料理人を目指すか素材の生産者を目指すか【ゲームの素材から作る?】
ゲーム開発をしたい人、している人に向けてこのタイトルは「んん?」となるかもしれませんがちょっとだけお付き合いください。
ゲーム開発者はよく料理人にたとえられます。
他の人が作った素材を集めて使いやすいように加工し、いくつも組み合わせてひとつのゲーム(料理)を作り上げるのです。
ある程度大きなチームであれば分業体制もしっかりできていると思うので、素材を作る人、ゲームを作る人、と言った形で分かれて仕事をしています。
個人開発者の場合は手数が限られているので、素材から自分で作ってゲームを開発するのか、それとも他の人が作ってくれた素材を使ってゲームを開発するのかで時間の使い方が変わってきます。
個人開発者の場合
個人開発者の場合は、ゲームを作る人なのか、ゲームの素材を作る人なのか、この境目が曖昧になってしまうんですよね。
素材を自分で作って、加工も自分でして、ゲームとして仕上げて、と言った感じで全ての工程に関わることが多いです。この点は個人開発者の強みでもあり、弱みでもあります。
個人開発者の強み
個人開発者の強みという意味では、自分の思い描いたゲームを100%実現させられるという点があります。自分の思った通りの素材を作れるのですから自分が理想とするゲームに近づきやすくなります。
既存の素材(アセット)を使わせてもらう場合は、開発者自身がオーダーして作成してもらったわけではないので100%自分の思い描いた素材であることは稀です。
他の人にオーダーして作ってもらった場合も、意図を伝えきれずに思ったものと違うものが出来上がってくることもありますし、逆に思った以上にすごいものが出来上がってくることもあります(こっちの方が多いかも)。
その点、自分で素材を作る場合は自分の意図した通りに作ることができます。意図通りに作る技術を磨く必要はありますが、すでに得意な分野であればそれも可能でしょう。自分のゲームで特色を出せるというのは大きな強みです。
個人開発者の弱み
逆に弱みという意味では、恐ろしく時間がかかるという点があります。
簡単に作れそうなドット絵であっても、実際に自分で作ってみるとクォリティがヤバヤバなものが出来上がります。自分好みのイラストを描きたいと思っても、元々イラストを描いていたのでない限り技術を学ぶのに時間が取られてしまいます。(そしてゲームの完成は遥か先に……)
ゲーム開発をすることが目的だったはずなのに、そのゲームを開発することではなく素材を作ることに時間をかけてしまうのは本末転倒になってしまいます。
何でもできる反面、時間の使い方に気をつけないと本来やりたいこと以外の部分で時間をかけてしまうことにもなるので注意が必要です。
野菜から作る料理店の方を思い浮かべよう
例えば野菜を生産している農家さんのように自分の家でお店に出せるような野菜を作るとなると、結構時間がかかるのがイメージできると思います。野菜の収穫まで時間がかかるのもありますし、野菜の作り方でも試行錯誤しますからね。
野菜の種を自分ちの畑に植えたばかりの頃は、収穫なんて遠い先のこと。その間はお店の料理に使うための野菜がないからおやすみに……なんてわけにもいきませんから、他の人の作った野菜を売ってもらって料理を作ることになると思います。それで生計を立てつつ、だんだんと野菜ができてきたら試作品として作ってお客さんに食べてもらって反応を見て、また野菜作りを改善してくことになるでしょう。
また、市場などで野菜を買うときに懇意にしている生産者の方がいれば美味しい野菜を作るためのコツなども聞けるかもしれません。
この辺りはゲーム開発に読み替えることもできます。私は勝手に「贅沢な方法」と呼んでいるのですが、既存の素材を使ってゲームを作りつつ、その裏で素材作成の技術を高めるやり方です。
3Dモデルを自分で作るためにBlenderなどを使ってモデリングを学んだり、2Dのキャラクター素材を作るためにClipStudioなどを使ってイラストを学んだり、自分の好きなBGMを作るためにLogic Xを使ってみたりと、各方面での技能を裏で高めるのもアリです。
これらの技能はあなたの興味に基づいて選択されると思うのであなたのゲームの「色」、つまりあなたらしさが出てくる部分になります。
スタンスや目的に合わせて
素材からこだわるか、既存の素材を使うかはスタンスにもよるので、趣味で自分の理想のゲームを作りたいなら素材からこだわるのも良いと思います。
個人的には最初は既存の素材を使ってゲームを作る方法に慣れてしまって、色を出すのは後からでも良いかなと思っています。どうせ自分の素材を動かすなら、いい感じのゲームで動かしたいですからね。
昔RPGツクール2000でゲームを作っていたのですが、RPGツクール2000はパソコンでゲームを作れるのでインターネットを通して他の人の素材をインポートすることができたんです。このときに友達から「素材負けしてる」と言われたのが心に残っているのかもしれません(笑)
ゲーム作りの技術を先に身につけてしまって、どんな素材でも加工できるようになってから素材にまでこだわるようにすると一番スムーズに進むのではないかと思います。
逆に「完全に自分オリジナルのゲームを作る!」ということが目的であれば、最初から自分で素材を作ってゲームを開発するのもありです。Twitterでは足掛け3年でゲームを作りました! という人もいるので、スタンスや目的に合わせて道を選択すると良いでしょう。
究極的には素材作りの技術も高めて、ゲーム開発の技術も高めることになるので、どちらが先かという違いしかないというのもあります。スキルポイントの割り振りのようなもので、満遍なくスキルポイントを割り振って多彩な楽しみ方をするのもいいですし、先にどちらか一方のスキルレベルを上げてしまってより効率の良い狩場でレベル上げをする方法もあります。
まとめ
ゲームの素材から作るか、既存の素材をうまく使ってゲームを作るかはどのようなゲームを作りたいか、今どんなスキルを持っているかによって選択すると良いでしょう。
素材を作るためのスキルが備わっているなら最初から自分で素材を作ってしまってゲームを開発した方が自分の色が出ます。もし今はまだ素材を作るスキルが十分でないと感じたのなら、他の人が作った素材を使わせてもらってゲーム開発の技術を先に身に付けてしまうのも良いでしょう。
ゲーム作りをメインとしながら、ちょっとずつ素材を作るスキルを磨いていくのも良いと思います。
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