【ゲーム開発】テストはあるべき姿に近づけるために重要なフェーズ

【ゲーム開発】テストはあるべき姿に近づけるために重要なフェーズ

このブログでは「ゲーム作りでもテストは大事だよ!」と何度か形を変えてお伝えしています。このページもその一環なのですが、はやぶさ2の帰還ミッションに感銘を受けた点からもお伝えできればと。

2020年に小惑星探査機のはやぶさ2が地球の近くまで帰還し、小惑星「リュウグウ」から採取したカプセルを地球に残して次のミッションに出発しました。

この帰還ミッションの様子はJAXAがYoutubeでライブ配信していて、夜中だったにもかかわらずそれを見て盛り上がっていました。

カプセルを地球に投下するには綿密な計算が必要です。というのも、大気圏再突入時は速度が大きい状態で突っ込んでくるので、うまく減速しないと断熱圧縮により燃え尽きちゃうんですよね。しかもこの時のミッションは「オーストラリアの特定のポイントに落とします」という条件付き。

「人がゴミのようだ!!」なんてテンション上がっていたあの人よりもさらに高い位置から狙って落とすんです。

ミッションの遂行には綿密なシミュレーションが必要だったことと思います。それだけに本番で全て予定通りにうまくいっていた姿は感動を覚えました。

このようにテストをやシミュレーションをしておくことはゲーム開発でもとても重要で、ユーザーの手元でゲームを遊んでもらう際にはこちらが意図した通りに動いてくれるように、リリース前にしっかりやっておきましょう。

 

 

テストはあるべき姿に近づけるために

テストやシミュレーションを積み重ねる点はゲームを作る場合でも似ていて、何度も何度もテストして品質を上げていきます。

システム的な「品質」とはバグが少なく、ユーザーがゲームを遊んで楽しんでいるのを妨げないことを指します。せっかく綺麗なグラフィックのゲームを作っても、バグばかりで全然先に進まなかったら勿体無いですからね。

この時大事なのが、「本来どうなっているのが正しい姿か」という点を明確にしておくことです。どうなっているのかが分からない状態ではテストするといっても合格基準が不明確になってしまいます。

 

あるべき姿?

本来あるべき姿は何によって表されるかというと設計書や仕様書です。

これらのドキュメントにはゲームの振る舞いや、細かい内部的な動きが書かれており、テストではこれらの動作が実装されているか確かめていくことになります。単純に動く、動かないを確かめるだけではなく、どう動くのが正しいのかをチェックすることに意味があります。

もちろん、正常系テストだけではなく異常系テストについてもやっておいた方が良いのはいうまでもありません。

正常系テスト……設計書や仕様書に書かれている通りに動作するかどうかのテスト。

異常系テスト……予想外の操作などが発生した場合のシステムの動作を確認するテスト。

異常系テストはエラーがハンドリングできているかの確認を行います。

アプリケーションがユーザーさんの手元で実行されるゲームにおいては、こちらも大切になってきます。エラーが出たらゲームが強制終了、だとユーザーさんはどうしようもないので、解決するための情報を画面に表示したり、一度タイトル画面に戻ったりなどの実装があるとグッド。

正常系テストや異常系テストについては以下の記事でも簡単に触れているのでよかったらご覧ください。

 

シナリオテストなども

ユーザーさんが操作するであろうポイントを考えて、シナリオを作ってテストするシナリオテストも大事です。

例えばキャラクターの装備を変える動作を想定していたとします。アイテムを購入し、装備画面を開き、装備の操作を行う、という一連の流れを実施してみます。

この時、システム的な動作が正しいことを確認するほかに、操作がしやすいか、分かりやすいかなども確認しておくといいですね。

操作している時のレスポンスなども大事な要素です。ユーザーさんがやりたいことに対して素早く応答できるようにすることで、ゲームを楽しんでもらうことができます。システム的な「あるべき姿」が仕様書や設計書なら、ゲーム的な「あるべき姿」はユーザーさんが楽しんでいる様子です。ゲームを遊ぶことでユーザーさんにこうなっていてほしい! という点はどこかに記載しておくといいかもしれませんね。企画書に入れておくと熱量が出ていいかも。

 

まとめ

こうしたあるべき姿に沿ってテストを繰り返すことによって本番、つまりユーザーさんがゲームを遊ぶ時にゲームのあるべき姿のまま遊んでもらうことができます。

ユーザーさんが遊んでいる姿(本番)を直接眺める機会はそう多くはないですが、友達に遊んでもらって「バグ出るな……バグ出るなよ……」と祈りながら、うまく遊んでもらえた時の嬉しい気持ちを味わうのも良いかもしれません。

 

     

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