【Unity】ゲームに季節感を盛り込むメリットを考える【ゲーム開発】

【Unity】ゲームに季節感を盛り込むメリットを考える【ゲーム開発】

この記事を書いているのは7月なので、梅雨が空けそうな、いやでももうちょっと雨が……みたいな間の時期です。私が住んでいるのは山の方なので、ちょっとした晴れ間があれば自転車で人のいない山のあたりを走って風を感じています。この時期になると蝉も鳴き出して「もう夏なんだなぁ」と季節の移ろいを感じています。

東京にいた頃を思い出すと、この時期は満員電車が辛かった思い出があります。今でこそソーシャルディスタンスが叫ばれていて、人との距離が広がったり電車の窓が開いて換気されていたりするらしいですが、それでも辛い状況だろうなとは想像できます。

思い出の中の満員電車は冷房があたる位置ならともかく、風がこない場所に立っていると地獄で、人々の熱気がさらに辛さを引き上げていました。やっと会社の最寄駅についた時には疲弊していて、会社のクーラーが天国のように感じました。その後仕事を始めたら死んだ目に戻るんですけど(笑)

そんなことを考えていたら、ゲームにも季節感があるといいよね、と思い立ちました。季節のあるあるネタをゲームに盛り込むことで、プレイヤーの経験を想起させる方法もありだと思います。

先に言っておくと、日本でゲームをリリースすることを前提としています。別の地域に行くと気候も変わりますから、例えばオーストラリアなら「え? 夏なのに冬服のサンタさん?」みたいな違和感が生まれてしまいますもんね。

 

 

季節感とゲーム

冬だったらかまいたちの夜みたいに山荘サスペンス的なゲームがやりたくなりますし、夏だったら水上レース的なゲームがやりたくなります。(……そうでもないですかね?)

エアコン完備の部屋でゲーム開発をしていると割と季節感が吹き飛びがちですが、ゲームを遊んでいる人の環境とリンクさせるのもひとつのアイディアとして考えたいところ。

継続的にアップデートできるスマホゲームなら季節ごとのイベントを入れたいです。いわゆるソシャゲ系は季節イベントをふんだんに取り入れていて、夏が近づけば水着イベント、冬が近づけばクリスマス、年が明けたら晴れ着イベント、もう一月経てばバレンタインイベントと、これでもかというくらいに季節に合わせたイベントを行っています。

ソシャゲ系だとみんな右にならえで今まさに季節に合わせたイベントやってますもんね。

このように、ユーザーの感覚とリンクさせた表現をゲームの中に盛り込むのもひとつの方法です。ユーザー自身が置かれた環境をゲームの中でも感じてもらうことで、よりゲームの世界への没入感を生み出すことができます。

 

パッケージ系のゲームの季節感

定期的なアップデートを前提とするソシャゲ以外であっても季節感を盛り込むことができます。

RPGとかなら、訪れる国ごとに季節を表現するのもいいですね。例えばロマサガ3だと南国、砂漠の国や雪国など、季節に合わせたエリアがありました。

世界樹の迷宮2だったら階層ごとに夏、秋、冬、春と季節が巡っていましたね。第一階層ではまだ季節に合わせた迷宮だとは分かりませんが、第二階層にたどり着いた時点で景色が変わって「もしかして……?」となって、第三階層で積もった雪を見れば「これ四季をモチーフにしているのでは?」と仮説が生まれ、第四階層で舞い散る桜を目にすることで「やっぱり!」と確信に到る素晴らしい演出でした。春のセンチメンタルなBGMと敵の凶悪さのコンボはなかなか印象的でした。

日本だと四季があるので、季節ごとの体験や感覚を引き出せるようにするとこれもゲームへの没入感につながります。

冬の寒さに震えているキャラクターがいればユーザー自身が冬に寒い想いをしたことを思い出すかもしれません

夏に海ではしゃいでいるキャラクターがいればユーザー自身が海で泳いだことを思い出すかもしれません。

ユーザー自身の経験や記憶を引き出すフックをゲームに含めておくと厚みが増します。

 

季節ごとのフック

季節ごとのイベントを考えておくことで、ユーザーにどのような気持ちを想起して欲しいのかのイメージと合わせて選択することができます。

主にゲームの環境に季節感を盛り込むのであれば気候や天気について考えておくと良いでしょう。キャラクターの生活について季節感を盛り込むなら季節と結びついた入学式、卒業式、運動会といった義務教育の中で多くの人が経験しているであろうイベントや、毎年話題にあがるクリスマス、大晦日、新年のお祝いなどを候補に挙げると良いと思います。

ちょっと例として考えてみましょうか。

 

春のイベント

春といえば桜が思い浮かびます。桜が咲き誇る様子、風で花弁が舞い散る様子などは日本のユーザーの心に刺さりやすいと思います。

桜に関連して、入学式、お花見などのイベントもあります。ゲームに登場しているキャラクターがお花見で楽しんでいる様子を見ると、一緒に花見をしているような感覚を想起させられるかもしれません。

 

夏のイベント

夏といえば海と山。燦々と降り注ぐ太陽の光と、その光が反射してよりビーチを輝かせます。水着に着替えて海で大はしゃぎするのは童心に帰ったような気持ちになるでしょう。

山では川遊び、キャンプ、流れ星といったイベントもあります。山に登ることで少し星に近づいた感覚は大人のセンチメンタリズムを刺激することでしょう。

現代日本を舞台にしたゲームなら花火も忘れてはいけません。ファンタジーの世界なら魔法で花火を表現するなんてこともあるかもしれません。花火と関連してお祭りも数多く催されます。キャラクターが浴衣に着替えるなどの変化も盛り込むと良いでしょう。

 

秋のイベント

秋といえば収穫の時期。穀物を収穫し、収穫祭を開くこともあります。食欲の秋という観点なら、秋を感じさせる料理に力を入れるのも良いでしょう。

景色を見れば、鮮やかな紅の葉が目に入ります。夏の青々とした葉が競うように紅葉を迎えるこの季節は、時の移ろいを感じさせます。

学校に関連すれば、運動会があるかもしれません。近年は5月くらいに開催することもあるようなので、世代ごとに運動会の季節感が変わりますが、ターゲットとなるユーザーに合わせて選択すると良いでしょう。

 

冬のイベント

冬といえば雪の季節。家にいることも多くなり、室内の暖かさを持った照明と、外の真っ白な世界との対比が美しい季節でもあります。

一年の節目が冬であることもあり、クリスマス、大晦日、新年と、年末は季節を感じるイベントが多く並んでいます。

冬にしかできないスキーやスノボなど、季節限定のスポーツも季節感を表現するのにうってつけです。

 

季節感は「あればいいな」

季節感を盛り込む点については、必ず入れるタイプのテクニックではなく、あったらなお良し、くらいのテクニックなので、ゲーム作りに慣れてきたら隠し味みたいな感覚で入れてみると良いでしょう。

ある程度自由にアップデートできるスマートフォン向けのゲームであれば季節ごとに更新するのもアリです。ゲームに季節感があるとユーザーと同じ季節を歩んでいる感じが出てくるので一体感が生まれます。その一体感はゲームに対する親近感にも繋がるため、より楽しんでもらえるようになります。

 

     

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