Unityのバージョンはどう選んだらいいの?おすすめの選び方
「Unityってたくさんのバージョンがあるけど、どれを選んだらいいの?」
「LTSとかって何?」
というあなたに向けたUnityのバージョンに関する解説記事です。
- バージョンの選び方
- バージョンアップのサイクル
- aとかbとかって何?
- LTSがおすすめの理由
について解説しているので、この記事を読み終わる頃にはどのバージョンを使ったらいいか分かるようになります。
バージョンの選び方
一番最初に結論を言っちゃいますが、ゲームをリリースするならLTS、新しい機能を使いたいならその時点での最新版を選びましょう。
LTSとはLong Term Support(ロング・ターム・サポート)の略で、2年間の長期サポートがついているバージョンです。この期間内はアップデートが行われるので、Unityエディタで何か問題があったとしても、それが解消される可能性が高いです。
2020年2月の現時点ではUnity2018.4がLTSの最新版で、これを使っておけばしばらくは安心して開発に臨めます。リリースする対象のゲームは特にバグに気をつける必要があるため、Unity本体に起因するバグが少ないに越したことはありません。
一方で、新しい機能を使ってみたい場合はその時点での最新版を選ぶと良いでしょう。ゲームをリリースする場合は多少のリスクがあるものの、新しいバージョンにはゲームを作りやすい機能が盛り込まれていることが多く、より簡単にゲームが作れるようになっていることが多いです。
バージョンアップのサイクル
バージョンアップのサイクルについてはUnity公式のブログで解説されているので、こちらもご覧ください。
上のページを見れば解決するような気もしますが、ここでは個人的な感想も含めて説明します。2020年2月の情報に基づいて書いているため、最新の情報については公式のアナウンスを確認するようにしてくださいな。
メジャーバージョンについて
バージョンアップを見る上で大切なポイントは、メジャーバージョンの更新です。Unityは1年に3回、4ヶ月に1回ごとのペースでメジャーバージョンが上がっていきます。例えばUnity2019であれば、春ごろにUnity2019.1、秋ごろにUnity2019.2が、そして2020年の1月に2019.3がリリースされました。
この2019.3は、2020年の春ごろに2019.4と名前を変えて、LTSの長期サポートのバージョンになります。LTSのバージョンは機能追加が行われず、バグの修正だけ行われていきます。
ゲームをリリースしたあとはUnity自体の機能追加を必要とすることはそれほどないため、2年間バグ修正が行われるバージョンでリリースするのがおすすめです。
ただ長く続くゲームであれば、2年間のサポート期間を超えてゲーム自体のアップデートを行うことがあるため、LTSの期間が切れる前に次のLTSなどを使うことを検討しても良いかもしれません。
2020からは2020.3がLTS版になりました。
LTSでないバージョン
LTSでないバージョンは、次のメジャーバージョンがリリースされるとサポートが終了します。そのため、バグ修正が行われないことも考えられ、若干のリスクを含んでいます。
例えば、Unity2019.1の次にUnity2019.2がリリースされますが、このタイミングでUnity2019.1のサポートが終了してアップデートがされなくなります。もしここでなんらかのバグが報告されていたとしても、その修正が盛り込まれるのはUnity2019.2になります。Unity2019.1でバグがあっても、そのまま残っちゃうんですね。
自分でリリースした範囲だとそこまで大きなバグに当たったことはありませんが、商業的に規模が大きい環境であれば、LTSのバージョンを使った方が安定すると思います。
ただこのリスクを補って余りあるのが、新しい機能の追加です。例えばUnity2019.3ではHDRP(高精細レンダーバイプライン)と呼ばれる、綺麗な画像を表示するための仕組みが正式リリースされました。これにより、PC向けやPS4向けなど、ハイエンドの端末向けのゲームではより美麗な映像を作り出すことができるようになりました。
このように目玉機能が追加されることも多いので、いずれLTSでゲームをリリースすることを踏まえて、早い段階からゲームを作り始めたり機能になれておくのが良いですね。
OSのバージョンアップにも注意
LTSだと2年間のサポートがありますが、その間にOS側のアップデートがある場合は注意が必要です。というのも、OS側で大きなアップデートがある場合、ファイルシステム自体が変わって昔のバージョンのUnityエディタが開けなくなることがあるためです。
私が今使っているのがMacなのですが、確かmacOSの10.12から10.13にアップデートしたタイミングで、昔のUnityエディタが起動しなくなりました。LTSならサポート対象なのでなんらかの対応策を出してもらえると思いますが、そうでないUnity201x.1、Unity201x.2、などではサポートが終了しているので公式では対応されません。
なので、OSのバージョンアップを行う場合、なんらかの影響がないか事前に調べておくことをおすすめします。必要なら事前にUnityのプロジェクトをアップデートしておくのも良いかもしれません。
aとかbとかって何?
正式リリースの他に、aとかbがついたバージョンも存在します。これはそれぞれアルファ版、ベータ版となっていて、正式リリースに先行して新しいバージョンの機能を使うことができるものです。Unity Hubだと最新プレリリースの領域に表示されています。
aのアルファは内部的なリリースの意味合いが強く、Unityの中の人たちが使って機能を確かめるレベルのものです。bだと公開テストの位置付けで、正式リリースに向けた機能検証やバグの報告などを行うバージョンになっています。
どちらもゲームをリリースするのにはリスクが大きく、サポートの対象にもなっていないので、あくまで機能を触ってみたい時に使うのが良いでしょう。
画面やUIもどんどん変わっていくので、ブログなどで画面を貼ってドヤ顔していると、すぐに新しいものに移り変わっていたりすることも(経験談)
どんな思想でこの機能が追加されているのか、といった本質的な部分まで理解できている開発者なら、画面が替わったとしても何をすればいいかが分かるので、正式版でも素早くキャッチアップできると思います。
初心者なら無理して触る必要はないバージョンです。
LTSがおすすめの理由
冒頭でも書いた通り、ゲームをリリースすることを考えているのならLTSがおすすめです。
その理由は、2年間のサポートがついているためです。Unityエディタ自体のバグが継続的に修正されるので、自分のゲーム側に集中することができます。
例えばこれから使う場合はUnity2018.4がおすすめです。2019年の春にサポート開始したので、2021年の春まではサポート対象になっています。この期間内にUnity2019.3もUnity2019.4になってLTS版が出るはずですから、1年ほど乗り換えの検証を行うこともできます。
LTSでないバージョンでゲームをリリースした場合は、4ヶ月後にそのバージョンのサポートが切れるので、新しいバージョンに乗り換えることを検討しなければなりません。もちろん、自分が頑張るつもりで使い続けることもできますが、OSのバージョンアップなど外的な要因でそのバージョンのUnityエディタが使えなくなることもあるので、リスクは大きくなります。
新しいバージョンで追加された機能によって、これまで実装してきた部分に影響がないとは言い切れないので、機能追加のないLTSを使い続けるのが良いと思っています。
まとめ
この記事では、以下の点について解説しました。
- バージョンの選び方
- バージョンアップのサイクル
- aとかbとかって何?
- LTSがおすすめの理由
繰り返しになってしまいますが、とりあえずLTSのバージョンを選んでおけば間違いありません。新しい機能を使いたい時に、並行してUnity201.9やUnity2019.2などのバージョンを使ってみると良いでしょう。
インストールしたUnityの使い方に慣れたい時は、Unity Learnでいくつかチュートリアルをやってみるのがおすすめです。初心者におすすめしたいチュートリアルは以下のページでまとめています。
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