【iOSアプリ】2022年10月のAppStore価格改訂に関する対応まとめ

【iOSアプリ】2022年10月のAppStore価格改訂に関する対応まとめ

2022年10月5日(太平洋時間)、Apple社によるApp価格およびApp内課金の価格が改定されました。発表は2022年9月19日(太平洋時間)だったので2週間あまりでの対応が必要になる中々忙しいスケジュール……の上、当日は何時から改定されるのか発表されていなかったため、多く開発者が反映を待機することになったインパクトのあるイベントでした(白目)

Apple社による価格改定が行われたのは2019年以来だったので、その間に運用が開始したサービスの開発・運用チームは結構振り回されたかもしれません。

このページでは上記のような経験をまとめて、次回価格改定が行われるタイミングに向けた備忘録にしておきたいと思います。なお、必ずしも次回も同じような流れになるとは限らないという点はご了承ください。あくまでメモ的な位置付けです。念の為。

 

 

Apple社による価格改定について

Apple社による価格改定の情報については2022年9月19日(太平洋時間)に発表されました。

日本だと9月20日のお昼過ぎくらいにニュースが出始めていたと記憶しています。アンテナサイトなどでも価格改定が発表された旨がヘッドラインに表示されていたようで、開発者のみならずアプリのユーザにも伝わりはじめていたようですね。

改定が行われる日付が2022年の10月5日と発表されたので、この時点で対応期間は2週間ほど。開発者にとっては急ぎで対応しないといけないスケジュールでした。ソシャゲの運営チームなどはガチャやイベントのスケジュールなどを事前に組んでいるのもあり、てんてこまいだったかもしれません。

今回の価格改定では日本のみならず多くの国が対象になっていました。2019年の価格改定だと日本が対象になっていたので、世界規模での変更だと前回とは影響範囲が大きく異なっています。対象の国が多くなるということは、価格改定の処理にかかる時間が長くなるということでもあり、後述の開発者たちの阿鼻叫喚を生み出していました。

価格改定のポイントとしては、Tier1の価格が120円から160円になったこと。TierとはAppleでアプリやアプリ内課金を販売する際に設定する価格帯のことで、開発者は決められた価格帯から選択する形で課金アイテムの値段を決めています。決められた価格帯の最低価格が上がったので値上げのイメージが強いですが、開発者には価格帯を変えるという選択肢もあったため、多くの開発者(企業、個人含む)は日本での販売価格がなるべく同等になるように価格変更を行なっていました。ソシャゲなどでは課金アイテム(石など)の単価が同じになるように設定しているようでした。

1000円以上の価格帯だとキリの良い数字になっていたりして分かりやすくなった部分はあるかもしれません。

 

改定前のアナウンス

価格改定が実施される前には通知を行うアプリもありました。価格改定の情報を知っているユーザーもいたとはいえ、アプリを利用している全員が知っているとは限らないため、アプリの運営側からユーザーに対して情報を伝えるのは大切ですね。

アプリの公式サイトでお知らせとして告知する他に、アプリ内のお知らせでも告知しておくと知ってもらえる確率が高くなるかと思います。個人で制作しているアプリでお知らせ機能を入れるのってちょっと大変かも……と思いがちですが、こうしたプラットフォーム側の要請によってどうしても告知を行わないといけないケースもあるため、個人制作アプリでもこの機能は入れておいた方が良さそうです。

改定の告知では主に、

  • Apple社による価格改定が行われること
  • アプリ側の価格変更対応方針(いくらにするか、的な)
  • いつから変更されるか
  • 変更前後で画面の価格表記と決済画面の価格が異なる可能性があること
  • (発生するなら)メンテナンスの日程
  • 他プラットフォームへの影響

などが含まれていることが多かったです。大規模なサービスだと販売している課金アイテムの変更表なども掲載していました。

 

ドラゴンクエストウォーク

 

パズドラ

 

改定開始は10月5日からとの告知

Apple社によるお知らせでは2022年の10月5日から変更されるとの告知がありました。この変更開始日が曲者で、大平洋時間の10月5日であること、つまり日本時間だとざっくり17時間後になることを意識しておかないといけません。例えば大平洋時間の10月5日0時から変更が開始したとすると、日本時間では10月5日の17時頃からになることを予想しておく必要がありました。さらには変更の「開始」なので、適用まではタイムラグがあり、自分のアプリでいつ新しい価格が適用されるのかは分からない状況になっていました。

運営側にとって恐ろしいのは、アプリの画面内の価格表記と決済画面の価格表記が異なっていることです。事前の告知で異なって表示されることを伝えていたとしても、ユーザーの立場からすると不安になる可能性があります。場合によっては問い合わせが発生してそちらの対応を行うことにもなるため、多くのアプリでは決済機能をメンテナンスの状態にしておく対応を取っていました。

アプリの作りによってはアプリ自体をメンテナンスの状態にしていたものもありましたが、こちらは影響が大きいため、もし可能であれば特定の機能のみメンテナンスの状態に切り替えられるようにしておいた方がよさそうですね。

 

適用は10/6の9時頃から徐々に

価格改定の適用情報が出始めたのが日本時間の10/6の9時ごろでした。この時の情報としてはAppStoreでの表記が変わったとの報告がメインで、アプリ内課金の反映はまだのアプリが多数でした。ストアの表記とアプリ内の表記が異なる時間が発生するため、事前にこの点をお知らせなどで告知しておくとユーザの混乱を軽減できます。

流れとしては、最初はAppStoreの表記が変わり、アプリ内課金は後から適用されているようです。AppStoreの価格だけ見ていると実際に課金される額が異なったりして大変なことになるため、アプリ内課金の部分までしっかり確認してからお知らせを出すのが良さそうです。フライング告知にご注意。

 

 

 

 

 

おっしゃる通りです(白目)

 

 

 

 

 

10/6の17:00からアプリ内課金の反映の報告

17:00前後になるとチラホラ反映されたツイートが目立つようになりました。Apple本社のあるアメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコだと日本と時差が17時間あります。つまりサンフランシスコでは10/6の17:00は10/6の0:00。この辺りから適用開始されているのでは? という可能性が高いかもしれません。正解はAppleさんしか知らないので予想でしかないですけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

ユーザ単位でも反映される場合、されない場合がある

運営・開発側で価格改定の反映を確認しても、ユーザが実際にアクセスすると反映されていない事例もあるようでした。アプリ単位ではなくユーザ単位でも反映の有無があるというのは、開発者側からすると恐ろしい事象です。

この場合は「実際の画面で表示される価格が請求される金額です」と事前に告知しておくのが良さそうです。新価格対応の有料アイテムを旧価格で購入するケースも起こりうるため、売上のレポートを確認する際はこの部分も考慮に入れないとですね。

 

10/7になってもまだ反映されないツイートが

価格改定の反映は全アプリ同時にではなく、徐々に反映されていました。なので10/7になってもまだ完了しないアプリもありました。この段階になると、同じく価格改定が反映されていない同士、変な親近感を持つようになってきました。

 

 

 

10/8になるとお待たせしました系のツイート多数

流石に10/8まで来ると反映されて「お待たせしました」系のツイートが多くなってきました。2022年の10/8は土曜日。つまり開発者たちは休みを返上しながら反映を今か今かと待ち望んでいたわけです。下手すると、金曜日の夜から「あれ……もうすぐ終電なのでは? これが終われば帰れるから頼む! 反映されててくれ!!」みたいなことも起きていたのかもしれません。本当にお疲れ様です。

 

 

 

でも反映されないんだけどぉ!?!?!?!?

10/8になると反映されない同期たちがどんどん卒業していく中、自分のところではなかなか反映されませんでした。確認するたびに絶望する、そんな無限地獄に陥っていたわけです。

そんな時にTwitterの検索で価格反映に関して検索していて、「TestFlightだと反映されていないけどストアのアプリだと反映されていた」というツイートを見つけました。これを書いている現在、元ツイートを探せなかったので失念していますが、確かツイートを見てなるほどと思った記憶があります。(あの日見たツイートのURLを僕たちはまだ知らない)

試しにストアでリリースしているバージョンをダウンロードして価格を確認してみると……!

 

 

TestFlightで確認しているアプリの場合、反映は後回しになるみたいですね……。これを考慮すると、10/7の夕方に他のアプリがどんどん改定反映を確認していた時間帯には同じく反映されていたのかもしれません。

なので、次回価格改定が発生した場合は、TestFlightではなくストアでリリースしているバージョンを使って確認しましょう(戒め)

ちなみにTestFlightやSandboxでは翌週あたりに反映されていました。本番環境の方で反映されていたのでTestFlight側での確認はふんわりと行なっていたことから正確な反映日時は分かりませんが、ある程度時間が経ってからの反映になりそうですね。

なので、TestFlightではなくストアでリリースしているバージョンを使って確認しましょう(2回目)

 

まとめ

2022年10月のApple社によるApp価格およびApp内課金の価格改定についてタイムライン的にまとめました。

運営チームや開発者がやるべきタスクとしては、

  • 価格改定のアナウンスを出す
  • 改定した価格に対応するUIを作成
  • TestFlightではなくストアでリリースしたアプリで価格改定の反映を確認(超重要)

です。

もう少し頑張れるなら、アプリ全体を止めなくて済むように課金機能だけを止める機能を入れておくと、ユーザが遊ぶ機会を失わなくて済みます。

プラットフォーム側の変更は、そこでリリースしている全アプリが影響を受けるため、ある意味公平と言えば公平かもしれません。次回価格改定があった場合に、このページがヒントになればと思います。

この価格改定に対応したアプリ開発者の皆様、本当にお疲れ様でした(白目)

 

     

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