サガフロの術とキャラ設定のマッチがとても良かったのでおさらいする

サガフロの術とキャラ設定のマッチがとても良かったのでおさらいする

今までにやったゲームで己を語るシリーズ。どうもtodo(@Explorers_todo)でございます。

以前サガフロンティアのリマスター版が出るという情報を入手して、やたらとテンションが上がって以下のような記事を書いてしまいました。

 

 

こうして振り返ってみると色々と語りたくなるくらいに自分はこのゲームを遊び倒していたんだな、と改めて思います。ゲーム開発者の端くれとしては、二分のゲームを遊んでくれた誰かがこれほどまでに遊び倒すようなゲームを作りたいものですが、それはそれとしてゲームプレイヤーの視点でサガフロの話をもう少ししたいなと思います。

ゲームボーイ時代のサガではFFの魔法が使われている部分が多かったのですが、ロマサガからはサガとしての術が系統立てられるようになりました。FFのように全てのシリーズで一貫して同じ名前の術があるわけではなく作品ごとに違っている部分も多いのですが、火術、水術、あるいは朱鳥術、蒼龍術、といった形で系統立てられている点は共通しています。

サガフロンティアでも術が系統立てられており、そこにキャラごと、あるいは種族ごとに使える術、使えない術なども世界観として設定されています。この辺りも知ると味わい深いのでおさらいしてみたいと思います。

なお、リマスター版で設定が変わったりするかもしれませんので、このページの内容は原作を元にしている点だけご留意ください。

 

 

サガフロの術と資質

サガフロではいくつかの術はお店で買うことができます。術を店で買うというのはロマサガ1、3と共通ですね。ロマサガ2は術研究所を建てれば習得し放題でした。

サガフロの場合は「資質」という考え方があり、資質があるとその系統の術を戦闘後に覚えることができます。店で買うだけでなく、成長時にしか覚えない術もあるので、上位の術が欲しい場合は資質を手に入れる必要があります。

資質を得られるのはヒューマンと妖魔で、イベントによって習得できます。資質イベントの進行状況によって、ストーリーもどれくらい進んできたかな、というのが分かります。時術、空術が手に入ると「大分進んだかな」という感覚です。これはおそらく最初にブルー編から始めた影響かもしれません。

 

術の系統

サガフロでもロマサガのように術の系統があり、相反する属性の術は覚えられません。これは資質も同じです。マジックキングダムでの説明によると、ゲーム内では相反する術のことを「反術」と呼んでいるみたいですね。

例えば陽術と陰術、秘術と印術、といった感じでペアになっていて、反対の術を覚えるためには一度対応する術を忘れる必要があったりします。

ブルー以外は相反する系統の術を持つことができないので、どちらの術を使いたいかによって悩む部分もあります。特に初見プレイではどの系統にどんな術があるのかは分からないので、完全に手探りで進める感じでした。

資質習得イベントはゲーム中1回しかできませんが、秘術の資質を習得したあと、別の仲間を集めてそのキャラで印術の資質を習得する、なんてこともできるのでキャラごとに分けておくのもいいかもしれません。

 

サガフロの術の設定

ここからはどんな系統の術があったかを思い出しつつ設定と絡めて紹介します。うろ覚えな部分もあるのでネタとして見てもらえればと。

 

陽術と陰術

陽術は太陽や光に関係する術、陰術は影に関係する術があります。陰陽思想が元ネタでしょうか。

シップに乗って行くだけで資質に挑戦できるので、サガフロ世界でも割とメジャーな系統の術なのかもしれません。

細かい話ですが、「太陽光線」の術があるということはサガフロ世界でも太陽があるんですかね。混沌の中にリージョンという小世界があるのですが、小世界ごとにそれぞれ太陽と月があるのでしょうか。

 

陽術

陽術だと「スターライトヒール」と「超風が目玉」。スターライトヒールは回復用の術で誰かひとりが持っていると安心です。超風は威力の高い全体攻撃なので雑魚戦に便利。初回プレイでの印象からか、陽術といえばメイレンというイメージです。(クーン編をプレイしてからはメイレンは二軍送り)

初回プレイ時はブルーでも剣を使わせていたので、資質で覚える光の剣は重宝しました。攻撃力がばり高なので剣士キャラに使わせるために資質を取らせてもいいかも。ただ光の剣を作り出すのに1ターン使うため、速攻をかけたい序盤では持っている武器で二刀烈風剣などでダメージを与えた方が早いことも。後半になれば強い武器が手に入るので1ターン使うのは殊更ためらうかもしれません。

資質はルミナスの光の迷宮をクリアすると入手できます。戦闘なしで脂質が手に入るので戦闘回数縛りなどをやっているならこちら。

 

陰術

陰術は相反する術で、目玉はシャドウサーバントです。この術はロマサガ2、ロマサガ3から猛威を奮っていた術でした。自分の行動後に影が同じ行動をすることで術や技の威力が上がります。ただサガフロだとシャドウサーバントがかかっていると連携に参加できなかったような……? バフ中心のキャラが全体にバフを配った後に自分の術の威力を底上げするために使うのがいいかも。あとは一人で行動するオーヴァドライブ前に発動させておくと吉。

敵が単体なら連携に組み込みやすい「ダークスフィア」も便利。敵のバフを消すことができるので、バフを積むタイプの敵なら弱体化を狙えます。

他に陰術でよく使う術といえば、クーン編のヴァジュイール戦で便利な「ハイドビハインド」かな。ヴァジュイール戦では連携数が重要なので、普段は役に立たないこの術も活躍の場があります。

資質はルミナスから行ける影のリージョン「オーンブル」をクリアすると入手できます。小さい頃は自分の影を見つけるところでかなり時間がかかった記憶が。オーンブルに行くと妖魔のサイレンスを仲間にすることができるので、IRPOの隊員を揃えたいならオーンブルへ。

 

秘術と印術

秘術はタロットカードに関係する術、印術はルーンに関係する術があります。これらの術はどちらも占いに関係しています。資質を得るためのきっかけとなるのは占いが盛んなリージョンのドゥヴァンです。

ドゥヴァンには神社もあり、おみくじもあるにはあるみたいです。プレイヤーが引こうとすると「売り切れじゃ」と断られますが。

陽術、陰術に比べると入手難度が高く、サガフロ世界でも資質を身につけている人はそう多くなさそうですね。

 

秘術

秘術はタロットカードをモチーフにした術になっています。剣はスペード、杯はハート、金貨はダイヤがそれぞれモチーフになっている感じでしょうか。盾は残ったクラブかな? でもタロット的にはワンドがクローバーなので微妙なところ。小さい頃はアルカナの種類のことなんてよく分かっていませんでしたが、ペルソナをやった後の今ならどのアルカナなのか分かるようになりました。

秘術といえば「塔」のカードが目玉。全JPを使って敵を攻撃する術で、JPが多いほど威力が上がります。オーヴァドライブ中に塔8連打は誰もがやってみたことでしょう。

購入できる術では「盾」で防御力を上げたり、「杯」でステータス異常を回復したりするのがグッド。

資質イベントでは4枚のカードを入手することになります。「杯」のカードを入手する際のヨークランドのイベントは結構きつかった思い出があります。

 

印術

印術は北欧のルーンをモチーフになった術です。術を使った時に画面にルーンが浮かび上がってくる演出が好きです。

印術で便利なのは「勝利のルーン」「活力のルーン」といった資質が必要ない術なので、資質イベントは秘術にして、あとから加入したキャラは売ってる印術だけ持たせるとかでもいいかも。

ちなみにオーヴァドライブ中に「停滞のルーン」を使うと、行動回数を維持したままオーヴァドライブを終了できます。「停滞のルーン」は自分の動きと敵の動きを止める術で、仲間が万能油を使うことで停滞状態を解除できます。なので、解除後はひとりで最大8回行動できることに。万能油マジ万能。

オーヴァドライブを使えるのはブルーか時の君なので、ブルー編以外では先に秘術の資質イベントを終わらせ、時術イベントでトキノ君を仲間にしてから印術の資質を集めると停滞のルーンを入手できます。

 

時術と空術

時術は時間を操る術、空術は空間を操る術です。

どちらも強力な術なので、陽術/陰術、秘術/印術の資質イベントを終わらせた後に入手できます。

資質を持っているのはそれぞれひとり、しかも時術は妖魔、空術はモンスターと、どちらもヒューマンじゃないのが特徴的。人間では到達できないレベルの術であることが伺えます。マジックキングダムでの説明でも「強力な術だが習得は難しい」と簡単には入手できない点が仄めかされています。

 

時術

時術はひとりの妖魔がその努力によって習得した術です。サガフロ世界でも特別の扱いになっています。

時術の中でよく使うのは「タイムリープ」「時間蝕」「オーヴァドライブ」あたりでしょうか。便利な術が多いので使いやすいです。このうち「タイムリープ」「時間蝕」はブルー編以外では時の君から買うこともできるので、素早さの高いキャラに「タイムリープ」を使わせることで敵を行動させないようにすることもできます。「時間蝕」は敵を石化させやすい術で案外効きます。お金を払ったら普通に術を教えてくれるトキノくんかわいすぎる。

「オーヴァドライブ」は普通に使うと全JPとWPを使ってしまいますが、前述の「停滞のルーン」を組み合わせることで消費JPは10に抑えられ、なおかつ行動回数は残るという夢のような状況に。

ブルー編では時の君を倒して資質を奪う形になります。時の君は別に悪いことをしていないのに倒すのは子供にとっては罪悪感がある行為でした。他の主人公なら時の君を仲間にすることができます。

 

空術

空術は空間を操る術で、資質の保持者は麒麟というモンスターです。麒麟は自分の空間を持っていて、そこで身寄りのない人間の子供たちを引き取って育ています。時の君もそうでしたが、術によってリージョンを作り出しちゃうあたり、いかにこれらの術が恐ろしいかがわかります。

空術では単体攻撃の「ヴェイパーブラスト」、全体攻撃の「リバースグラビティ」が便利。この2つは麒麟から購入できるので資質がなくてもこれだけあればいいかも。特に「リバースグラビティ」はスタンの効果もあるので、素早い術師に使わせれば攻撃してくる敵の数を減らせます。術を教わるために支払ったお金は子供たちのために使っているんだなと思うと色々と買いたくなります(笑)

ブルー編では麒麟を倒して資質を奪う形になります。麒麟が作った空間にいた子供たちは、ブルーが麒麟を倒してしまったことで共に消えていきます。もし仲間に女性キャラがいると「ここまでして資質を取らなきゃいけないの?」と心にくる言葉を投げかけられます。子供心にはきつかったんですよねぇ。

しかもブルーが空術の資質を取るとこの直後のルージュ戦が辛くなります。ルージュは時術の資質を手に入れており、「時間蝕」でこちらを石化させてきます。耐性がないと即負けになるのでここまたキツいポイント。後味が悪いわ、ルージュは強いわでダブルパンチが待っています。

 

魔術と妖術

魔術は超自然の力を引き出す術、妖術は妖魔が使う術です。

この二つはゲームの進行によって資質を得ることはできず、魔術はブルーかルージュ、妖術は妖魔系のキャラが資質を持つだけになっています。

魔術の方はマジックキングダムで研究されているもので、人間の努力によってなんとか身につけた術という位置付けです。一方の妖術は妖魔が使う術ですが、妖魔は生まれた時に既にできることや格が決まっていて、努力によって身につけるものではない術という位置付けです。

時術の時の君について語るヴァジュイールが「術を極める努力をする妖魔など上級の妖魔がすることではない」と言っているように、妖魔は基本的に努力しないで長い時を生きる種族です。下級妖魔が努力しても所詮下級妖魔、というのが彼らの思想なので現代的な感覚からすると辛い世界です。

人間と妖魔の生き方の違いが現れている系統という印象です。

 

魔術

魔術はマジックキングダムで研究されている術でゲーム中ではブルーとルージュが資質を持っています。マジックキングダムで「この国で生まれた者はみんな魔術が使える」みたいなセリフがあった(気がした)ので、マジックキングダム特有の術のようです。ブルー編の終盤の姿を見るに、魔法と言うより科学的アプローチで習得しているような感じですね。

魔術は攻撃系の術が充実していて、単体攻撃で気絶効果付きの「インプロージョン」、敵が術を使おうとするとそれを阻止してダメージを与える「サイキックプリズン」、高威力全体攻撃の「ヴァーミリオンサンズ」あたりが便利です。特に「サイキックプリズン」は時の君や麒麟戦で貼っておかないと一発で全滅することもあるので結構大事。

初回はブルー編だったので、魔術は結構思い入れがあります。

 

妖術

妖術は妖魔が使える術で、仲間になる妖魔はみんな資質を持っています

妖魔は大体タイガーランページさせるので術はあまり使わないのですが、妖術だと「硝子の盾」がとても便利です。攻撃を1回防いで、割れたガラスで敵を攻撃します。サガフロだと回復手段がそこまで潤沢ではないのでダメージを受けないことも大切です。

妖術の「幻夢の一撃」はランダムで幻獣を呼び出す術になっています。サガフロ世界では幻獣を呼び出す術として「幻術」が昔存在していたのですが、それが妖術に吸収されて幻夢の一撃になったようです。幻術については後述しますが、この周囲にある設定が中々エモいんですよね。

 

心術と邪術

心術は己の潜在能力を引き出す人間にしか習得できない術、邪術はその名の通り邪悪な呪いの術です。

心術の資質を得られるのはヒューマン(と半妖のアセルス)だけで、妖魔は資質を習得できません。どちらかというと自分の心と向き合って研ぎ澄ますようなイメージの術です。

一方の邪術は相手の心を乱すような術になっていて、向き先が誰の心なのかという違いがあります。邪術の資質を持っているキャラクターはおらず、ゾズマが資質なしで術を持っているくらいです。

 

心術

心術はリージョン「京」で資質を得られます。自分と向き合って資質を得るようで、自分との戦いが待っています。仲間のヒューマンがひとりずつ挑戦していき、勝利するとそのキャラは資質を得られ、負けるとそのキャラは資質を得られません。これ、ひとりだけ資質を得られなかったらめちゃくちゃ気まずいですね。

心術は全ての術が消費JP2というコスパに優れた術です。自分を回復する「克己(こっき)」、一定ターン全ステータスが1.5倍、消費WPとJPが2倍になる「覚醒」あたりが便利です。「克己」はロマサガ3でいう集気法みたいな感じですね。「覚醒」の消費JPとWPのアップは一見デメリットですが、サガフロでは消費JPや消費WPが多いほど術や技の威力が上がるのでダメージアップを狙えます。

ブルーはルージュ戦までは「心が分かれている」みたいなことを言われて資質を習得できません。この辺りのストーリーがゲーム的な設定にまで反映されているのがとても好きです。

 

邪術

邪術は邪悪な呪いの術で字面がもうやばそうな感じです。

実はプレイヤーが邪術を使う機会はほとんどなく、ゾズマが習得しているだけになっています。ゾズマも資質までは持っていないので、追加で習得したりすることはありません。

敵キャラがこの邪術を習得していて、「雑霊撃」などを使ってきます。不死族系モンスターが使う術かな? なんでゾズマが習得しているのかは謎ですが、ファシナトゥールでもかなりの実力を持っていて、かつ世界を放浪しているためその中で身につけたのかもしれません。

ゾズマ関係は没イベントなどもあったようなのでリマスター版で色々と分かることもあるかもしれませんね。

 

命術

命術は陽術と陰術をともに極めた者だけに発現する超高位術です。通常、陽術の資質と陰術の資質を両方得ることはできませんが、キングダムの双子の術士がそれぞれ別の資質を身につけた後、双子同士の戦いを経ることでひとりの術士に戻ります。なので、ブルー編ではルージュ戦後に陽術の資質と陰術の資質を持った術士(通称ブルージュ)になることで命術を使えるようになります。

この話を聞けるのは崩壊していないマジックキングダムに入れる主人公だけなので、ブルー編から始めると何故命術が使えるようになっているのかは分からなかったりします(笑)

LPを1使って全体回復する「サクリファイス」や、HPが0になった時に1度だけLP消費なしで全回復する「リヴァイヴァ」が使えます。どちらも有用な術なのでブルー編のラスボス戦では重宝します。

時術を入手した場合は砂の器を入手するためにLP最大値を減らし、さらに幻魔を入手するためにもっと減らし、と言った感じでブルーのLPが減っていることが多いので「サクリファイス」を使うのは躊躇われることも。慣れたプレイヤーはわざとルージュに負けてLP最大値を7に戻したりします。

 

幻術

幻術はすでに失われている系統の術で、陰術と妖術に吸収されました。既に過去のものなので使えるキャラがいない……と思いきや実はドゥヴァンのおみくじ少女こと零姫が使えます。彼女は妖魔のリージョン「ファシナトゥール」の王・オルロワージュの最初の寵姫で、転生を繰り返して彼の支配を逃げ切った人。そのためはるか昔に存在した幻術を使うことができます。

幻術の設定はアセルス編のストーリーと結びついていてかなりエモい部分です。零姫の見た目は子供なのに大昔の術を使えるなんて、何故? と疑問に思ったところで転生を繰り返していた話が出てくることで納得感に変わりました。

幻術では指定した幻獣を呼び出すことができます。妖術の「幻夢の一撃」ではランダムに呼び出されたものが指定できるので、石化効果を持つ「コカトリス」を連打して雑魚戦を切り抜けるのが通なサガフロプレイヤー。

 

まとめ

「幻術と零姫まわりのストーリーの関連っていいよね」と言いたいがためにこんな記事を書いてしまいました。

命術や幻術はサガフロ世界でも特殊な位置付けなので、ストーリーや世界観と照らし合わせてみると案外奥深さを感じることがあります。

子供の頃は威力重視だったのですが、リマスター版では補助系の術も色々と試してみたくなってきました。

 

リマスター版の発表でテンションが上がって書いた記事がこちらです。よかったらこちらもご覧あれ(長文)

 

     

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