モンハンアイスボーンの発売に見るゲームの『ワクワク』について

モンハンアイスボーンの発売に見るゲームの『ワクワク』について

ついに出ましたモンスターハンターハンワールドの大型アップデート、アイスボーン!

PVが公開されるたびに見ていたのですが毎回ものすんごいワクワクしてました。

私はちょうどジンオウガがパッケージモンスターのP3からモンハンに入ったので、ジンオウガがアイスボーンにまさかの参戦と聞いて狂喜乱舞。ジンオウガのお手がPS4で見れるだけでも大満足です。

……こんなこと言いながら、しばらくは自分の仕事が手いっぱいで買えないんですけどね(血涙)

買ったら止まらない自信がありますし。

とまあこの記事で伝えたいのはモンハンのPRとかではなくて、ゲーム作りで大切な『ワクワク』について。

ゲームを作っている人、これからゲームを作り始める人にとってはぜひ考えてもらいたいんです! ちょっとだけ、クエストのロード時間の合間だけでいいから読んでいってください!

 

 

『ワクワク』をいつ感じる?

作ったゲームは人に遊んでもらってこそ。そして遊んで『ワクワク』を感じてもらってこそです。

この点はゲーム開発を行う人だったら感じていることでしょうし、「どうやったらプレイヤーは『ワクワク』を感じてくれるか?」という命題は息をするかのごとく自然に問いかけていることと思います。

ゲーム開発駆け出しの頃は、ゲームを遊んでいるときの『ワクワク』にのみ注目していました。

しかしこの『ワクワク』、プレイヤーがコントローラを握って、実際にゲームを遊ぶ前にも感じてもらうことができるんです。

それがまさに冒頭のモンハンの話です。

私はモンハンワールドすら買っていないのですが(G級に相当するものが出たら買おうと思ってました。本当です! 信じてください!)、もともとシリーズを遊んだ経験があること、嫌という程キャンプ送りにされてモンスターの名前が心に刻み込まれていることから、PVを見ただけでも内容を想像できました。

自分を振り返ってみると、この想像の中で『ワクワク』を感じていたことに気付きました。

どんなゲームも、最初に遊んでもらうのはプレイヤーの頭の中。

遊んでもらえるだけの情報を事前に渡しておくことができれば、たとえゲームをリリースする前であってもプレイヤーは頭の中であなたのゲームを遊べます。

頭の中でゲームを遊ぶのは、プレイヤーだけではなくて開発者の方にもメリットがあります。

 

『ワクワク』のために必要な情報量

私の場合はモンハンをプレイしたことがあり、モンスターの名前もモーションも知っていることから、PVを見ただけでも内容が想像しやすかったのですが、全く知らないゲームだったらどうなっていたでしょうか?

おそらく「どんなゲームなんだろう」と理解するのに必死で、最初は『ワクワク』を感じている余裕がなかったかもしれません。どんなゲームか知らなければ、何をするのが目的か、誰を操作するのか、みたいな疑問が生まれてきて、頭の中で遊ぶどころではないですもんね。

何度か情報に触れるうちに、「なるほど、こういうゲームなんだな」と理解して、「じゃあここはどうなっているんだろう」「こっちはどうかな」なんて好奇心が出てきます。こんな感じでちょっとずつ頭の中で動かせるようになってきて初めて『ワクワク』に繋がっていくのだと思います。

モンハンに話を戻すと、無印MHが出たのが2004年ですから、シリーズで見ると15年分の情報量が蓄積されており、これが共通の背景(コンテキスト)としてゲーム開発者とプレイヤーの間に横たわっています。このコンテキストがあるからこそ、少ない情報でも内容を想像しやすいのです。

今までモンハンをやったことがない人だとしても、友達からモンハンの名前を聞くことがあるかもしれませんし、テレビで名前を見かけることがあるかもしれません。なんなら電車の中吊り広告やディスプレイでも名前が載っていたかもしれません。一度モンハンの名前で検索を行えば情報はごまんとありますからね。ドン引きするぐらいみんなモンハンの話ばっかしてますよ。なので今からモンハンを始めようとするユーザにとっても『ワクワク』を感じさせやすい土壌が整っています。

私もアイスボーンの発売にあたってはPVを見ていましたが、これがたとえTwitterで「ナルガ、オウガ、ラーが参戦」と1行だけ書かれていたのを見たとしても内容を想像できちゃうんですよね。自分の中で持っている過去のモンハンの記憶があり、さらにそれがPS4というプラットフォームで表現されたらどうなるんだろう……! と『ワクワク』していたと思います。

まとめると、『ワクワク』を感じるためには、最低限どんなゲームかを知って、何をするのか、どんな動きをするのか、こうした情報が必要になってきます。

 

個人開発者は『ワクワク』のためにどう戦う?

個人開発者の場合は、企業のようになかなかプロモーションにまでお金をかけられないかもしれません。本当はプロモーションを行なって、ゲームを届けたいプレイヤーに知ってもらうことが一番大事なのですが、「広告費」という言葉がのしかかって二の足を踏んでしまう気持ちは理解できます。

モンハンみたいに「PV第5弾です!」といった形でいくつもPVを打てればいいのですが、これはなかなか大変です。一度でもゲームのPVを作ったことがあれば、企業に広報担当がいる理由が身に沁みて理解できると思います。

かといって、プロモーションを行わないのは「私のゲームを遊ばないでください!」と言っているのと同じことですから、やっぱり何らかの形でプレイヤーに情報を届けないといけません。

「どんなゲームか」「何をするのか」「どんな動きをするのか」といった情報がないと頭の中でイメージできないですもんね。

ゲームの作成と同時に進行するのは大変ですが、PVとまで行かなくても、Twitterやブログで進捗を公開していくと多少なりともプレイヤーに情報を届けることができます。何もしなければどうせ0なんだから、たった1つでも情報を出しちゃいましょう。

 

完成していないゲームを宣伝する恐怖

「完成していないゲームの情報を届けるなんて……」

と不安になる気持ち、分かります。私も最初はそうでした。

でも人間って不思議なもので、完璧な情報を一発ドカンと渡されるよりも、ちょっとずつの情報を何度かに分けて渡された方が飲み込みやすいんですよね。

しかも、小出しの方が情報と情報の間を補間してくれるので、より想像力が働いてくれるのです。ここに『ワクワク』のポイントがあります。

断片的な情報から想像される「ここはどうなっているんだろう」「この先はどうなるんだろう」という気持ち。

こうした期待と不安が入り混じった気持ちが『ワクワク』なんだと思います。

途中のものを見せるのって、ちょっと恥ずかしいですし、正直今でも恥ずかしいです。でも作っている途中のゲームの情報がちょっとずつ公開されていく様子を未来のプレイヤーが見ていたら、あなたのゲームが出来上がってく様子を一緒に楽しんでもらえるかもしれません。

画面のイメージだってどんどん変更が入るかもしれませんが、そんな時は魔法の言葉『※画面は開発中のものです。』を使えばあら不思議、どんな画面だって公開しやすくなります。世の中にはネームの状態で掲載しちゃう漫画家もいるんですよ? それを思えば心理的抵抗なんてなんのその。(T樫先生すみません)

 

まとめ

この記事で言いたかったのは、ゲームにおいて『ワクワク』は大事だけど、それはゲームをリリースする前からプレイヤーに感じてもらうことができるよ! ということ。

そのために恥ずかしがらずに情報をどんどん出していきましょう。きっとあなたのゲームを待ってくれているプレイヤーがいますから。

 

……モンハンの話をしたらアイスボーンやりたくなってきちゃった(笑)

     

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