説・デジタルデビルストーリーではヒロインがイザナミの転生体でした。真・女神転生のヒロインもなんらかの神様の転生体であってもおかしくありません。
当たり前のように魔法を使っているロウヒーローやカオスヒーローも前世は神様だった……? とも考えられますが、オープニングのカオスヒーローのセリフがループを示唆していることを考えると、前回のループで悪魔と合体したカオスヒーローの力が次のループのカオスヒーローに受け継がれたという説もありかも。
ロウヒーローもこの後ほにゃららされてほにゃららになってしまうので、そこで得た力が次のループに持ち越されているのかもしれませんね。
初回の世界線ではそれぞれのイベントが起こるまでは主人公と同じように剣と銃だけで戦う普通の人間だったのかもしれません。この辺りは妄想が膨らみますね。
メシアのいない渋谷
転生後のヒロインはメシア教におけるメシアとして祀り挙げられていましたが、自分の意思で主人公と行動を共にします。
渋谷にいたメシア教徒にとっては、心の拠り所であるメシアがいなくなってしまうんです。「残された私たちはどうすれば……」と途方に暮れるNPCが悲痛な声を挙げます。
彼らの視点に立てば、メシアを中心として身を寄せ合っていたのに、その中心にいるメシアが急にいなくなってしまうことで、頼るものがなくなってしまって不安に襲われます。悪魔が跋扈する世界の中で「メシアが人々を神のもとに導く」という信仰によって心の平穏を保っていた彼らにとって、どれだけ辛いことでしょうか。
あるメシア教徒は品川に建設中の「カテドラル」の噂を聞いたようです。そこは「神を迎える場所」としてメシア教徒が大勢集まっています。ただ、そこに行くためには結界の張られた六本木をどうにかしないといけないとか。
六本木へ
ヒロインを救出した主人公はギロッポンを目指します。広尾の地下通路から結界の張られた六本木に入ると、そこは人々の活気が溢れる場所でした。赤おじさん、黒おじさんという2人の紳士が結界を張って、街を悪魔から守ってるようです。
と、ここまで聞くと安全な場所のように聞こえますが、実は六本木の正体を知って逃げてきた人が新宿にいました。彼が言うには、六本木にいる人は生きている人間ではなく、みんなゾンビにされているとか……。
街にはアリスという少女がいます。彼女のために、赤おじさんと黒おじさんがこの街を作ったのでした。彼女が寂しくならないように、街の人たちをゾンビ化し、友達としてずっと一緒にいられるようにしたのです。
いやぁ過保護ですね。
六本木では、ロウヒーローの彼女が見つかります。ただ、既にゾンビ化されていて、生きていた時の記憶を持っていることから牢屋に入れられてしまっていました。
反魂香を使うことで彼女を成仏させることができます。ここは属性がLawに偏ってでも成仏させてあげたいところ。30年経っても同じ姿ということは、大破壊の直後にゾンビ化されてずっとそのままってことなんでしょうかね。ゾンビのまま30年も生き続けるとかまさに生き地獄です。ここはロウヒーローの手で送ってあげましょう。
後のシリーズにも出てくるアリス
真・女神転生では、ICMBが東京に落ちてきたことで命を失った少女の魂を、赤おじさんと黒おじさんが「かわいそうに」とゾンビとして復活させたのがアリスです。アリスが寂しくないように、赤おじさんが人々を六本木に誘い、黒おじさんが魂を抜いてゾンビ化させ、永遠の友達として暮らせるようにしました。
気に入った相手には全力で尽くすけど、それ以外はただの道具、という悪魔的な思考が見事に現れています。
アリス自身もわがまま放題の頃に亡くなったせいか、各シリーズの主人公を振り回しています。中でも有名なセリフが「死んでくれる?」です。真・女神転生1ではストーリーの中でアリスのお願いを聞く必要があり、最初は「ヒランヤ」というアイテムを要求されます。これを渡すと次に言われるセリフが 「死んでくれる?」なのでした。
お願いを聞いてくれた! → ずっと友達でいたい! → 私と契約してゾンビになってよ!
という悪魔的論理展開が見られます。ある意味では純粋なのでしょうか。
これは後のシリーズでアリス専用のスキルとしても登場します。敵全体に即死効果をもたらす魔法系スキルで、マハムドオンより高確率でムドれます。
アリスの元ネタは「不思議の国のアリス」でおなじみのあのアリスで、特になんらかの神という訳ではなかったように思います。メガテンシリーズ独自の悪魔ですね。
赤おじさんと黒おじさん
このふたりは現在の六本木を治めており、悪魔が入ってこないように結界を張っています。もちろんこんなこと普通の人間にできるはずもなく、彼らは人間に化けているだけの悪魔です。
赤おじさんの正体はベリアル。ベリアルは聖書にも登場する悪魔で、『ゴエティア』ではルシファーの次に想像された天使とされています。ルシファーと一緒に堕天したので魔界にいるのですが、魔界の中でも上位の君主です。
その情報通り、真・女神転生1では戦闘になっても「ダメージが入らない!」「魔法も効かない!」とロウヒーローやヒロインが慌て、逃げるしかありません。唯一ベリアルを倒せるのが脇見の壺で、六本木のある場所に隠されたこのアイテムを持っていくことでベリアルを封印することができます。
もうひとりの黒おじさんの正体はネビロスです。『ゴエティア』では「ナベリウス」の名前で出てきます。ナベリウスをネビロスと同一視するグリモワールもあれば、ナベリウスはネビロスの部下とするグリモワールもあり、昔から「解釈違い」「解釈一致」みたいなことをやっていたのが伺えます。
ネビロスは魔界一の降霊術使いとされていて、ゲームでもそれが反映されており、六本木のゾンビを作り出したのはネビロスの力によるものとなっています。
ロウヒーローとの別れ
ベリアルを封印すると、ショックのあまりアリスが消滅してしまいます。アリスのために街を作った黒おじさん改めネビロスはブチギレ。主人公たちの魂を抜き取ろうと腕を伸ばしてきますが……ロウヒーローが庇ってくれました。しかし、ロウヒーローの魂はネビロスに奪われてしまいました。
ネビロスを探し出して倒すことでロウヒーローの魂が解放されます。
ネビロス戦ではいつものようにジオハメが効くので完封を目指すと吉。というか動かれるとムドが飛んでくるので事故る可能性も出てきます。ヒロイン合流後はいつでもジオ系の魔法が使えるというのがありがたいですね。
倒した後は「アリスのためにこの街を作ったのだ……愛する者のために尽くすのがなぜいけない……」とヤンデレの見本みたいなセリフと共に消えていきます。
ロウヒーローの魂が開放され、安らかに眠れる……かと思いきや、神の遣いを名乗る人が現れ「この者の魂は神の世界に送るのがふさわしい」と横取りして消えていきます。この後のことを思うと「なんて事してくれたんだ!」と嫌な気分になるイベントです。
ベリアルとネビロスが消えたことで結界が消え、六本木の先に進むことができるようになります。
アリスの解放でもある
六本木はベリアルとネビロスがアリスのために作り上げた幻の活気に溢れる街でした。永遠の時を生きることは幸せのようにも思えますが、本当にアリスがそう望んでいたのかはわかりません。
忘れてはいけないのが、ネビロスに魂を抜かれた人間のほとんどは生きていた時の記憶がないこと。ベリアルやネビロスが望む姿の「アリス」が映し出されていただけなのかもしれません。ネビロスは消える間際に愛であると言いましたが、主人公の立場からすると一方的な偏執であることも否めません。
街にいたゾンビたちも解放され、月齢がひとまわりもすると本当に生きている人間が六本木を復興させます。変わらないこと、停滞が幸せなのかはこれからの六本木を見ると分かるのかもしれません。
ロウヒーローのお願い
実はまともな状態のロウヒーローの魂にはもう一度だけ会うことができます。六本木が解放されることによって通れるようになった銀座方面に抜ける地下通路で「何者かが警視庁のロボットのコントロールシステムを使おうとしている」と情報をくれるのです。
これを止めてくれというロウヒーローのお願いはストーリー上無視してもいいのですが、ゲーム的にはCOMPの容量を増やして仲魔の数を増やすことができるメモリーボードを手に入れることができます。
ロボット警官によってパトロールをしているというメガテンの世界を知るヒントにもなるので、寄り道してみるといいかもしれません。ポイントは、大破壊前から存在していたこと。199X年の時点でマシン警備がされていた点は驚くべきことです。
ロウヒーローの懸念通り、マッドサイエンティストがコントロールシステムを乗っ取ってマシンによる人類と悪魔の殲滅を企んでいるので、これを止めましょう。
マッドサイエンティストの風貌を見るに50代から60代の人なので、大破壊前にロボット警官のシステムを担当していたエンジニアとかでしょうかね。大破壊後、悪魔のせいで家族を失い、周りの人間たちにも酷い目に遭わされたことで恨みがつのり、六本木が解放されたタイミングで旧警視庁に乗り込んだのかも。過去の経験からコントロールシステムを掌握するのは簡単で、家族を奪った悪魔たちを倒すために、悪魔でもなく人でもないマシン警備を動かした、みたいな語られないバックストーリーがあると面白いですね。あ、これは私の妄想の話です。
渋谷、六本木編まとめ
渋谷では転生後のヒロインを救出しましたが、六本木ではロウヒーローと別れることに。特に六本木では悪魔が好き放題している様子が分かるので、悪魔が溢れている東京のヤバさを感じることができます。
この後は大きく分けて2つの目的を果たします。品川大聖堂のハニエルに会うこと、TDLのエキドナに会うことです。会いに行って倒すもよし、協力を表明するもよし、というプレイヤーが自由にストーリーを選択することができる部分です。前半のゴトウとトールマンの選択のようでもありますが、選択した結果はより大きな影響を及ぼすことになるのでプレイヤー的にもちょっと緊張する部分でもあります。
といったところでまた長くなりそうなのでこの辺で。
では、ゆっくりとおやすみください。おやすみの間、悪魔に肉体を乗っ取られぬようお気をつけて……。
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