Unityは独学でいけるのか解説【ネタバレ:いけます】
「独学でUnityを勉強したいんだけど、できるか心配」
「どのように勉強を進めたらいいか分からない……」
というあなたに、独学でUnityを学んでいく方法を伝授。
- 独学でいけるのかどうか
- Unityを独学で学ぶ道筋
- メリットやデメリット
について解説しています。
このブログを書いている私(todo)はUnity歴4年で、私自身、独学でUnityの知識や技術を身につけてアプリをリリースしました。
Unityは独学でいけるのか
もう早速ネタバレしますが、「Unityを独学で勉強できますか?」と聞かれたら「できます」と答えます。なぜなら、私自身が独学でUnityを勉強してアプリをリリースするところまで行ったからです。
学びはじめの頃は、「興味はあるけど、そもそもUnityを使い続けるか分からない」ということもあると思います。これがあると、なるべく独学で、なるべくお金をかけずに勉強できるというのは魅力的ですよね。
スクールに入ってみたけど、やっぱりUnity向いてないな……なんて思ってしまう場合も、少ないにしてもあるかもしれないし。
正直に言ってしまうと、独学は「できる」なのですが、できることと効率が良いことは別です。人から教わった方が早く全体像を掴めることもあるためです。
なにかを勉強するときには、まず全体像を掴み、それから細かい知識を入れてくのが近道です。というのも、脳の作りがそうなっているためです。
ちょっと認知心理学めいた話になってしまいますが、人間が物事を理解するときには、既存の知識の集まり(スキーマ)と照らし合わせて位置付けを決めています。既存の経験に紐づいているものは理解がしやすいんですね。
なので、最初にUnityに関するスキーマを作り上げてしまって、そこにどんどん新しい知識を入れていくと、先に学んだ情報とくっつけやすくて頭にも残りやすくなります。
本で例えると、本文に入る前に目次がありますよね。あの目次があることで、本全体でなにが書かれているのかを把握することができるんです。全体の流れを頭に入れて、その上で詳細な内容を読んでいくことで、各章の位置付けが分かった上で知識を結びつけることができます。目次がなかったら、「なんでいきなりこの話が出てきたの?」ってなってしまいますからね。(この記事にも目次があったでしょ?)
という訳で、独学においても、なるべく早い段階で全体像を掴むのが近道です。この点については次の「Unityを独学で学ぶ方法」で解説します。
Unityを独学で学ぶ方法
Unityを独学で学ぶ方法は以下の流れです。
- Unity公式のチュートリアルを確認
- 自分でゲームを作る
- Unityのブログで知識を得る
- リリースするゲームを作る
- 作ったゲームの分析を行う
- ゲームをどんどん作っていく
ひとつひとつ順番に解説します。
Unity公式のチュートリアルを確認
まずやるべきことは、Unityのソフトウェアに関するスキーマをあなたの頭の中に作ること。Unityを使う前にUnityのことをよく知っている、なんてことはないので、最初にUnityに触れます。
Unityをインストールし、プロジェクトを作成した直後の段階だと、おそらく何をしたらいいか分からずに手が止まってしまいます。
そこで、無料で使えるUnity公式のチュートリアル教材を使って、Unityを用いたゲームの作成を体験してみましょう。
この体験を通して、流れを掴んでいきます。実現したい動きと、Unityでの操作を結び付けていくことが大切です。
このときおすすめのチュートリアルは、「Roll A Ball(玉転がし)」という玉を転がすゲームです。Unity5の時代から存在しているチュートリアルなので画面は今とちょっと異なるかもしれませんが、流れを体験するには最適です。
このチュートリアルで学べるのは、
- ゲームオブジェクトを作成する方法
- キーボード入力で操作する方法
- カメラがゲームオブジェクトを追いかける処理
- 別のゲームオブジェクトにぶつかったときの処理
- スコアのカウント
- ゲームのビルド
で、キャラクターを操作したり、カメラがキャラクターを追いかけたり、画面内のオブジェクトと相互作用したりと、ゲームの要素が詰まっています。
ゲームのビルドまで体験できるので、Unityを使ったゲーム作成の流れを頭に入れましょう。
自分でゲームを作る
チュートリアルを体験したら、次は自分でゲームを作ってみましょう。教科書で例題を解いたら、問題集で自分で解いていくのと似ています。
ここで作成するゲームは、「Roll A Ball(玉転がし)」と同じようなレベルの簡単なゲームにします。この段階で大作を作ろうとすると挫折する可能性が高くなるためです。
まずは、地面の上をボールが転がる、ボタンを押したらジャンプする、といったような簡単なものから作成していきましょう。特定の場所に移動したら画面に「クリア!」と表示してみるのも良いですね。この辺りは「Roll A Ball(玉転がし)」でやったことを応用すれば実装できます。
このゲーム作りのなかでは、いくつも疑問が湧いてくると思います。実際に手を動かすことで、「この場合はどうするんだろう?」「もっとカッコよく実装できないかな」のようにどんどん頭が働いていきます。
思いついた疑問はメモするようにしてください。可能ならスマホのメモアプリなどに入れ、電車での移動中や暇なときに検索しておくと良いでしょう。スマホでは知識を収集し、家に帰ったらPCで手を動かして調べたことを確かめてみる、といった形で知識を自分の経験に変えていきます。
このとき調べる対象はUnityのマニュアルでもいいですし、このあと説明するUnityの情報を書いているブログで調べても良いです。
Unityのブログで知識を得る
自分でゲームを作っていく中で生じた疑問は、Unityのマニュアル、Unityの情報を書いているブログで情報収集していきます。
初心者におすすめのUnity系ブログは以下のページでまとめているので、こちらもご覧あれ。
これらのブログでは、書いている人が実際にやった操作が書かれていることが多いので、自分が調べようとしている点が既に解決されていることが多いです。なので、それを真似してやってみることが大切です。
ブログを書いている人も日々成長していて、最近の記事だとハイレベルなことを書いている場合もあるので、時間があるときは過去記事まで遡って現代に向かっていくと、どんな感じで成長していったのかのヒントを得ることができます。
理想を言えば、Unityのマニュアルとこれらのブログを両方並べてタブで表示して調べていくと良いですね。なぜなら、公式の見解を頭に入れつつ、その実例をブログで知ることができるので、より理解が深まるためです。
教科書で定理が出てきたら、それを使った問題を何度も解いていくことで、定理が頭に残っていきましたよね。
なので、公式の情報と実例をセットで参照するようにしてください。
リリースするゲームを作る
「自分のゲームを作る」の部分と、「Unityのブログで知識を得る」の部分を2、3回繰り返したら、今度はゲームをリリースすることを検討してください。
このときも、あまり大作を目指さないほうが良いです。大切なのは、リリースのプロセスを知ることだからです。
リリースするにあたっては、そのプラットフォームのストアで公開するために開発者登録が必要なことが多いので、この点も調べておきましょう。単純にゲームを作るだけでなく、他の人に遊んでもらうために必要な作業も入ってきます。
他の人に遊んでもらう場合は、自分の感覚だけではなく、他の人の感覚を知ることも重要です。可能なら、ストアでリリースする前に友達に遊んでもらいます。自分だけでは気づかなかった点を教えてもらえることが多いためです。
自分だけでゲームを作って遊ぶと、変な部分があったとしても脳内で情報を補完してしまって、無意識のうちにスルーしてしまうことがあるんです。なので、友達の意見を聞くのは重要です。
また、リリースする際にはマネタイズ(収益化)の方法も考えるようにしてください。完全に趣味でゲームをリリースするのであれば無料で広告なしで構いません。また、個人的には最初のゲームはリリースのプロセスを体験する意味で、マネタイズまで踏み込まなくても良いと思います。
マネタイズする場合は、アプリ内広告を用意するのか、有料アイテムを導入するのか、ゲーム自体を有料で販売するのか、自分がゲームをリリースするプラットフォームに合わせたマネタイズ方法を検討します。
アプリ内広告を使う場合はプライバシーポリシーを記載したページが必要になるので、ブログスペースを借りるか、自分でブログを作ってそこに記載する必要があります。
作ったゲームの分析を行う
ゲームをリリースしたら、レビューを見てユーザーのフィードバックを分析します。
単純に星の数で判断することもあるでしょうし、書いてもらった意見があればそこから情報を得ます。
これらの意見を元に、ゲームを改善していきましょう。リリースしたゲームそのものをアップデートする必要があるかもしれませんし、今後作成するゲームのヒントに繋がっていくこともあります。
こうしたフィードバックは私たちが成長するために不可欠なので、ゲームをリリースしたあとはぜひ確認するようにしてください。
ゲームをどんどん作っていく
ゲームを企画し、それを元に作ってリリースして、フィードバックを得ました。これを元に、新しくゲームを作っていきます。
PDCAのサイクルを回すのはとても大切なので、ひとつ前に出したゲームの分析は必ず行うようにしてください。
ここまでくれば、自然と情報収集もできるし、ゲームも作っていける段階になっていくと思います。あとはこれを続けて技術を高めていき、遊んでくれた人が心の底から楽しんでくれるようなゲームを作るだけです。
独学のメリット
独学のプロセスについて説明していきましたが、ここで独学のメリットについてもお伝えします。
お金がほどんどかからない
独学をする人の理由のほとんどがこれではないでしょうかね。
Unity公式の教材だったり、Unity系のブログを見ていけば、無料で技術を高めていくことができます。独学なら、最初に費用がかかるポイントはアプリストアの開発者登録か、Unityのライセンスアップグレードでしょうから、実際にゲームをリリースする直前までは無料でいけちゃいます。
使ってみたら合わなかった、やっぱUnreal Engineにしてみよう、なんてこともあるかもしれないので、こうした場合のリスクが低いのもメリットです。
ガッツが身に付く
独学では、誰もあなたに強制しません。あなたの技術が高まろうが、停滞しようが、怒ってくれる人もいません。全て自分の責任において進めていくのです。
この状況でUnityを使ってゲーム開発を進められたなら、間違いなくガッツを身に付けることができます。多少時間が掛かろうとも、ゲームを必ず完成させる、という意思が自然と身に付いているはずです。
自己管理して技術を磨いていけるというのは、素晴らしいことです。
興味あることがめちゃくちゃ伸びる
独学のメリットとして、自分で学びたいことを見つけていくので、興味のあることがめちゃくちゃ伸びていきます。
自分の強みがある分野、好きな分野というのは自然と触れている時間が長くなります。独学では自分の裁量で時間配分を決められるので、どんどん伸ばしていけるんですね。
私はレンダリング関係が好きなので、シェーダーに関する技術だったり、カメラワーク、ポストプロセシングなどを触る時には時間を忘れて没頭していました。このブログでもカメラワークやポストプロセシングに関する記事をいくつか書きましたが、多分他に比べて気合が入っていると思います(笑)
このように好きなことを伸ばせるので、その技術をあなたのゲームに注ぎ込むことであなたの強みが特徴となって現れていきます。
情報の探し方が身に付く
困ったときに参照するべき情報がどこにあるか、どこを見れば解決するのか、これが経験として身に付いていきます。
独学では、なにか問題が起きたら自分で解決する必要があるので、時には頭を悩ませながら一歩ずつ問題を解決していきます。こうした経験は、ゲーム開発を続けていく上でとても大切です。
Unityのマニュアルから探す、Unity系のブログから探す、エラーメッセージで検索に引っかかった海外のフォーラムを使うなど、様々な経験が身に付いていると思うので、問題解決の速度もどんどん上がっていくはずです。
手を動かした時間の長さは、全て経験に繋がっていきます。
独学のデメリット
独学にはメリットだけではなく、デメリットもあります。両方を検討した上で進む道を決めるのが良いでしょう。
全体が見えない
独学だと、最初はなにをしたら分からないんです。そのヒントをくれる人もいませんから。
「Unity」というキーワードを元に、公式の情報だったり、Unity系のブログだったりをなんとか見つけて、今の自分に必要な知識がどれかも分からないままとりあえず情報を読み漁り、なんとかちょっとずつ進めていく……というのが独学の辛いところです。
全体が見えていれば、「今の自分に必要な知識や情報は何か?」と必要な情報に絞って調査できるので、この部分は不利ですね。
とはいっても、この記事で独学の進め方を書いたので、まずはこの通りにやってもらえれば暗中模索の辛い気持ちを味わうことなく技術習得を進めていけます。
繰り返しになりますが、この記事を読んだあと、あなたがすべきことはUnity Learnのページに飛んでチュートリアルをやってみることです。
時間がかかる
独学では情報を調査するための時間がかかります。ここが大きなデメリットですね。
特に時間のない社会人だと、このデメリットがとても痛いです。
Unityを使ったゲーム開発の技術を身に付けるにはもちろん手を動かした時間が大切なのですが、手を動かすにしても目的や目標設定が大切です。「〇〇を表現するために、□□の機能を実装する」のように、何のためにどのような機能を実装していくのかを調べる必要があります。
スクールなどを使えばこの部分の繋がりがまとまっている状態で教えてくれるので、スムーズに学習を進めていくことができます。結果として短い時間で技術習得ができるわけですね。
スクールではお金を投資しますが、独学だとそれ以上の時間を投資することになる点には気をつけないといけません。
フィードバックがない
ゲーム開発の技術を向上させていくためにはフィードバックが必要です。
ゲームを作っていて、「これで良いのかな……?」と思うことは多々あり、独学だと誰も指摘してくれないので、不安なまま開発を進めていくことになるためです。
リリースしたゲームについてはユーザーのフィードバックを分析すべき、と上で解説しましたが、まさに改善にはフィードバックが大切なのです。
最初に判断の基準を持っていれば、「パフォーマンス面で有利だからこの処理にする」といった形で根拠を持って判断していけるので、迷うことも少なくなっていきます。
まとめ
この記事では、独学でUnityを使ったゲーム開発を身につけていけるのか、という点について解説しました。
独学は可能ですし、このページで紹介した「Unityを独学で学ぶ方法」の流れに沿って進めてもらえば、全くのノーヒントでスタートするよりは早く技術を習得することができると思います。
ただし、本当に独学で進めるべきかどうかは、メリットとデメリットを考えた上で選択するようにしてください。独学か、スクールを使うか、両方の選択肢を考えた上で「やはり独学が自分に合っている!」とコミットできたなら、きっと迷うことなく進んでいけるはずです。
ゲーム開発の攻略チャートを作りました!
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素晴らしい記事でした
ありがとうございます^^