【新説】ドラクエ2はクトゥルフ神話をモチーフにしたRPGだった説

【新説】ドラクエ2はクトゥルフ神話をモチーフにしたRPGだった説

今までにやったゲームで己を語るシリーズ。どうもtodo(@Explorers_todo)でございます。この記事は元々別ブログで公開していたものを移設・アレンジしています。

 

上の記事の中でドラクエ2の思い出を語っていてふと思ったのが、「ドラクエ2ってクトゥルフ神話っぽい!」っということ。

邪神の復活を目論む狂信者たち、邪神を祀る海に沈んだ祭壇、復活した後は地上を支配する破壊神。クトゥルフ神話を嗜んでいる紳士淑女にとっては、にやにやとしてしまうこと請け合いな要素です。

ドラクエ2はゲーム中のテキストがさほど多くなく、ハーゴンの正体やシドーの目的も語られませんが、クトゥルフ神話的な解釈で(無理やり)紐解いてみたいと思います。

 

 

ハーゴンは邪教のリーダー

これは作中でも言われていることですが、ハーゴンは邪教であるハーゴン教団のリーダーです。

ハーゴンは邪神の復活を目論んでいますが、彼と同じく邪神を崇拝する信者たちによってハーゴン軍団が構成されています。

教団のシンボルマークはコウモリのマーク。一見ドラキーのようなシルエットですが、これはシドーの羽を表しています。この1対の羽が象徴的ですね。

ムーンブルグを攻め滅ぼしたり、ムーンブルクの王女を犬に変えたり、サマルトリアの王子に呪いをかけたりと、かなりの働き者です。

 

シドーはクトゥルフ説

緑色のうろこに覆われた体、巨大な鉤爪、背中にはコウモリのような細長い翼など、クトゥルフとの共通点が多く見られます。体を傷つけられてもすぐ(ベホマで)修復してしまう点もシドーの特性です。

ハーゴンの頭にあった、ひれのような器官がシドーにも受け継がれています。ドラゴン要素と人要素があって、タコ要素が足りないのは、おそらく復活の儀式が不完全だったためでしょう。

シドーの復活時はハーゴン自身が捧げられましたが、本来であればもっと多くの生贄が捧げられたことでしょう。王子たちが頑張ってくれて良かった。

また、シドーが呼び出されたのは、雪に覆われた大地です。雪に覆われた大地といえば南極、南極といえば狂気の山脈があることでも有名です。狂気の山脈にはクトゥルフの末裔が暮らしていた形跡が残されているのですから、かつてクトゥルフをはじめとする旧支配者がいた地でシドーが呼び出されたことは無関係ではないはずです。

ロンダルキアの台地では狂気の山脈にいるはずのスライム状の神話生物であるショゴスたちが見当たりませんが、ハーゴンたちがすでに全世界に散らばせたと考えれば不思議ではありません。これまでの冒険でスライム状の生物なんて……いえ、あなたはローレシアを出発してすぐに、目や口のあるスライム状の生物に出会ったはずです。

実はすでにローレシアにまでショゴスたちの手が及んでいたことを考えると、私たちが思っていた以上にあの世界には危険が迫っていたのかもしれません。

 

ハーゴン軍の仮面の者たち

ハーゴン軍には、まじゅつし、きとうし、じごくのつかい、ようじゅつし、あくましんかんといった仮面を被ったモンスターがいます。彼らは元人間であったモンスター、という設定があるようですが、それを1歩深めてみたいと思います。

なぜ彼らは仮面を被っているのでしょうか。単純に元人間であるだけなら、仮面など被らずそのまま過ごせばいいはず。

答えは、彼らがインスマス面(づら)だからです。

インスマス面で出歩けば、一目見て「異形のもの(=モンスター)だ」と分かってしまうでしょう。しかし仮面を被っているなら?

一目見て人間かモンスターか、区別はつきません。ここがポイントです。

モンスターが邪神を信仰しているのであれば、一般人にとって動揺は少ないでしょう。なぜならモンスターだけを明確な「敵」として認識できるからです。

しかし、自分と同じ人間が邪神を信仰していたらどうでしょう。人間の中にもハーゴンに協力する者がいる。もしかしたら、普通の人間のふりをして街を歩き、情報収集をしたり仲間を増やしているのかもしれない。

そう考えてしまったら、おちおち外を歩けませんし、人によっては恐怖のあまり発狂してしまうでしょう。こうして人々の動揺を誘うために、インスマス面の彼らは仮面を被っているのです。

 

インスマス面の深きものども

インスマス面とくれば、あくましんかんを始めとした彼らの正体にもピンときたことでしょう。

そう、彼らは深きものども(ディープ・ワン)です。深きものどもは大いなるクトゥルフを信奉し、クトゥルフの復活を目論んでいます。それと同時に、教団のリーダーであるハーゴンに従っています。

とするとつまり、ハーゴンは父なるダゴンである可能性が生まれるのです。ダゴン、ハーゴン。ダゴン秘密教団、ハーゴン教団。人間の発声器官で発音するとハーゴンになってしまいますが、深きものどもの発声器官であればおそらくダゴンと呼ばれるのでしょう。

 

じゃしんのぞうはクトゥルフの像

海底の洞窟にある礼拝堂で祀られているじゃしんのぞう。

海底でピンときた探索者の紳士淑女も多いでしょう。そう、海底の洞窟はルルイエだったのです。

海底の洞窟に入るためには月のかけらが必要ですが、ルルイエが浮上するのは星辰が正しい位置についたとき。月のかけらを使うことで、無理やり星辰が揃えられた結果ルルイエが浮上しました。

ルルイエにて眠るクトゥルフを祀っているじごくのつかいたちは、祈りを送ってクトゥルフの力を蓄えています。

しかし、本来の浮上の時ではなく、無理やりルルイエが浮上させられてしまったことから、じごくのつかいたちはクトゥルフに十分な力が蓄えられてないと判断したのです。彼らは王子たちを捧げることで、邪神の力を増強しようと襲い掛かってきます。

なんとか狂信者の彼らを退けた王子たちは、じゃしんのぞうを手に入れました。

 

じゃしんのぞうが必須なのはハーゴンの罠だった

本来であれば、星辰が正しい位置につくまでには大いなる時間が必要でした。その時間でクトゥルフは十分な力を蓄え、完全な形で復活するはずだったのです。

しかしローレシアの王子たちにより、無理やりルルイエを浮上させられた挙句、じゃしんのぞうまで持ち出されてしまいます。

じゃしんのぞうは大いなるクトゥルフ復活のキーアイテム。ルルイエが浮上した暁には、邪神復活の儀式を行おうとしていたので、ハーゴンとしては何としても手に入れなくてはなりません。

そこで彼は一計を案じました。

ドラクエ2をプレイ済みの探索者の紳士淑女はお気付きかと思いますが、ハーゴンのもとに行くためには、じゃしんのぞうが必要です。ロンダルキアへの洞窟はもちろんのこと、ハーゴンの神殿でも上層に行くために必須のアイテムとなっています。

王子たちの目的が彼自身の討伐だと知っているハーゴンは、自身を餌に、仕掛けを解く鍵として邪神復活のためのキーアイテムを持ってこさせたのです。

 

不完全ながらクトゥルフの復活を達成する

ハーゴン自身、大いなる力を持ったレッサー・オールド・ワンでしたが、ルビスの加護を得ているローレシアの王子たちには敵いませんでした。

ハーゴンはその最期に、自分自身をクトゥルフに捧げるのです。復活のキーアイテムは王子たち自身が持ってきてくれました。生贄と邪神の像。不完全ではありながらも条件がそろったため、ハーゴンの神殿でのクトゥルフ復活が行われたのです。

残念ながら完全な姿での復活は叶いませんでしたが、それでも眷属の悲願である主の復活を達成したことは誇っていいでしょう。

 

ローレシアの王子たちが得たルビスの加護とは

アイディアロールに成功した探索者の紳士淑女ならもはや、ルビスも宇宙的な恐怖を呼び起こす、地獄めいた超常的な存在であることに気付いているでしょう。

皆様は大地の精霊であるルビスの顔を見ましたか?

姿は見ず、メッセージとアイテムだけを受け取ったはずです。そしてそのアイテムをハーゴンの神殿で使うことで、冒涜的な異界の光景が映し出されましたね?

もうお気付きでしょうが、ルビスのまもりと呼ばれているアイテムは、ほぼ球形に近い結晶体、輝くトラペゾヘドロンだったのです。

まやかしを打ち破った後の光景がハーゴンの神殿本来の姿であると、誰が言いましたか? あれは輝くトラペゾヘドロンによって心に映し出された異界の光景です。まやかしをより強力な光景で上書きしているのです。

 

ルビスの正体

ここまでくれば、なぜ人間であるローレシアの王子たちがハーゴンと戦うことができたのかお判りでしょう。そしてなぜ大いなるクトゥルフを倒すことができたのも。

ハーゴンの神殿で、輝くトラペゾヘドロンによってニャルラトホテプが召喚されたからなのです。

クトゥルフ討伐に手を貸したのも、その後のローレシアの王子たちの破滅を期待してのことでしょう。モンスターズ+では、「破壊神を破壊した男」として人々に恐れられる存在になってしまいました。本人は人間のつもりなのに!

人々から向けられる、漆黒の深淵に通じるような目を恐れた彼は、その姿を隠すこととなりました。そのきっかけを作ったのはバズズでしたが、人々の悪意を煽ったのは言うまでもなくニャルラトホテプです。

そしてキャラバンハートでは、ドラクエ2の数百年後の姿が描かれていますが、ローレシアの王子たちが守ろうとした彼らの国々は没落の一途を辿っていました。

ニャルラトホテプの化身であるルビスがロト(ドラクエ3の勇者)と結んだ約束は「大魔王を倒してくれたらいつか恩返しをする」であって、「その後子孫を破滅に導かない」なんて約束はしていません。

ルビスのまもり(輝くトラペゾヘドロン)を渡し、クトゥルフを討伐する力を貸すことでロトとの約束「」守ったのです。

ニャルラトホテプはどんな姿でも現れます。たとえ女神のような姿をしていても、その実態はニャルラトホテプなのです。彼女は大地の精霊でしたね? オーガスト・ダーレスの解釈によれば、ニャルラトホテプは土の精です。もはや語らずとも理解したことでしょう。

さて、ルビスの正体を知ってしまったあなたは、ここで1/1D10の正気度チェックです。

 

おまけ・教団員専用の復活の呪文

もしあなたがハーゴン教団の一員であるならば、大いなるクトゥルフを讃える以下の復活の呪文を授けましょう。

きよう きのや まやまか

らよぶ こえは こふいあ

いあし せるく とるうる

るいえ のやか たにてゆ

めみる ままに まちいた り

狂気の山々から呼ぶ声は乞ふ いあいあ 死せるクトゥルー、ルルイエの館にて夢見るままに待ちいたり

私の発声器官ではうまく発音できませんが、「っみやぬ」という名を持った、レベル41の王子があなたの分身となるでしょう。ローレシアの王子のみのパーティで、サマルトリアのお城から始まります。

すぐリリザに向かえばサマルトリアの王子を仲間にすることができるでしょう。船を持っているため、満月の塔に向かい、月のかけらを手に入れ、ルルイエに祈りを捧げに行きましょう。

この呪文は、押入れに封印されていた宇宙的な神秘を秘めた赤い目と白い幾何学的な体を持つ地獄めいた物質(ファミコン実機)にて効果を確認済みです。

 

まとめ

ドラクエ2はクトゥルフ神話をモチーフにしたRPGという説を妄想マシマシで無理やり紐解いてみました。

いやだなぁ皆さん、これは私の想像に過ぎませんよ? やつらの教団の秘密を暴いてしまっただなんてそんな訳……おや? 今日は風が強いようですね。先ほどから戸口が揺れてガタガタと……。

今度は窓も揺れ始めました。少々億劫ですが様子を見てみることにしましょう。ん? 月に照らされて何かが見えますね。あの忌まわしい腕のようなものは一体……(日記はここで途切れている)

 

     

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