【ゲーム作り】素早くゲームを作るには先に全体を作って細部は後回し
これは自分のゲーム作りの癖から感じた点を共有したいのですが、最初は荒削りでもいいので全体をざっくりと作ってしまうと作業が早くなります。
私の癖は、ついつい細部にこだわってしまって、気付いたら結構時間が経っていることが多いんです。細部の仕上げはぶっちゃけすんごい時間がかかるので、後回しにしちゃって大丈夫です。
これから実装しなければならない部分が多いと「うわ……これ終わるのかな……」とモチベーションにも悪影響が出るので、作り始めのやる気溢れる時期に全体をざっくりと作ってしまいましょう。
木を見て森を見ず
油断しているとついついやってしまう癖なのですが、ゲームを作っているときに細部に注目してしまってなかなか全体が完成しないような進め方をしてしまうことがあります。
なんとなく動くものを作ることで、実際に動かした時の手触りとかプレイヤーとしての印象をもとにフィードバックしていくのが理想とするところなのですが、最初から完璧なゲームを作りたいという誘惑が時たま襲ってくるんですよね。
「すごい!」って言われたい気持ちが大きいのかもしれません。すごいと言われるために細部にこだわり、なかなかゲーム全体が完成せず、結局「それだけ時間をかければそのくらいにはなるよね」みたいな出来になったりしたことがありました。
ドキュメントを作るときなどは最初に目次を作って、1章分だけ書いて粒度を確認して、全体を埋めて、細部を修正、みたいな流れでやっているのですが、ことゲーム作りになると楽しさが先行してしまうためか、全体を作るべきフェーズにおいても「ここをこうしたらもっと良くなるのでは?」とどんどん改善に入ってしまうことも。
これをやってしまうとなかなかゲームが完成しないんですよねぇ。
意識して細部を後回しに
ここ最近のゲーム作りでは、意識して細部を後回しにするようにしています。私は机の周りに大きめのポストイットを貼っていることが多いのですが、ここに「細部は後回し!」と書いて貼っています。
PCを使うときには目に入る位置にあるので、チラッと目に入れば自分の行動を振り返るきっかけにもなります。
例えばちょっと前にリリースしたゲームでは、各シーンで使うUIを一気に作ってしまいました。アセットの「DoozyUI」を使うとUIの表示/非表示を簡単に管理してくれるので、これを使って一気にぱぱぱっと必要なウィンドウを作っていきました。
UIなどはImageの画像部分、ボタンの画像部分などは仮置きのデフォルト画像をセットしておいて、あとで一気に画像をセットしました。画面上でのサイズを先に設定しておけば、それに合わせてアセットを作ればOKですからね。
ゲームのUIを作るフェーズと、そのUIの中で使う画像を作るフェーズを切り離したことで、それぞれの作業を集中して進めることができます。
ゲーム開発でツールを行ったりきたりすることが原因となって集中力が途切れてしまうことがあります。例えばUnityで使う画像をPhotoshopで作ろうとしてウィンドウを切り替えたときにブラウザが目に入ると、「そういえばアレどうなったかな」と別の作業をしてしまったりすることもあります。
作業の切れ間を作るとどうしても集中力が削がれてしまうのが人間なので、なるべくぶっ続けで作業できるようにしておきたいところです。(もしこうしたタイミングで集中力が切れたとしても、あなたが悪いわけではないのです)
0から8にする
何も作成されていない0の状態からざっくりと作成された8の状態にする労力と、8の状態から完成の10の状態にする労力は多分後者の方が大きいです。
ただ、「ある程度全体ができている」という安心感があると、焦らずにゲームを作成できます。焦ると周りが見えなくなってしまうので、余裕を持った形でゲーム開発していきましょう。
0から8にする作業に一番向いているのが、ゲームを作り始めた直後です。ゲームを作り始めた直後は、企画を作って、仕様書を書いて、設計もして、さぁゲームを作ろう! と一番モチベーションが上がっている時間です。
この高いモチベーションを活かして全体をざっくりと作ってしまうことで、後の作業が楽になります。
ゲーム開発の作業が進んでくると、だんだんと最初ほどのモチベーションが無くなってしまうことがあります。しかし、ザックと動くものを作ってあることで、たとえモチベーションが下がったとしてもゲームを実行して、目の前で動いているものを修正していくという方法が取れます。
叩き台がある状態とない状態では作業の進み具合が異なってきますからね。
この叩き台を作っておく作業が全体をざっくり作るというものです。
後から直せばいいや
こんなこというと真面目な人からは怒られるかもしれませんが、リリース時にちゃんとしたものに仕上げるのであれば、プロジェクトの途中ではざっくりとしたものでいいと思います。
この言葉の意図は、ゲームの作成途中において細部にこだわるような仕上げの作業に入ってしまうとゲームの完成自体が遠のいてしまうので、まずはなんとなく動くものを作ってスピード感を持って開発する、ということです。
IT系の会社にいる人だったら「アジャイル開発」と言ってしまった方が分かりやすいかもしれませんね。
まずはモックとして動くものを作って、それを動かして要件や仕様と照らし合わせて修正、早いサイクルで確認しながら完成度を上げていく、という流れはやっぱり早いです。
ゲーム開発だとウォーターフォール開発はあまりやってないんじゃないでしょうかね。前の会社にいた時はどちらかというとウォーターフォールで進めるプロジェクトが多かったので、ゲームを作り始めた当初は「次のフェーズに進むためにはこのフェーズを完璧にしなければならない」という意識があったのかもしれません。
細部をこだわり過ぎると後で直しにくくなる
他にも途中で細部にこだわりたくない理由としては、ガッツリ作り上げた部分があると、後で修正が困難になることがあるんです。
これは最初の頃に作ったアプリで起きたことなのですが、ゲームのメインとなる戦闘シーンを2、3ヶ月もかけて仕上げていました。この戦闘シーンでは様々なパラメータを扱っていて、結構複雑に作ってありました。
戦闘シーンを作り終わった後にステータス画面や装備画面を作り始めたのですが、作ったステータス画面を見てみたら「こんなにパラメータいるかな……?」と思ってしまったんです。UIを作るのが大変という開発者側の事情もあったのですが、一番はユーザーが混乱しそうだな、と感じたのでした。
こうした観点から戦闘シーンで使うパラメータも含めて修正し始めたのですが、ダメージ計算や敵キャラが持っているデータの修正やらで結構なコストがかかりました。
最初にUnityで作ったアプリだったということもあり、ナレッジが少なかったこともありますが、それでも元々IT系の会社にいたとは思えないようなポカミスをしてしまってショックでした(笑)
途中で細部をガッツリ作り込むと直すのが大変になります。もしかしたらバグの温床にもなってしまうので、細部の詰めは後半の作業として行った方が良いです。
概形を作る作業、仕上げの作業の切り離し
上でも少し触れましたが、全体を作っていく作業と仕上げの作業は切り離すようにしましょう。仕上げの作業は終わりがないので、いくらでもこだわり続けることができます。
ゲーム開発者にとっては、時間が一番貴重なリソースです。早くゲームを作ってリリースすれば、その分早くユーザーの反応を得ることができますからね。ユーザーの反応はとても大切な財産になります。
なので、プロジェクトの開始直後、そのゲームを作り始めて一番モチベーションが高いタイミングで全体を作ってしまいましょう。
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