映画はゲーム作りの良い教材!ストーリーの構成や画面の表現を学ぶ
2020年は新型コロナウィルスが流行したこともあり、例年に比べて家にいる時間も長くなったように思います。家でできることと言えばゲーム開発……だけではなくて色々とありますが、今日は映画からゲーム開発のヒントを学ぶことについて共有させてください。
映画といえば2時間くらいで楽しめる娯楽で、映画館に行かなくてもDVDやBDでも観ることができます。今の時期だと円盤をレンタルしに外に出るのは危険なので、AmazonプライムビデオやらYoutubeのレンタル、iTunesのレンタルなど、インターネットを使って家で視聴するのがおすすめです。無料期間もあるのでAmazonのアカウントがあるならAmazonプライムビデオが楽かも。
この映画ですが、予算をかけているだけあってストーリーの練り込みや伏線の張り方、演出やビジュアルエフェクトなど、目を引くものが多いです。近未来や宇宙系の映画であれば、作中で表示されるコンソールなどのUIも洗練されていて勉強になります。
このように映画の練り込み、作り込みからゲームに活かせる点を学んでみます。
映画は潤沢な予算がある
多くの映画は潤沢な予算をかけて作られています。「映画を作ります!」と宣言しただけでお金が降ってくるわけではないので、監督やプロデューサーが各方面からお金を引っ張ってきてこの予算が実現しているんですよね。
潤沢な予算があるということは、各分野のプロフェッショナルたちを集めているということ。そしてさらに、たった2時間に全ての技術を注ぎ込むために監督がOKを出すまで何度も何度も練り直してあるんです。
なので、とても質の高い要素が並んでいるんですね。
予算があればプロフェッショナルな人たちを呼べる、というのは技術料も含まれていますし、彼らを長期間拘束する事になる間の収益分も含まれています。映画作りは長い時間がかかるそうですから、その分他の仕事ができないとなると、ここでお金を確保してもらわないと技術者側が困ってしまいますからね。
役者さんをはじめ、カメラマン、ライティング担当、音声担当、スタイリスト、演技指導、エフェクト、音響、編集、広報、などなど、多くの人が関わるだけあって、これらの方々に仕事をしてもらうだけのお金を用意しているんです。
これによって監督がこだわれる状況ができて、より高いクォリティの映画に仕上がります。とことんこだわって作られた一流の仕事を分析することは、何かを作っている人にとって価値の高いことです。
CG系の映画から学ぶ
よりゲーム的な表現を学び取るという意味では、CG系の映画(ディズニー系のピクサー作品など)がおすすめです。
3Dモデルの造形、質感(マテリアル)、動かし方、ライティング、ポストプロセシングなど、画面の見え方に関する技術がふんだんに詰め込まれています。
以前Unityのライティングについて勉強している時期にたまたま土曜プレミアムで「ズートピア」の放送を見たのですが、「このライティングがしたかったんだよ!」とまさにドストライクな情報でした。
光源の位置や影の向き、間接光の反射といったグローバルイルミネーションの質の高い実例が映画で表現されていました。
CG系の映画はそのままゲームにも活かせる知識が盛り込まれているので、一度触れてみることをおすすめします。完全再現のレベルまでやろうとすると時間が足りなくなるので、「Bloomだけ真似してみよう」「建物に反射した光を綺麗にベイクしてみよう」みたいに方向性を抜き出して自分のゲームで実現してみるのが良さそうです。
作品ごとにちょっとずつレベルアップさせていくのも楽しいですからね。
ストーリーについても勉強になる
映画はストーリーについても勉強になります。前情報なしで映画を見て自分の感情の動きを確かめるのも良いですし、映画から何を学び取るかを決めてからその観点でチェックするのも良いでしょう。
ストーリーについてチェックするなら映画全体での展開、各登場人物のストーリーライン、登場人物同士の相関関係や過去の繋がり、緩急の付け方などを調べてみましょう。
以前別の記事で映画に学ぶストーリーの作り方なんてのも書きましたが、映画はストーリー作りを学ぶのに最適な教材です。
特に2時間しかない中で起承転結が語られるので、どの部分が「起」で、どの部分が「承」なのかを考えながら見るのも良いと思います。映画を見ている時の自分の感情の動きについても観察しておくと、ストーリー展開と感情の結びつきを確認することもできます。
音楽も大事
映画では観客が何か操作して進めていくわけではなく、映像と音楽が合わさって進んでいきます。ゲームでも音楽は大切ですが、映画の場合は楽しさに与える影響の比率がより大きくなっています。
音楽についてチェックするなら場面ごとで使われている楽器、メインテーマのアレンジがどの場面で流れるか、感情とBGMとのリンクなどを調べてみましょう。展開を盛り上げるための音楽は、ストーリーとも結びついています。
エフェクトと効果音はきっちりと合わさっていますし、映像の雰囲気とBGMはまさに調和しています。優れた音響はあたかもそこにいるかのような感覚を得られます。
欲を言えば映画館でドルビーアトモスの音響設備がある中で体験して欲しいです。というのも、スピーカーの配置や立体的な音響に関しては、ゲーム内でも活かせるためです。
通常、Unityでは、シーン内のマイクの役割を果たす『Audio Listener』のコンポーネントがカメラにアタッチされています。このマイクの位置と、音を鳴らしている『Audio Source』の位置関係によって立体的な音響を表現することができるので、映画の音響表現を参考にゲームでも再現するヒントとなります。
3Dのゲーム、特にホラーゲームなどでは音の表現が作品への没入感、面白さにも繋がっていきますから、是非とも音響について知っておきましょう。チームにサウンドエンジニアの方がいるならその方にお任せすることもありますが、全体を指揮するあなたも知っておいて損はありません。音響のイメージを伝えることができますからね。
自分の得意分野のモノサシで
自分が得意とする分野のモノサシを使って映画を分析してみるとかなり多くのことが学べるので映画はとても良い教材なのです。
映画をひとつの作品として素直に観賞することで感じたことを分析するでもいいですし、モノサシごとに分析してみるのも新しい発見があります。分解してそれぞれ見ていくと、「ここ、こうなっていたんだ!」とそれまで見えていなかったものも見えるようになります。
よく言われる言い方だと「認識の解像度が上がる」状態です。10秒しかないシーンにテクニックがめっちゃ詰まっている、ということも多いので、是非つぶさに映画を楽しんでみてください。同じ映画を何度も見るのもおすすめです。
繰り返し同じシーンを見るなら、AmazonプライムビデオやYoutubeのレンタルで気になったシーンを何度か再生する方法もあるので、あなたのやりやすい方法で試してみてください。
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