Unity上で動くRPG Maker Uniteが発表されて心が震えている
個人的に嬉しいニュースが入ってきました。
なんと、Unity上で動くRPGツクールが2022年に発売されるようです!
RPGツクールといえば、プログラミングの知識がなくてもRPGを作れる素敵なツールであり、全国の中学生たちを厨二病患者へと変貌させる悪魔めいたツールとして有名ですが、それがUnity上で動くとなると、UnityでRPGを作ることを一度は夢みたものの必要な作業量の多さに面食らってしまい「この最強のRPGを深い眠りにつかせなければならぬ」と設定やシナリオなどを封印してしまったUnityユーザーたちの心を震わせることになります。
かく言う私もそのひとりで、普段使っているUnityでRPGツクールが使えるならどれほど幸せか……と夢に見ない日はありませんでした。自分でデータベースシステムや戦闘システムを組みながらほったらかしになっているプロジェクトの名前をUnityHubで見るたびに悲しみが込み上げてくる日々を送っておりました。
それがなんということでしょう、2022年2月15日のツクールの日にUnity上で動くRPGツクールである「RPG Maker Unite」が発表されたではありませんか! 神は私を見捨てなかった!
発売日は現時点(2022/3/27)では2022年中になっていますが、明日発表されても良いように心の準備をしておかねばなりません。
RPG Maker Uniteについて
「RPG Maker Unite」はUnity上で動くRPGツクールで、SteamやUnityのアセットストアで購入できるようになる予定だそうです。RPG「ツクール」じゃなくてRPG「Maker」なのは、今後は海外展開を見据えてシリーズ名を海外名の方に統一していくためだそうな。
Steamではストアページが公開されているのでこちらもご覧ください。
発表されたのが2月15日で、それをブログに書くのが3月27日と、ツクラー出身のUnityエンジニアとしては「判断が遅い」とビンタされるような土下座レベルの遅刻ですが、開発していたゲームの仕上げをめっちゃ頑張っていたのでどうかご容赦を。リリース前だったんです! どうかお許しを!
一応メルマガの方ではリアルタイムでこの話題を送っていたので、ギリギリまだツクラーを名乗っても良いですかね……?
Unity上で動くということは、Unityのエディタ拡張を使って実装されているのではないかと思います。UnityでRPGを作ろうとすると、どうしても最初にオレオレRPGツクールを作る必要があり、おそらく多くの人がエディタ拡張で作業していたと予想しています。実は私も仕事の合間に「オレオレRPGツクールtodoエディション」を作っていたのですが、「RPG Maker Unite」の発表に伴ってお蔵入りさせることを決めました(判断が早い)
と、ストレージの肥やしにするには個人的にも忍びないため、作っていたものはAriadneに統合するなど、なんらかの形でまとめて使いまわしたいと思います。もしアセットに「RPG Maker Unite」と連携するためのプラグインを組み込んでいいよ、ってなったらそちらを使うことにします(笑)
2022/3/25時点の最新情報は4gamerさんに掲載されているのでこちらもご覧ください。
RPGツクールとは
流石にこのページに来た人でRPGツクールを知らないなんてことはないかと思いますが念の為。RPGツクールシリーズはコーディングなしでRPGを作るためのツールで、古くはMSXで発売された「RPGコンストラクションツール dante」から、2020年に発売されたRPGツクールMZまで、さまざまなツールが発売されました。
家庭用ゲーム機向けにも発売され、スーパーファミコン向けの「RPGツクール SUPER DANTE」や「RPGツクール2」、プレイステーション向けの「RPGツクール3」や「RPGツクール4」など、当時の子供たちが遊びやすい環境で発売されていたこともあり、たくさんの厨二病患者を生み出したとか。
私はスーパーファミコンの「RPGツクール SUPER DANTE」とプレステの「RPGツクール3」でよく遊んでいました。スーファミの1では戦闘時のダメージに乱数がなくて、数字通りの計算がされるという小学生にはありがたい仕様でした。スーファミのソフトということもあり容量面では限られていましたが、それでも楽しくゲームを作ることができました。
RPGツクール3になるとプレステの「メモリーカード」という外部ストレージにデータを保存できたので、友達と交換してお互いのゲームを遊ぶなんてこともやってました。メモリーカードの容量は、1ブロック8KBで15ブロックまで存在していて、1枚で120KB程度までユーザーデータを保存することができました。今考えると衝撃的な容量の少なさですね。自作マップだと容量を食ってしまうのでデフォルトのマップをうまく使って容量節約したりもしました。
家庭用ゲーム機だとコントローラーで文字を入力したりして、シナリオを作っていくのはなかなか大変だった思い出があります。そうした期間を経てパソコンで使えるRPGツクールの存在を知った時には衝撃でした。いえ、発売の時系列的にはパソコン版が先なんですけどね。
友達と一緒にパソコン版のRPGツクール2000を使い始めてからは狂ったようにRPG作りに明け暮れていました。お互いにバカゲーを作ってゲラゲラ笑いながらプレイして、別の高校に進んでも定期的にお互いの作ったゲームを遊んで、一方はゲーム開発の仕事をするまでになりました。(向こうは別の道で大活躍しています)
このように少年たちのその後の人生を狂わせるような魔力があるのがRPGツクールなのです。
UnityでRPGツクールが動くメリット
UnityでRPGツクールが動かせると何が嬉しいかというと、RPGを格段に作りやすくなる点です。
RPGツクールなので当たり前っちゃ当たり前なのですが、Unity単体でRPGを作ろうとするとかなり労力が必要なんです。
- キャラクターデータの管理
- 魔法データの管理
- アイテムデータの管理
- 敵キャラの管理
- システムメッセージの管理
- メニュー画面の管理
- 戦闘システムの実装
- 移動システムの実装
- 会話やアイテム入手などのイベントの実装
などなど、すぐに思いつくだけでも自力実装しなければならない点がたくさんあります。
多くのRPG製作者はこのシステム作りから始めることで、かなりの時間を取られてきました。もちろん、自作なので柔軟に作成できるメリットはありますが、その一方で初心者には厳しい道なんです。
こうした部分をすっ飛ばして自分の作りたいストーリーのRPGができるのは非常に大きなメリットです。
また、Unityを使うことでUnityのアセットストアにある素材を使えますし、エディタ拡張を行うことで自分のオリジナル部分を追加することもできるかと思います。ビルドする対象のプラットフォームも幅広いため、元々RPGツクールを中心に使っていた人でもUnityを使うことでリリースできる環境が広くなります。
今Unityを使っていてRPGを作りたいと思っている開発者、今RPGツクールを使っていてより多くの人にゲームを届けたい開発者、双方にとってメリットのあるツールになるであろうと考えています。
まとめ
昔よく遊んでいたRPGツクールと今使っているUnityが悪魔合体してRPGを作れるようになるなんて夢のようです。続報を楽しみにしつつ、データ類やシナリオなどの準備を進めていきたいと思います。
発売されたら「発売からアプリリリースまでのRTA」みたいなこともやってみたいですね。スケジュール的にできるかどうかは別として(白目) 日本で真っ先に「RPG Maker Unite」でリリースしたぜ! ってなったらカッコいいので頑張ってみようかしら。
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