【Unity】Village Interiors Kitでいい感じの内装を【アセット感想】

【Unity】Village Interiors Kitでいい感じの内装を【アセット感想】

3Dのゲームを作るときにはキャラクターが歩き回るフィールド(環境)を作る必要があります。特に室内をシーンとして表現したい場合は必要なオブジェクトが多いので自力でモデリングするのは結構大変です。

というのも、外を出歩いているのに比べて部屋の中は物が多いので、ちゃんとした室内を表現するにはより手間がかかります。

別の記事でも書いたのですが、実はUnityを使い始めた頃、自分だけのオリジナルRPGを作ろうとして3DモデリングソフトのBlenderを使ってゲーム内のオブジェクトを作ろうとしたことがありました。

 

この時は外装だけでも心が折れたので、結局アセットストアでアセットを買った方が楽だと気付きました(笑)

買ったアセットを使った感想やレビューを残しておくことでもしかしたらあなたのお役に立てるかもしれないと思い、このページを書いてみました。

ここで紹介したいのは『Village Interiors Kit』という3Dの環境、特に建物の内部である内装を作るためのアセットです。

 

Village(村)の名前が入っている通り、メインとなるのはファンタジー世界の村にありそうな建物の内装です。これに加えて大聖堂の中身や冒険者ギルドがありそうな酒場、図書館など、様々な用途に使えます。

結構しっかりした作りのモデルデータなので、PC向けやハイエンドのゲーム機向けのアセットです。近年性能が上がってきたスマホでもいけそうな気がしますが、もしスマホ用のゲームに使う場合は「Low Poly(ローポリ)」の文字が入っているアセットを使った方がパフォーマンスが良くなると思います。

ローポリゴン系のアセットについても、ついついたくさん買ってしまっているので、また別の記事で紹介したいと思います。

 

 

建物の内装を作れる3Dモデル

『Village Interiors Kit』は3Dゲームの環境、特に建物の内部などの内装を作ることができる3Dモデルのアセットです。アセットストアだと「Environments」というくくりになっています。

現実世界の建物の中を思い浮かべてもらえると分かる通り、建物の中って結構物が多いんですよね。もし今室内にいるとしたら、周りを見渡してみてください。例えばその周りにあるオブジェクトを3Dモデルにしていくとすると、結構数が増えそうですよね。

このアセットでは中世の西洋風ファンタジー向けの3Dモデルを提供していて、部屋自体を作るPrefabに加えて、装飾品としてベッド、カーテン、カウンター、テーブル、食べ物、本、手紙、本棚、電飾、などなど、たくさんのPrefabが用意されています。

例えばゲーム内でファンタジーな建物の中に入るとするならば、冒険者たちが集う酒場だったり、情報を収集するための図書館だったりが登場するかもしれません。こうした建物の内部を作るためのパーツが豊富に揃えられているのがこのアセットです。

 

デモシーンの紹介

アセットをインポートしたときに確認できるデモシーンを紹介します。デフォルトで存在しているデモシーンは建物やオブジェクトの配置イメージとなっているので、ポストプロセシングで雰囲気を変えたものも一緒に紹介します。

 

大聖堂

デモシーンで結構いい感じの大聖堂が用意されています。これはそのまま使えそうな感じ。

大聖堂
大聖堂

 

ポストプロセシングで全体を明るく、光っている部分はブルームでふんわりと光が漏れるようにしました。室内のシーンはライトがないとかなり暗くなってしまうので、目立たせたいところをライトで照らしつつ、全体の露光量を上げてみました。

ハイエンドのゲームだとコンフィグ画面で明るさの調整ができたりもするので、ユーザーの好みの明るさになるように設定を入れておくと丁寧かもしれません。使っているモニタや、ユーザーが設定しているモニタの輝度によって見え方は全然違ってきてしまいますからね。

ふんわり感を重視
ふんわり感を重視

 

図書館

村にある図書館のようなデモシーンもあります。本棚に本を配置したり、それぞれの机で本を広げていたりと、この図書館を使ってる人の行動が見えるようなシーンです。

村の図書館
村の図書館

 

ちょっとアングルを変えて調整。手前の机に焦点をあて、画面奥にある本棚をぼかしてみました。蝋燭のオブジェクトが配置されているので、ふんわり溢れる光を表現するためにブルームも使っています。

ここまで調整すると、なんだかちゃんとしたゲームっぽい画面になりますね。

ふんわりとした照明
ふんわりとした照明

 

冒険者の酒場

1階が酒場、2階が宿になっているデモシーンです。壁にかかってる鹿をモチーフにした盾や、右側のテーブルの上にあるシャンデリアのような照明もこのアセットの中に含まれています。

冒険者が集まりそうな酒場
冒険者が集まりそうな酒場

 

こちらもポストプロセシングで調整しました。室内なのでDirectional Lightを使わないで明るくしたいのでブルームを強めに入れて、露光量も上げています。

酒場の活気のある感じを表現したかったので明るい部分をより明るく感じるようにしています。ちょっとふんわりとした雰囲気も、室内の活気ある様子に寄与しているかなと。

活気がある感じに
活気がある感じに

 

元々組んであるデモシーンからイメージを膨らませていって、あなたのゲームで登場させたい内装を作っていきましょう。

 

どんなPrefabが含まれているか

自分で組み立てていくときには用意されているPrefabを使います。『Village Exteriors Kit』の方でもそうでしたが、数が多すぎて全てを把握するのが大変です。フォルダ分けされていますが、全部を開いて確認するのも結構大変でした(笑)

その分、Prefabの組み合わせによっていくらでもオリジナリティあふれる内装が作れます。

デモシーンの中には『1-2-3』という謎のシーンが含まれていて、このシーンでは内装を組み立てていく手順が説明されています。と言っても英語で書いてあるわけじゃなくて、段階ごとにオブジェクトが並んでいるので目で見てわかります。

内装を組み立てていく手順
内装を組み立てていく手順

 

ちょっと引きで撮っているので小さくて申し訳ないですが、左2つが床の作成、その右2つが壁の配置、オレンジ色に光っているのが窓の配置、一番右が装飾品の配置となっています。

スケールを大きくして配置するというよりは、オブジェクトをいくつか並べて配置する感じになります。なので、床に並べるタイルの枚数をベースに部屋の大きさを決めていくと綺麗に並んでいきます。

簡単でもいいので、大体の設計図を事前に用意しておくと組み立てやすいと思います。紙にペンで走り書きするとかでもいいかもしれません。なんなら図書館で建築関係の書籍を借りてきて、図面を参考にアレンジしてみるとかも面白いと思います。

 

壁のPrefab

内装といえば壁が大きなウェイトを占めます。Prefabも基本となる壁が13フォルダ分に加えて、地下墓地用の壁まで用意されています。

石造りの壁
石造りの壁

 

こちらは土っぽいテクスチャの壁です。壁のサイズが揃っているので、隙間なく並べていくのがグッド。

土っぽい壁
土っぽい壁

 

床のPrefab

壁と同じくらい大きなウェイトを占めるのが床です。床と壁、天井で部屋の雰囲気が決まるので、Prefabを組み合わせてみてイメージを膨らませてみるのも楽しいです。なんだかインテリアコーディネーターみたいな気分になれますね。

また、デモシーンを見ると床用のPrefabは天井としても使われているので、うまく組み合わせてみましょう。

基本となる床
基本となる床

 

こちらは地下墓地向けの床です。各フォルダの中にはQuadに近い形の床、立体的な床などが含まれています。

地下墓地の床
地下墓地の床

 

階段のPrefab

屋内を構成する構造物として階段も忘れてはいけません。Villageだけあって木組の階段がメインとなっています。

階段のオブジェクト
階段のオブジェクト

 

家ごとに異なる階段を使ってもいいですし、町の大工の癖と言って同じ階段を使うのもいいと思います。

様々なタイプの階段がある
様々なタイプの階段がある

 

装飾品

いわゆるPropsですが、こちらもたくさんの種類があります。ここではその一部を紹介します。

キッチンのPrefabも用意されていて生活感を演出することができます。火を使うので木ではなく石で組まれています。

キッチンで生活感を演出
キッチンで生活感を演出

 

いわゆる固形物なオブジェクトだけではなくこうした布のオブジェクトも大切です。

カーテンもある
カーテンもある

 

より生活感を演出するためにベッドを置いてみるのもいいでしょう。ノーマルタイプのベッドから天蓋付きのベッドまであります。

ベッドも様々なタイプが
ベッドも様々なタイプが

 

ファンタジー系のゲームに向いている

このアセットは西洋風ファンタジー系の舞台にぴったりで、テーマや世界設定がファンタジーならいろいろなジャンルのゲームに使えます。姉妹アセットの『Village Exteriors Kit』とも相性が良くて、外装、内装の両面をこの2つで賄うことができます。

RPGだと情報を得るための図書館、冒険者と交流を深める酒場、回復するための宿屋、祈りを捧げて状態異常を回復する教会などがあると雰囲気が出てきますが、まさにこれらの施設を作るのに最適です。

 

『Village Exteriors Kit』同様、値段を見ると「結構するなぁ」というのが正直なところですが、これだけの素材を自分で用意するとなると値段以上のコストを支払うことになっちゃうんですよね。元々3Dモデリングが得意な人ならぽんぽんオブジェクトを作っていけると思いますが、これから3Dモデリングを勉強して素材を作っていくとなると……どれだけの時間がかかることか。

特に内装として使うオブジェクトは種類が多くなりがちなので、技術を持っていたとしても全て自分で作るとなると時間がかかりますよね。私たちは素材を作って終わりではなく、その素材を使ってゲームとして完成させる必要があるので、素材作りに時間が取られるとゲームの完成自体が遠のくことも。

一度購入したら複数のゲームで使っていくことができるので、ゲームを作り続けるほど1プロジェクトあたりの相対的なコストは下がっていきます。

もしあなたがPC向けやハイエンドのゲーム機向けにゲームを作ろうと思っているのなら、このアセットはあなたのゲームに華を添えてくれることでしょう。

 

おまけ

これは私が『Village Exteriors Kit』と『Village Interiors Kit』の両方を買っちゃった後に気付いたのですが、以下の4つのアセットがバンドルされたお得なセットがありました。

  • Village Interiors Kit
  • Village Exteriors Kit
  • Royal Quarters
  • PB Medieval Villages 1

上の4つのアセットは、このページで紹介している『Village Exteriors Kit』を販売している3D Forgeさんがやっているまとめ売りで、普通にこの4つを買うよりお得に買えます。

 

『Village Exteriors Kit』と『Village Interiors Kit』の両方を使う予定があればこのバンドルの方が安く入手できます。どちらか片方を持っている場合は差額でアップグレードできるため、どちらかを使ってみて良さそうなら、このバンドルセットを使ってみるのも良いかもしれません。

……私は『Village Exteriors Kit』と『Village Interiors Kit』の両方を個別に買ってしまうというショッキングなミスをしてしまったので、あなたには同じ過ちはして欲しくないと思い、このバンドルセットもおまけで紹介させてもらいました。

 

それでは今日はこの辺で。

良いUnityライフを!

     

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